THE CENTRAL DOT

ヒット習慣予報 vol.133 『職住両得』

2020.08.18
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。

前回私がコラムをお送りしたのが6月中旬。早く梅雨が明けて欲しいですねと言っていたのですが、まさかこんなに全国的に暑くなるとは!私が住む東京でも、連日熱中症警戒アラートが発令されています。しかも今年はコロナもあり、この暑さの中でもなかなか気軽に遠出ができません。そんな中、今までにも増して強く思ったのは、「海に行きたい・・・」。

考えてみると、私の会社にも海の近くに住んでいる同僚が何人かいます。昔までは、「土日はいいけど、平日毎日会社に来るの大変じゃありません(笑)?」と言っていたのに、まさかこれほどまでに羨ましく思うとは・・・。しかも未だテレワークが続く中、僕自身会社に行くのは週に1回程度。会社は近いに越したことはないと思い都心に住んでいましたが、「週1しか会社来てないのになんで会社の近くに住んでるの(笑)?」となんだか今までと立場が逆転してしまった印象です。

ヒット習慣予報 vol.118 『LDK+W』では、今住んでいる自宅の間取りに上手く“Working Room=仕事場”を拡充する「LDK+W」という新習慣について紹介しました。今回はそのような今ある住宅の小さな環境改善ではなく、根本的に住む場所自体を変えてしまう新しい暮らしの習慣を「職住両得」と名付けみていきたいと思います。

まず、Googleトレンドで「地方移住」と検索すると、5月以降明らかに検索数が伸びていることがわかります。「地方」というと様々な解釈がありますが、いずれにせよ都市部からより郊外への移住を検討していることがわかります。

これは私の周りの話ですが、東京と逗子に家を持っている先輩が、以前までは平日は東京の家、週末は逗子の家にいたのが、テレワークが解禁になってからは平日でも逗子で過ごしていたり(もちろん打ち合わせ等があるときは東京に出てきます)。その姿を見て、これまた海が好きな先輩が千葉に家を買おうと内見をはじめるなど、どんどんと会社に届く範囲の郊外に出て行こうとしているのです。ちなみに私の湘南に住んでいる友人も、ここ最近周囲の物件の都内からの問い合わせがすごいと聞きました。
今までは「職住近接」と言われていて、職場の近くに住むことこそが効率的だと考えられてきましたが、コロナを機に考え方が変わり、行こうと思えば自分が働いている都市部に行ける範囲で、かつ環境の良い郊外に住むことで、やりたい仕事をやりつつ暮らしの質も妥協せず理想の暮らしを実現する「職住両得」というスタイルが増えてきているのです。

それではなぜ今「職住両得」が注目されるのでしょうか?
一つは言わずもがなのテレワークの推進です。テレワークが浸透しはじめたことで私のようにたまにしか会社に行かないという人が増え、コロナ後ももしこの働き方が続くのであれば(様々な企業が中長期的にテレワークを取り入れると既に宣言していますね)いっそのこと住む家を遠方に変えてしまおうという人が増えたことが考えられます。

また、今回のコロナを抜きにしても、都市でしか享受できないメリットが薄れはじめているということも挙げられます。ネットショッピングが浸透し、都市のお店でしか手に入らないものが少なくなった。かつては流行が生まれ、広まるのは大都市からだったが、流行発信の場がSNSに移った等々。都市とそれ以外の地域の違いがどんどん薄れていることは「リモートホーム」に大きく影響していると思われます。

むしろ、週1で会社に通うくらいは苦にならない程度の都市からの距離で、それでいて周りに自然があったり、同じ予算でより広い家に住める(そして広い家の方が書斎等が持てるので、リモートワークがより快適になる)可能性があるという、いいとこ取りを実現している「職住両得」こそが魅力的に見えているのです。

また、突然引っ越すのはさすがにハードルが高いという人には、お試しとして最近一部のリゾートホテルが提供しはじめている中期滞在プランもオススメです。あるリゾート施設では、仕事に集中できる環境をしっかり整えつつ、仕事から解放されリフレッシュできるリゾート時間を提供することを目的としたプランを販売し人気を得ているようです。このように、期間限定の「職住両得」の形も増えてきています。

コロナを機に働き方や住居に対する考え方が大きく変わりつつある中、都市部の魅力も捨てきれない。でも、郊外の魅力を取り入れたいという「職住両得」の導入は今後さらに拡がっていくのではないでしょうか。また、それに伴い様々なビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

◎「職住両得」のビジネスチャンスの例
■住宅メーカーが都市部から離れた郊外に、リモートワーク用の部屋も完備。Wi-Fi環境も強化した一戸建て「半オフィスハウス」を販売する。
■ペンションオーナーが真夏限定に避暑地でリモートワークもできる大きな家を「リモートペンション」として貸し出す。
■今まで長くても1週間程度の旅行を販売していた旅行会社が、1〜2ヶ月程度の長期「旅行兼リモートワーク」プランを販売する。
など。

私自身、どうしてもここ半年ほど自然に触れる機会が減ってしまい、しかも狭い家に閉じこもっているのがなんとなく窮屈に感じはじめている中、「職住両得」を取り入れることができないか検討したいと思います!来年の夏は海を眺めながら仕事をしていたいです!!

鈴木 康司(すずき・こうじ)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

ヒット習慣メーカーズに関する最新記事をSNSでご案内します。ぜひご登録ください。
→ 博報堂広報室 Facebook | Twitter

FACEBOOK
でシェア

TWITTER
でシェア

関連するニュース・記事