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博報堂Pechat開発チーム・博報堂こそだて家族研究所・LITALICO発達ナビ「ASDと子育て実態調査」結果発表
第二弾「ASDの子どもの性格・特徴」編
― 保護者から寄せられた個性的なエピソード30選を紹介 ―

2020.04.02
#こそだて研#リサーチ

株式会社博報堂の次世代育児アイテムPechat開発チームと博報堂こそだて家族研究所は、学習塾や障害児支援事業を行う株式会社 LITALICOと共同で、ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)※1の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や周囲の支援のあり方を把握するための「ASDと子育て実態調査」を実施しました。

今回は、本日4月2日の世界自閉症啓発デー※2に合わせ、第二弾の調査結果として「ASDの子どもの性格・特徴」編をご報告いたします。調査結果からは、ASDと診断された子の特性として挙げられる“こだわりの強さ”や“好きのパワー”に関する様々な傾向が明らかになりました。

なお、ASDの実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト「教えて!はったつ博士」(http://h-hakase.jp/、3者共同で運営)でも調査結果の詳細をご紹介していますので、併せてご活用ください。

〈調査結果のポイント〉

  • 「ASDと診断された子」の保護者が感じている子どもの性格・特徴の1位は、「好きな物や興味があるものに対する探究心が強い」(60.2%、「典型発達の子※3」との差分13.9ポイント、以下pt)。続いて2位には「何かをやり始めると、自分が納得するまでやめない」(43.1%、差分20.1pt)が挙がり、探究心や没頭力の高さが上位に。
  • 「ASDの子の発達特性を強みに思うことがある」と答えた「ASDと診断された子」の保護者は 60.9%
  • 「ASDと診断された子」の探究心の強さ(=好きパワー)は、「独自性」「収集量」「記憶力」「没頭力」「熟練性」「再現性」「想像力」「発信」の8つに分類できる。
  • 子どもの将来に対して期待することについて、「ASDと診断された子」の保護者の回答が最も多かった項目は、「親元を離れてからも日常生活を送れるようになってほしい」(70.3%)。次いで、「好きなことを伸ばしていってほしい」(65.9%)が続いた。また「周囲に助けを求められるようになってほしい」と回答した人は、「ASDと診断された子」の保護者で約6割と「典型発達の子」の保護者の回答(32.4%)の倍近くとなり、社会の中で適切に周囲のサポートを得ながら、好きなことを伸ばしていってほしいという親の思いがうかがえる。

※1)ASD(自閉症スペクトラム):「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続しており、症状や特性は一人ひとり多様です。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではありません。最近では、 ニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっています。

※2)世界自閉症啓発デー(4月2日):全世界の人々にオーティズム(autism)を理解してもらうために、国連総会(平成19年12月18日開催)において決議された国際デー。世界中のランドマークがテーマカラーのブルーにライトアップされるほか、さまざまな取り組みが行われる。国内では、東京タワーや都庁、渋谷駅前の商業施設など、全国のランドマークがブルーにライトアップされる。

※3)「典型発達の子」:自閉症スペクトラムやその他の発達障害の疑い圏にいない子。NT(神経学的典型: neurotypical)という分類が由来。

〈調査概要:ASDと子育て実態調査②〉
調査手法:インターネット調査
調査エリア:全国
調査時期:2020年1月
調査対象者: 20~60代男女(N=1,292)
-ASDと診断された0~22歳の同居子を持つ保護者(N=545)
-ASDやその他の発達障害の診断や疑いのない(典型発達)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=747)

≫調査レポートはこちらをご覧ください

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