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ヒット習慣予報 vol.174『破天香』

2021.06.22
#トレンド

こんにちは、ヒット習慣メーカーズの田里です。

今月からヒット習慣メーカーズにJoinしました。2018年に新卒で博報堂に入社後、関西支社に配属され、博報堂DYメディアパートナーズに出向。ヒット習慣メーカーズでは唯一の「メディア畑人材」として、独自色を出せるように頑張っていきます。よろしくお願いいたします。

さて、今回ご紹介するヒット習慣は「破天香」です。
コロナ禍によるテレワークの普及や、マスク着用が半ば必須となったことにより、自身が発するにおいに対して大胆・豪快に構えるようになった、という話です。この「破天香」、具体的にどのような行動に表れているのでしょうか?

1つ目は、においが強い食べ物への「リミッター解除」です。以下のGoogleトレンドにおける「ニンニク」の推移をご覧ください。検索数は上昇傾向にあり、特に2020年に入ってその傾向が顕著です。従来は、食べた後・・・とりわけ翌日に残るにおいを気にして敬遠されてきた「ニンニク」。今ではニンニクを前面に押し出したインスタント・レトルト食品が人気を博するなど、人々の「ニンニクリミッター」が外れてきていることが分かります。かくいう私もニンニクをたっぷりトッピングしたガッツリ系ラーメンを愛してやまないのですが、以前はにおいを気にしてニンニクを抜いていたところを、最近ではテレワークが多いことに甘えて「ニンニクマシマシ」を選ぶようになりました。正直、翌朝の部屋のにおいが気になりますが、心置きなくニンニクを食べられる多幸感には代えがたいものがあり、相変わらずリミッターは外れたままになっています。

出典:Googleトレンド 「ニンニク」で検索

また、同様に「スパイス」の検索トレンドも右肩上がりとなっています。スパイスカレーがブームとなって久しいですが、コロナ禍による内食需要の高まりに加え、においを気にして避けていた人たちが調味料としてスパイスを使用するようになったことの表れであると考えられます。

出典:Googleトレンド 「スパイス」で検索

2つ目は「他人に対するにおいケア意識の低下」です。「マスク口臭」という言葉も存在するように、長時間マスクを着用することで、マスク内にこもる自分の口臭が気になった経験がある方も多いのではないでしょうか。しかし、以下のGoogleトレンドのように、「口臭」の検索数は減少傾向にあります。マスク着用が半ば必須化していることによって自身の口臭には気付かされつつも、それをケアしようという意識が薄まっていることがうかがえます。

出典:Googleトレンド 「口臭」で検索

口臭ケアグッズの代表格であるタブレット菓子(錠菓・清涼菓子)の販売トレンドは、2020年以降落ち込んだままとなっているという報道もありました。人と接する機会が減ったことに加え、多少におってしまったとしても、マスクがその拡散を防いでくれるという”マスク信仰”が、他人に対するにおいケア意識の低下に繋がっているのではないでしょうか。

では、なぜ「破天香」な人が増えてきているのでしょうか?理由としては、大きく2つあると考えます。
1つ目は、においが強い食べ物への「リミッター解除」が、コロナ禍で可能な数少ないストレス発散方法の一つであるからです。ジムで身体を動かすことや、気の置けない仲間と酒を酌み交わすことが難しく、ストレスの発散方法が限られる世の中。「背徳の象徴」であったニンニクやスパイスの摂取が、巣篭りやマスクのご利益で、手っ取り早いストレス発散方法として持て囃されるようになったのではないでしょうか。
2つ目は、そもそもの前提として、実は「家族間の物理的距離」が発生していることが考えられるのではないでしょうか。これには世代間の接触メディアの違いが関係していると考えられます。従来、家庭の中心にあるメディアといえばテレビであり、一家で揃ってリビングでテレビを見る・・・という風景が日常のものとしてありました。しかし、若年層の接触メディアがデジタルシフトしたことにより、「若者はスマホ、シニアはテレビ」という傾向が顕著となり、テレビの前に一家が揃う風景は過去のものに。家族間でも知らず知らずの間に物理的距離が発生、コロナ流行による在宅時間の増加でその傾向は一気に強まり、結果としてにおいケアに対する無頓着さに拍車をかけていると考えられるのではないでしょうか。

最後に、「破天香」から見るビジネスチャンスについて考えてみました。

「破天香」のビジネスチャンスの例
■ レトルト食品「ニンニク限界突破シリーズ」の販売
■ スパイスを手軽に買えるよう、コンビニエンスストアに「スパイスバー」を設置
■ 野菜ソムリエならぬ「ニンニクソムリエ」サービスの提供

ニンニクが大好きな私ですが、「破天香」の度が過ぎないよう、ほどほどの量で楽しみたいと思います。

田里 遥(たさと・はるか)
博報堂DYメディアパートナーズ
関西支社 統合AP局 統合プラニング部
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2018年に博報堂入社後、博報堂DYメディアパートナーズへ出向。メディアプラナーとして「メディア出稿の最適化」をテーマに、ALLメディアの出稿戦略立案~効果検証業務に従事。ブーム前からのめり込んでいる生粋のサウナ―であり、まだ見ぬ名サウナを求めて日本中を駆け巡る。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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