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ヒット習慣予報 vol.157 『世代間共創』

2021.02.16
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。

このコラムは順番に執筆していくので、だいたい2ヶ月に1回のペースで自分の執筆回がまわってくるのですが、なぜか「最近仕事落ち着いているなあ」という時ではなく「やばい仕事おわらない、、、」となっている時に回ってくるという不思議なジレンマがあります。時間がある時に書いておいて、忙しい時にバタバタせずにすむようにしましょう、というのは分かっているもののなかなかできないもんで、なかなか不甲斐なさを感じる三十路です。

そんな自分の高校時代を振り返ってみると、なんの目標もなくグダグダと毎日を浪費するだけの、石を投げれば当たるくらい珍しくもない帰宅部ボーイでした。ところが最近ではGenerationZ(Z世代)と呼ばれる世代が真のデジタルネイティブ世代として注目をあつめており、昭和平成の学生とは違う役割を果たす可能性がでてきているようだ、というのが今回のコラムのテーマ「世代間共創」です。

価値観の多様化が叫ばれる昨今ですが、価値観だけでなく、社会の急速な変化を受けて団塊世代〜シニア世代と若者の価値観のギャップはますます広がりをみせています。人生100年時代にシニア世代の長年の経験に裏打ちされた知識の企業における利活用も模索されている中で、反対に、いままで企業の働き手として認識されていなかったZ世代の企業における活用も進んできているようなのです。

つまり、働いたことがない若者世代の感覚や意見というのが専門的な長年の知識と同等に価値のあるものとして受け入れられ始めてきたというのが今回テーマになっています。

もしかしたらZ世代という単語自体、聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、1990年代中盤以降生まれの若者を指すことばとして使われており、X世代、Y世代(ミレニアル世代)の次の世代を指す単語になっています。Googleトレンドで検索数の推移をみてみても、2020年の半ばあたりから徐々に検索数が伸びていることも見て取れます。

「Z世代」の検索数推移

出典)Googleトレンド

そんなZ世代含む若者について企業の取り組みを調べてみると、海外の著名ラグジュアリーブランドが30歳未満の人材を「シャドウ・コミッティ(影の委員会)」として企業の新商品やマーケティングについての意見を聞くために巻き込んでいる事例がみつかりました。まさに、全く違う価値観をもった専門家としてその価値をみとめている良い事例だと思います。(この場合30歳未満なので、一部ミレニアル世代も含む人材を採用しています。)また他にも、日本のベンチャー企業が18歳以下の人材をCFO「Chief Future Officer」として採用している事例もあります。地球のこれからについて考えるのに、当事者である子どもたちが参加していることの必要性を感じたことがその理由のようです。

ある正解や決まった道筋が見えていた成長経済における社会においては、「若さ」や「知らないこと」の必要性を感じられていなかったのが、現在は逆に価値を持ち始めているのです。たしかに、変化が激しく先が見えないVUCA時代においては年齢を重ねれば価値があるという発想は終焉をむかえ、マーケティングや企業で学べるようなノウハウは知らないけれど、小さい頃から当たり前のように親しんできたデジタル習慣や価値観の方がこれからの企業活動にとって有益だという判断は納得ができるものかと思います。

デジタルリテラシーに加えて、2020年から教育要項の改定によって必修化されたプログラミングの授業による知識もあいまってこれからますます若者の存在が重宝され始める可能性があります。プログラミングだけでなく、2019年頃からなんと「起業」のための授業も行われ始めているようです。数学や国語といった知識ではなく、起業という正解がない授業で自ら答えを出す力が育まれはじめているのです。さらに、高校生向けのクラウドファンディングはもちろん、地域課題解決を目指した地域住民と高校生のプログラムを企業が主導する事例や高校生に対してインターンシップを開催している企業まででてきています。もちろん、優秀な人材と早くから接触して、青田刈りを目指す採用広報的な役割もあるとは思いますが、そのインターンで得た内容を企業活動にきっと活用しているのではないでしょうか。

いくつか事例をご紹介してきましたが、「世代間共創」の潮流が広がっている理由を少し考えてみたいと思います。やはり正解がない時代に、企業が「学べば分かること」よりも「学んでも分からないこと」を、そして「積み重ねた知識」だけでなく「新鮮な知恵」が求められ始めたことが大きいでしょう。

ひとつの企業内のおなじような「知識」をもっている人たちだけでなく、Z世代のような若者だけでなく、様々な立場や考え、そして「知恵」をもっている第三者と一緒に企業活動を行っていくのが、これからのスタンダードになるかもしれませんね。

最後に、「世代間共創」のビジネスチャンスについて、少し考えてみたいと思います。

◎「世代間共創」のビジネスチャンス例
■選ばれた高校生を地域の未来を担う期間限定議員「1日議員」として採用
■高校生が社員として所属し経営する企業のサブブランドを試験的に設立
■高校生が審査員になるビジネスコンテストを開催
など。

僕も「今の高校生の考えることはわからん!」と諦めるのではなく、積極的に学んでみようと思います!

村山駿(むらやま・しゅん)
統合プラニング局

PR戦略局から、19年に統合プラニング局に異動。車からお菓子に至るまで様々なクライアントの情報戦略、企画立案に携わる。毎日きまった街のきまった飲み屋に入り浸っていた生活を経て、知らない街の知らない店に飲みに行きたいなとリサーチ活動を実施中。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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