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ヒット習慣予報 vol.175 『漬け活』

2021.06.29
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

先日ヒット習慣メーカーズのメンバーで定例会をやっていて、驚きました。私以外のすべてのメンバーが自宅で何かを漬けていたのです。梅だったり、野菜だったり。これって偶然なのだろうか?と思って調べてみたらどうやら新たな兆しだったようで。

ということで、今回のテーマは「漬け活」です。まずはGoogleトレンドで「漬ける」というキーワードを見てみましょう。周期的に大きなスパイクが立っています。検索が増えているのは毎年6月。記事検索をしてみると梅の収穫がこの時期で、梅酒を漬けはじめる人が増えていたんですね。よく見てみると毎年のスパイクが徐々に大きくなっています。それに伴い、6月以外の時期も徐々に検索数が底上げされているのがわかります。どうやら「漬ける」という行為(=「漬け活」と名付けてみました)が年々増してきているようです。

〈「漬ける」に関する検索数の推移〉

出典:Googleトレンド

この「漬け活」ですが、周囲にヒアリングしたり記事やSNSを分析すると大きく4つの漬け活が行われていることがわかりました。
まずは、漬物。中でもぬか漬けがひそかなブームになっているという記事が散見されました。「ぬか漬け」をGoogleトレンドで見てみると、最初の緊急事態宣言が出た2020年の4月下旬以降に急増していました。また、Instagramで「ぬか漬け」をハッシュタグ検索すると25万件をこえる投稿が出てきました(ぬか漬けが映える時代なんですね!)。野菜だけでなくスイカ、アボカド、ゆで卵とかも。いろんな楽しみ方があるんですね。

〈「ぬか漬け」に関する検索数の推移〉

出典:Googleトレンド

続いて、酢漬けです。これもメンバーの中でやっている人が複数人いました。代表的なものはピクルスです。ピクルスもInstagramでハッシュタグ投稿が約30万件と非常に多い。こちらは透明なガラス瓶に野菜を入れて写真を撮って投稿。確かに色鮮やかでとてもキレイです。ピクルス用に新たに調味料を混合しなくても、既製品が最近よく売られているのでとても手軽にできるというメンバーもいました。また酢キャベツもブーム到来。効果のほどはわかりませんがダイエット文脈で語られたことにより火が付いたようです。

さらに、麹。塩麹や醬油麹がよく見られるようになりました。美味しくなるだけでなく、肉や魚がやわらかくなるし、生臭さもとれていいとの声も。その延長で発酵おかずという言葉も散見されます。麹をつかって発酵させることでうまみが増して美味しくなって日持ちがする上に、腸活目的で食べる人も。

最後に、フルーツ系。梅シロップや梅酒は王道ですね。ある食品通販サイトでは、食材のみならず手づくり用のキットを発売していて、準備に手間をかけずにつくることができる機会を提供しています。またフルーツシロップもよくみられるようになりました。ピクルス同様、瓶に入れたカラフルな食材がカワイイということもあり人気が出ています。ソーダ割にしたり、ヨーグルトに入れたりして食べるのがオススメだとか。蒸し暑くなってきた今の時期にぴったりですね。やってみたい。

では、なぜいま「漬け活」が伸びているのでしょうか。実践している人たちに意見を聞いてみました。理由のひとつは、おうち時間の増加です。コロナ禍で家で過ごす時間が増えたため、新たな趣味として取り組む人が増えているようです。また、育てる楽しさも理由のひとつに挙げられます。食材を漬けてから時間をかけて調整をしつつ育てていく過程が楽しいのだとか。子どもと一緒に育てることで食育にもなるという声も。最後にヘルシー文脈。腸活やダイエット効果、美容効果などを期待して実践する人も多くいます。

このように時代の流れにぴったりあったことで拡がりつつある『漬け活』ですが、これからも多くの人が実践していくことが予測され、そこには新たなビジネスチャンスが広がっています。

『漬け活』のビジネスチャンスの例
■ 漬け活のプロセスを最適にマネジメントしてくれるスマホアプリを開発する。
■ 親子で食育として楽しむことを目的とした子ども向け漬け活キットを販売する。
■ 調味料メーカーが漬け活をテーマとして持続的な習慣喚起策を行う。
など

冒頭に書きましたが、メンバーで打合せしていた中で唯一何も漬けていなかった私ではありますが、なんだか悔しいので近々何かを漬け始めようと思いまして。最近忙しくて疲労もたまっていたせいか、思わず「疲労回復 漬ける」で検索してみたら、レモンの蜂蜜漬けのレシピが出てきました。そういえば、小学生の頃野球部で、練習試合の時に友達のお母さんがよくレモンの蜂蜜漬けをつくってきて食べさせてくれた甘酸っぱい記憶がよみがえりました。今度の週末にでもやってみようかな。

中川 悠(なかがわ・ゆう)
生活者エクスペリエンスクリエイティブ局チームリーダー
ヒット習慣メーカーズ リーダー

メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
戦略CDとして、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。最近はタコスにはまっていて、都内にあるタコス屋さんを開拓しては食べ続ける日々をおくる。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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