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【博報堂生活総合研究所】みらい博2021 「4つの信頼」を開催

2021.03.11
#リサーチ#生活総研#生活者研究
博報堂生活総合研究所は、恒例の研究発表イベントとしてみらい博2021「4つの信頼」を1月27日(水)に開催しました。今回は、みらい博としては初となるオンライン形式での開催となり、企業のマーケティング担当者や経営層、メディア関係者、博報堂グループ関係者など、約2,000名が視聴参加しました。
本レポートでは、講演の概略をご紹介いたします。

毎回、様々なテーマで10〜15年先の日本の未来像を描き出す「みらい博」。
今回のテーマは「信頼」です。

はじめに

講演のはじめに、石寺所長より、ご挨拶と今回のテーマ「信頼」について、様々な角度から紐解いて紹介しました。

  • コロナ禍が収束した先、5~10年後の日本社会に起こりうる課題が「信頼」
  • 「心から信頼できる人がいる」人は7割。3割は「いない」
  • 人は「信頼」の何に悩むのか?「信頼」にまつわる最も多い悩みは生き方・人間関係
  • 「信用」は過去への評価、「信頼」は未来への期待 など

Part.1 なぜ今「信頼」なのか? 「信頼」を取り巻く環境変化

今回のテーマにつながる、生活者の「信頼」を取り巻くマクロレベルの環境変化について、佐香上席研究員よりご説明しました。

1)「人」との関わりの変化
人口減少や単身で生活を送る人の増加などによって、人と関わる「機会」が減少
ひとりの時間を求め、他者との交流を避ける意識の高まりから、人と関わる「意欲」が減退
→人との関わりが「疎」になっていく

2)「情報」のやりとりの変化
個人が接するネット情報量が急増、トラブルも増えるなど、情報の氾濫で「摩擦」が増加
コロナ禍を機に、リモートでのコミュニケーションなど、非接触化の進展で「情報の質」が低下
→人との「相互理解」が難しくなる

将来的にこれらの変化が続いていくことで、
人と人とが“わかりあう”ことが難しい、不信と疑心の社会に陥る可能性も。

Part.2 「信頼」のゆくえ 「信頼」をめぐる2つの分かれ道

上記の問題提起に対して、生活者はこの課題をどのように乗り越え、未来の「信頼」を模索していくのか。続くパートでは、そんな「信頼」のゆくえについて、定量調査や未来へのきざしを感じさせる生活者へのインタビュー調査結果も交え、三矢上席研究員がご説明しました。

<「信頼」の未来を決める2つの論点>

論点1)「関係構築」の考え方
わかりあうことが難しい社会で、他者とどのように関わっていくか?
■ 限られた相手と関係を深めたい=他者との関係を「しめる」
■ 幅広い相手と関係を広げたい=他者との関係を「あける」
他者との関係を「しめる」か?「あける」か? 生活者が10年後に望むあり方は両者が拮抗
→10年後の「信頼」は、「関係構築」の考え方しだいで2つに分かれていく

論点2)「情報共有」の考え方
わかりあうことが難しい社会で、自分の情報をどう伝えるか?
■ 取捨選択して伝えたい=自分の情報を「しめる」
■ ありのまま伝えたい=自分の情報を「あける」
自分の情報を「しめる」か?「あける」か? 生活者が10年後に望むあり方は両者が拮抗
→10年後の「信頼」は、「情報共有」の考え方しだいで2つに分かれていく

「4つの信頼」の導出
「関係構築」と「情報共有」、それぞれの考え方について、「しめる」か「あける」かで価値観が分かれていく
シナリオ・プラニング手法を使い、価値観の分岐軸を直行させることで、4つの未来シナリオを導出。

Part.3 4つの信頼 2030年の「信頼」の風景

このパートでは、未来に生まれる「4つの信頼」と暮らしの風景について、堀所長代理からご説明しました。
また今回、未来シナリオ策定で協働したデザインファーム「IDEO Tokyo」から、Senior Environments DesignerのCory Seeger氏(ビデオ出演)、Visual Communications Designerの横田未緒氏の両名に、ゲストスピーカーとしてお越しいただきました。
(参考:IDEO Tokyo企業サイト https://jp.ideo.com/ )

<未来に生まれる「4つの信頼」>

1)「公開」でつくる信頼
自分の情報を広く開示し、データを公共財として利用する
見知らぬ人とも臨機応変に助け合う暮らしが広がる
→「公開」でつくる信頼によって、思いがけないめぐり合わせが得られる

2)「濃縮」でつくる信頼
自分の情報を限られた相手と濃密に共有し、自分以上に自分を知る仲間をつくる
安心して新しいことに挑戦できる暮らしが広がる
→「濃縮」でつくる信頼によって、新しい挑戦への勇気が得られる

3)「自立」でつくる信頼
限られた相手と、目的と貢献度だけを共有し、知らないからこその最適なチームをつくる
一人では不可能な目的を達成できる
→「自立」でつくる信頼によって、想像を超えた目的の達成が得られる

おわりに

最後に、再び石寺所長が登壇し、ここまでの発表を受けての総括と、企業に求められる考え方などについて、提言を行いました。

  • 「4つの信頼」からどれを選ぶか?ではなく、どう組み合わせるか?
  • 「4つの信頼」 が生む 「4つの信頼市場」(「公開」を守る、「濃縮」を促す、「自立」を育む、「編集」を助ける)
  • 個々人の「信頼のつくり方」が個性や生き方につながる……「トラスト・スタイル」が「ライフ・スタイル」に など

なお今回の講演は、リアルタイム・アンケートによる参加者とのインタラクティブなやりとりも交えて行われました。講演終了後、参加者からは、

  • 「テーマを信頼にされたことが、新型コロナ禍で対面での機会が減った現状に沿っておりタイムリーなテーマだった。」
  • 「自社サービスにおいて、「信頼」はとても重要なポイントなので、その「信頼」をどうユーザーに伝えていくのか、訴求ポイントがどこなのかを考えるのに、とてもいいヒントをいただき、勉強になりました。」
  • 「“あける”と“しめる”の選択により、ライフスタイルがこんなにも分岐するものかと、驚きました。自分の将来を検討するいい機会になりました。」

などのお声をいただきました。

博報堂生活総合研究所は今後も、生活者のきめ細やかな調査研究を通じて、よりよい未来を提言する活動を続けてまいります。

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