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ヒット習慣予報 vol.155 『外と内のあいだ』

2021.02.02
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
節分ですね。
2月2日が節分なのは、なんと124年ぶりだそうです。最初、近所のスーパーマーケットで、今年の節分は、2月2日、ってなっているのを見て、何を間違ったことを書いているんだ、と思っていた自分が恥ずかしいです。なんで、2月2日が節分になるのかというと、というのは、他のWEBサイトでもたくさん解説していただいているので、ここでは割愛させていただき、それよりも、今日は、豆まきしなきゃ、ですよね。「鬼は外、福は内」と、今年も良い一年になることを願うばかりです。

さて今回のテーマは、そんな「外」と「内」の考え方が変わりつつある事例を取り上げようかと思います。これまでは、「外」=家の外、「内」=家の中、とはっきり2分割されていたように思われますが、最近では、「内」がさらに、2分割され、「外と内のあいだ」が出来てきているように感じます。

その象徴的な例が「部屋着」です。
いや待て、「部屋着」って、「パジャマ(寝間着)」と何が違うんだ!という方がいらっしゃるかと思いますので、ここで少し説明させていただきます。まず、「パジャマ(寝間着)」は、快適な睡眠をサポートするために作られている衣類であり、外に着て出ていくことを一切想定されていないものです。一方で、「部屋着」は、昼夜問わず、室内でくつろげるように作られており、ファッション性が高く、外にも歩けそうな雰囲気のあるものもあったりします。このように、どちらも家の中でのリラックスタイムのために作られていますが、目的が異なります。

そこで、どれくらい注目を集めているのか、と思い、Googleトレンドで「部屋着」を見てみると、年々注目度が高まっている様子がわかります。

出展)Googleトレンド(「部屋着」で検索)

最近では、コロナ禍の影響で、できるだけ清潔に保ちたい、という意識の高まりや、テレワークの増加からも、「部屋着」を採用する方が増えているのではないでしょうか。

ちなみにですが、「パジャマ」も年々注目度が高まっていました。
こちらは、睡眠の質などに対する意識の高まりが影響していそうですね。

出展)Googleトレンド(「パジャマ」で検索)

続いては、家のあり方の変化です。
なかでも、外と内の家の境界線が曖昧な家への注目がこれまで以上に高まっているようです。これまでは、プライバシーの問題もあり、自分の家は、他の人の目線や行動を遮断するために作られていたのですが、それが、コロナ禍もあり、人との接触が減ったことで、改めて人との絆、つながりが大切だという認識が生まれてきています。そのため、マンションの中でも、廊下に面した部分で、近所の人との会話ができる縁側のようなスペースを作ったり、人々が集まりやすい屋上庭園などを作ったりする家が増えてきているようです。それにより、プライバシーを守る内(=家の中)と、これまでの外(=家の外)だけでなく、その中間の曖昧な余白が生まれるので、人々をつなぐスペースになっているのではないでしょうか。その副次的な効果として、狭い家が、広く感じる、なんてこともあるようです。

そして、最後は、「出張シェフ」。
これまでもサービスとしては存在していましたが、ちょっと形を変えて、これまでより注目を集めるようになっているようです。これまでの出張シェフは、ホームパーティなど、みんなで美味しい料理を食べるためにそのハレの瞬間の料理を振る舞ってもらうことが中心でしたが、最近では、シェフに家に来てもらって、3-4回分の夕食を作ってもらうサービスに注目が集まっているようです。これだと、テイクアウトなどと異なり、自分の好みも相談できるし、これまでの出張シェフよりも安価でとても助かるようです。わざわざ外に行かなくても、内(=家の中)で、シェフに作ってもらった料理を、数日楽しめるので、注目を集めているのではないでしょうか。

では、なぜこのような「外と内のあいだ」が広がっているのか、理由を考えてみました。
最大の要因は、「おうち時間を充実させたい」という気持ちの高まりにあると思います。外出時には、様々なことに気をつけて行動しないといけないことが多い世の中になってきていますが、家に帰ってからは、そんなことを忘れて、家族とのふれあいや時間を大切にしたいと考える人が増えているのではないでしょうか。おうち時間をもっといい時間にするために、「外と内のあいだ」が生まれてきているように感じます。
この根底には、「外との接触を可能な限り減らそう」という意識があるとは思いますが、ただ、減らして閉じこもるのではなく、少しでもポジティブな方向に変えていこうという、想いからこのような動きが生まれているのかもしれませんね。

◎「外と内のあいだ」によるビジネスチャンスの例
■アパレル関連企業が、「部屋着専用ブランド」を立ち上げる。
■建築会社が、マンションを建てるときに、各階に人々が立ち話や井戸端会議ができそうなフリースペースを設ける。
■飲食店が、「外と内のあいだ」の空間をつくり、店内の清潔さを積極的にアピールし、ブランド化していく
など。

個人的には、最近、外に出る機会がめっぽう少なくなってきているので、これからの生活の中で、「外と内のあいだ」を少し、意識してみようかな、と思います。

楠田勇輝(くすだ・ゆうき)
関西支社 MDB推進局 統合プラニング部
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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