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ヒット習慣予報 vol.147『ライト養生@中国』

2020.11.24
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの江です。

11月は天高く馬肥ゆる秋というように、快適な気温と適度な湿度が、食欲を増進させてくれますね。僕はアラフォーとも呼ばれる年齢になったので、美味しいものの誘惑に負けずに食欲を抑えながら、週3回以上にジムに通っていたり、時間が許す限り数時間でもひたすら歩いて移動したりして、今まで以上に養生を意識して健康維持に努めています。

養生大国の中国では、通常養生といえば、生活習慣や食習慣の徹底した改善、おじいちゃんとおばあちゃんが公園で太極拳をしたり、毎朝欠かさず体を動かしたりといったように、日々の努力を積み重ねる必要があり、ハードなイメージが湧くかもしれません。それに対して、健康的とも言えない生活習慣や食習慣を改善することもなければ、手間暇かけて大した努力もせず、いわゆるライトな形で養生をする若者がだんだん増えてきています。
今回はそういった潮流に着目し、「ライト養生」をテーマとして養生の在り方の変化を探ってみようと思います。
ちなみに、ここで言う「ライト養生」は、中国語で「軽(=ライト)養生」と書きます。
中国のソーシャルリスニングツールを使って「軽(=ライト)養生」を検索したところ、特にコロナ感染急拡大の2月以降にインターネット上で投稿数が右肩上がりに上昇していることがわかります。

出典:DATASTORY(中国)

投稿内容を確認していくと、「ライト養生」の一端を垣間見ることができます。

まずは、にわかに人気を集めているヘルシーな間食です。中国の若者もみんなスナックが大好きで、昨今油っぽくて辛くて刺激的な味がする「辣条(ラーティアオ)」のようなものをこよなく好んでいました。コロナ禍を機に健康への意識が高まり、スナックをやめられないけれど、より体に優しいものを求めたいと思う若者が増えています。そのようなニーズに応えた新商品が続々登場。「漢方薬のエキスが入っているんだ。体に良さそう!」「薬膳からできているのに、全然苦くない!」「お野菜そのままじゃん。いくら食べても太らないね〜」などの投稿が多数ありました。

他には、同じく食関連で「ライト養生」に対応した仕様の様々な調理家電が新たに出たことに新鮮さを感じます。ミニ水筒はおしゃれで手軽に持ち運びができるメリットもあって、日本でも今年話題になりましたが、飲み物の特性に応じて最適な温度まで調節してくれるなどの新機能が付くようになって、さらに高性能化しています。また、糖質の摂り過ぎが養生に良くないということで、つい最近、ご飯の風味や食感を落とさずに調理過程で米の糖分を極限までカットしてくれる炊飯器も発売されたようです。これで糖質の摂り過ぎを気にせず、お腹いっぱいご飯を食べられるなんて食欲旺盛な若者からするとありがたいものですね!

(※写真はイメージです)

ではなぜ、若者の中で「ライト養生」の理念が浸透し始めたのか、理由を考えてみました。

最も大きな理由は、やはり禁欲的なハード養生への抵抗だと考えます。
自制心が弱い傾向にある若者は、好きなだけ食べられた時の快感がクセになるし、食べすぎた自分を責めても、ストレスが溜まって悪循環に陥る一方です。漢方医学の「薬食同源」の思想をもとに開発された養生スナックという新ジャンルが出現したことから、前向きな気持ちで食欲と向き合うことができます。養生スナックのような商品はコロナ禍の影響を受けて健康志向が高まる中、今までの不健康的な生活習慣・食習慣を変えるつもりもないまま、養生に目覚めた若者に重宝されるわけです。

そして、もう1つの理由は、「ライト養生」がどんな状況でも簡単に実現できるという点です。
過去のコラム「夜更かしの精緻化」でも言及したように、常態化する長時間勤務に忙殺される若者にとっては、大掛かりな煎じ薬を作らなくても、貴重な睡眠時間を削るまでトレーニングに励まなくても、スキマ時間を活用できてしかも続けられる「ライト養生」スタイルのほうが選ばれやすいです。

最後に、「ライト養生」のビジネスチャンスについて、少し考えてみました。

◎「ライト養生」のビジネスチャンスの例
■中国の若者の中で大人気な和食をアレンジした養生メニューの開発
■健康管理アプリと連動して体調に合わせて月額制養生スナック宅配サービスの提供
■つけるだけでリラックスできるような養生効果のあるマスクの開発
など。

僕は養生を心掛けてわりとハードに取り組んできたほうで、大きなストレスを感じる場面も少なくありませんでした。今後は、よりライトな養生法を模索して実践しながらコロナ禍を乗り越えたいと思います。

江源(こう・げん)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2017 年博報堂に中途入社。
近いようで遠い中国のヒット習慣から仕事のヒントを探す日々。
中国で一番辛いと言われる故郷の湖南料理をこよなく愛する、生粋の「辛党」。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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