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ヒット習慣予報 vol.166 『揚げアゲ』

2021.04.20
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
気がつけば、4月も中旬。
なかなか落ち着かない日々が続きますが、最近テンションがあがることって、みなさんありましたか?私は、最近、車の購入を検討し、実際に試乗したり、見積もり出してもらったりして、車のある暮らしを想像しながら、テンションをアゲている毎日です。

さて今回のテーマは、そんな「アゲ」ならぬ「揚げ」の話です。
最近、揚げ物の注目度がとっても高まっているという話です。まずは、以下のGoogleトレンドを御覧ください。もともと、注目度は高いカテゴリーでは有りましたが、ここ1年で改めて注目されています。そこで、今回は、どんな「揚げ」が注目されているのかを、探っていきたいと思います。

出展)Google トレンド(「揚げ物」で検索)

まず象徴的な例が「から揚げ」です。
最近、街ナカで、から揚げ専門店を見かけることって増えていませんか?
実際に、から揚げをメインに提供する店はここ数年、年々伸びているそうです。から揚げに特化したお店ではなく、天ぷらを提供する店だったり、肉屋が提供する揚げ物だったりというのがこれまでは多かったと思いますが、最近では、から揚げに特化した店も増えてきて、その味のレパートリーなどから、注目を集めているようです。

続いては、家での揚げ物の変化です。
これには、大きく2つあります。
1つ目は、調理器具の進化。揚げ物といえば、これまでは太るし、などと敬遠されていることもありましたが、近年では、調理器具が進化し、油を極限までカットできたり、不慣れだと危ない油の扱いではなく、とても便利な調理器具により、誰でも簡単に揚げ物ができるようになったりしてきています。そのため、料理経験が少ない人にとって、なかなか家ではできなかった揚げ物の障壁が、だいぶ下がってきているのではないでしょうか。

2つ目は、衣液の進化。揚げ物って、一般的には、小麦粉→卵→パン粉の順につけて、衣をつくる必要がありますが、最近では、バッター液というものがあるようです。バッター液というのは、小麦粉と卵と水を混ぜた生地のこと。つまり、揚げ物を作るときに、このバッター液と、パン粉という手順だけで、簡単に揚げ物を作ることができるようになってきているようです。これまで、準備が面倒だった、揚げ物が簡単にできるようになってきているのも、注目を集めている理由ではないでしょうか。

では、なぜ「揚げ物」が近年注目をあつめるようになってきているのでしょうか。その理由を考えてみました。まずは、料理の手間が簡便化されたこと、だと思います。揚げ物って家だとなかなかやりづらかったのが、先程ご紹介した調理器具や衣液の進化によって、揚げ物の簡便化が進んだように感じます。そのため、家でも揚げ物を手軽にできるようになってきていると思います。
ただ、それ以上にもう一つ大きな影響もあると考えます。それは、コロナの影響による外食自粛です。家で調理することが増えると、揚げ物の出番が少なくなっていたかと思います。そのため、久しぶりに、ジャンキーな揚げ物が食べたい!という気持ちから、今の揚げ物への注目度にも影響している気がします。さらに、ちょっとはヘルシーにしたい、という気持ちにも応えることができるようになってきたので、気兼ねなく、揚げ物を楽しめるようになってきているのではないでしょうか。揚げ物がメニューにならぶことで、自粛疲れの気持ちもアゲることにもつながっているのかもしれませんね。

「揚げアゲ」によるビジネスチャンスの例
■キッチンメーカーが、揚げ物に特化したキッチン器具を作る。
■精肉店が、揚げ物専門定食屋のビジネスを始める。
■飲料メーカーが、「揚げ物専用」の飲料を開発する

個人的には、最近、外食する機会がめっぽう少なくなってきているので、今日はお家で揚げ物にトライして、テンションもアゲていこうかな、と思います。みなさんも良き「揚げアゲ」ライフをお過ごしください。

楠田勇輝(くすだ・ゆうき)
ヒット習慣メーカーズ メンバー
関西支社第一ビジネスデザイン局

2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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