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経営のコトダマ 第13回 効率のコトダマ ひきたよしあき

2019.07.23
政治、行政、大手企業などのスピーチライターを務め、「言葉の潜在的なちから」をテーマに子どもからビジネスマンまで読める著作多数。
明治大学をはじめ様々な教育機関で熱弁をふるう博報堂スピーチライターひきたよしあきが、企業経営における言葉のちからを綴る。

私の教えている大学の講義が、
昨年から100分になりました。
90分から10分伸びただけですが、
かなり息切れします。
うまくやらないと、間延びする。
学生の集中力を維持するのは至難の技です。

研究者の研究時間を確保するために
各大学が始めているそうですが、
学生は辛くないのでしょうか。
昨年卒業した学生に聞いてみました。

当たり前のことですが、先生の講義内容に
よるそうです。
しかし、それだけではなく、うまい先生は、
飽きてきそうなところで、休憩か道草の
話題を挟んで、次から別の内容を話しだす
そうです。

「別に10分長くなっても苦労は感じません。
先生も、休憩時間ができた分、聴きやすいとも
言えます」

私のような広告会社の人間は、伸びた分を
すぐに埋めたくなってしまう。
しかし、プロの先生たちは、集中力を持続
する時間に活用しているようです。

2000年代から猛烈な勢いで発達してきた
脳科学の世界は、これまでの私たちの常識を
気持ちいいように覆してくれます。

「あいつは、4時間しか寝ずに勉強したから合格
した。あいつは5時間寝たので落ちた」

などと受験の頃に言われた「四当五落」。
今の学生にこんなことを言ったらパワハラ扱いを
されそうです。

脳科学の教える効率的な勉強のひとつは、
「ポモドーロテクニック」と言われるもの。
ポモドーロは、イタリア語でトマトのこと。
トマト型のタイマーで始めたことが由来だそうです。

これは25分集中して、5分休憩。
これを繰り返していくことが最も効率がいいと
言われています。

これを知ってから、講義の組み立てを
変えました。

5分  アイスブレイク
25分 講義1
5分  道草 講義内容に関係あるエピソード
25分 講義2
5分  道草 個人的なエピソード
25分 講義3
10分 質問とリアクションペーパーの書き込み

25分単位の講義を3回繰り返し、
合間に必ず頭を休めるようにしました。
やってみると、嘘のように学生の食いつきが違います。
集中力が途切れません。
最後まで、机に顔を俯して寝る学生が少ないことに
驚きました。

学生からは、

「初めて最後まで寝ずに聞けました」

と最高(?)の褒め言葉をもらっています。

「働き方改革」が進む中、私たちは限られた
時間の中で効率的に仕事をしなければいけません。

そのためには、会議や報告も
「ポモドーロタイム」を実践してみては
いかがでしょう。

長らく私たちは、長く机に向かっている
ガリ勉タイプを、真面目だ、集中力があると
褒めてきました。
しかしこれは、「学習」と「しつけ」が
まぜこぜになっているように思えます。
けして効率的ではないのです。

効率のコトダマは、25分+5分。

働き方を、こんな風に変えてみませんか。

<経営のコトダマ>
第1回 あなたの会社が終わるとき
第2回 徹底的に戦いを省け
第3回 サービスとホスピタリティ
第4回 文学は、実学
第5回 未来を五感で味わいつくせ
第6回 体調のコトダマ
第7回 座右のコトダマ
第8回 激励のコトダマ
第9回 未来のコトダマ
第10回 気くばりのコトダマ
第11回 変化のコトダマ
第12回 先輩のコトダマ

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