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ヒット習慣予報 vol.153 『まとめて疑似旅』

2021.01.19
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの馬場です。
新年3回目のコラムとなります。ついこの間年が明けたと思ったら、もう1月も後半。年始のお休みの兼ね合いもあり、例年1月は極端に短く感じるのは私だけでしょうか。気づいたら新年度になっていたということがないように、気合を入れていきたいと思います。

さて、今回ご紹介する新習慣は「まとめて疑似旅」です。実際に旅行に行くのではなく、オンラインツアーなどを活用し、特定のテーマに合わせた場所をまとめて楽しむ新しい旅行の形になります。普通に旅をすることの良さももちろんありますが、ネット上で疑似的に瞬間移動して様々な場所を周遊する旅もリアルにはない新しい価値があると考えています。

「まとめて疑似旅」の分かりやすい例の一つは、先ほど言及したオンラインツアーを活用するケースです。某旅行商品販売サイトで、年末年始に一番人気だったオンラインツアーは、世界6都市の初日の出を周遊するライブ商品だったそうです。「初日の出を拝む」という旅のコンセプトに対して場所を超えてまとめた形式が人気の理由だったのではないかと思います。ほかにも国を超えた周遊ツアーが上位にランクインしていました。

新年つながりでは、初詣というテーマでも「まとめて疑似旅」の兆しが見られました。コロナが猛威を振るう中でも参拝できるように、いくつかの神社がオンライン参拝サービスを提供しています。知人の男性の中には、せっかくなので新年に複数のオンライン参拝を巡ったという方がいました。本来であれば実際に足を運びたいところではありますが、例えば、今後サービスを提供する神社が増えていけば、学業・仕事関係なのか、恋愛関係なのかといったお祈りに応じて、様々な参拝先を巡るといった活用の仕方も出てくるかもしれません。

最後は食に関する「まとめて疑似旅」です。かなり個人的な体験になるのですが、最近「キノコ鍋」をよく食べる中で、実践してみた体験になります。元々は様々な種類のキノコを買って楽しむということをやっていたのですが、あるネットスーパーで複数の産地の同じキノコを購入できることに気づき、舞茸に特化したキノコ鍋をやってみました。これも実は複数の産地の同じ食品に容易にアクセスできるデジタルならではの楽しみ方だと思います。その晩は、新潟、静岡、長野など各地を飛び回った気分で舞茸を味わうことができました。

「まとめて疑似旅」が広がっている理由の一つはコロナの影響ですが、単にネガティブな変化というわけではなく、コロナ禍においてデジタルの活用範囲が広がる中で「場所」や「時間」を飛び越える強みをうまく生かした企業や生活者が増えてきている証左なのではないかと思います。

ちなみにGoogleトレンドで見た「旅行」と検索数をvol.126「おうち紀行」でもご紹介しましたが、配信時点の6月末以降も含めて直近1年の検索数を改めて見ると、世の中の旅行への期待値の変化が読み取れます。コロナの第一波で検索数が落ち込み、その後Go Toトラベルキャンペーンの発表に伴い、検索数が増えていったことは以前ご紹介した通りです。さらに、9月中旬に東京都が対象に追加されて再び検索数が上昇したのですが、その後コロナの再拡大に伴うキャンペーン一時停止で急転直下。現在は、直近1年で最も少ない検索数となっており、徐々に盛り上がってきていた旅行欲に冷や水を浴びせられた状況と言えます。「まとめて疑似旅」は、こうした旅行への期待値の増加に対し、抑圧されてしまうことへの反動としても、今後広がりを見せるのではないかと考えています。

最後に、「まとめて疑似旅」のビジネスチャンスについて考えてみました。

◎「まとめて疑似旅」のビジネスチャンスの例
■旅行会社がこの春楽しみたい旅行をテーマ単位で募集し「おまとめツアー」を企画する。
■テレビ番組と旅行会社が連動し、番組で扱った行先をまとめたテーマツアーを終了後すぐにサイトで販売する「トレースできる旅行番組」をつくる。
■流通チェーンが全国の支店横連動で、特定商品の万国食べ比べ商品をネットスーパーで販売する。
など。

再びおうち時間が長くなりそうな情勢ですが、「まとめて疑似旅」をうまく使って、気分をあげて乗り越えていければと思います!

馬場郁実(ばば・いくみ)
マーケティングシステムコンサルティング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2016年 博報堂に入社。
入社以来、デジタルやデータを中心とするマーケティングに従事。業務で培った知見を活かし、新たな習慣を生み出すべくヒット習慣メーカーズに参画。
最近、旅行関連のコラムばかりを書く中で、意外と旅行好きだったことに気づいた。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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