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ヒット習慣予報 vol.120 『バーチャルライブ購買』

2020.05.19
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

みなさん、ご自宅でいかがお過ごしでしょう?私は、家でパソコンに向かい、仕事しながらも、ついついECサイトを見て何かを購入したり、動画サイトで、アーティストのライブを見たり、と、完全にどっぷりインターネットの世界に浸っています。このまま、ネット世界の住人になってしまいそうです。

今回のテーマは、そんなインターネットの世界における、「バーチャルライブ購買」です。
これまで、バーチャルな世界だと、VTuberだったり、バーチャルリアリティだったりと、エンターテインメントの要素が強く、注目を集めていますが、エンターテインメントに留まらず、ビジネスの世界にも広がりを見せ始めています。

出典)Google トレンド(「VTuber」で検索)

どのように広がりつつあるかをこれから少しご紹介していきたいと思います。

その一つとしては、ここ数年で見られる事例ですが、ショーと小売をつなげた「すぐ買える」ファッションショー。大手ラグジュアリーブランドから中小規模のブランドまで、続々とショーと小売を結びつけた“ライブ”での新しい施策に取り組まれています。そのため、これまではショーを実施してから、実際の商品の販売時期にまでタイムラグがあったのですが、最近では、商品の販売時期にショーの開催時期を合わせて後ろ倒しにするようになってきているようです。

また、とても高級なものを扱う企業が活用している事例もありました。
それは、「バーチャル展示会」です。なんと高級車の展示をVRでやっていました。実物ではないとはいえ、カタログやPC画面などの平面ではなく、立体で見え、まるで実物を見ているかのような「ライブ感」もあるので、購入のひと押しや、じっくり比較検討する良い機会になるのかもしれません。また、展示会だと周りの目も気になって遠慮してしまうことがあるけれども、本当はじっくり見てみたい!って人にもいいのかもしれませんね。

そして最後は、「バーチャル販売会」です。
これは中国ではすでに多く見られることですが、インフルエンサーたちがSNS上でどんどんものを紹介して、そこからどんどん売ってしまっているのです。中国では、多くの企業がこの手法を活用しているのですが、日本では、コロナ禍で廃棄になってしまいそうな食材などの情報を配信し、それを生活者が買う、という行動が発生しており、大きく流通の概念を覆しそうな事象が生まれ始めています。この動きは、5Gが本格化されることでますます進む可能性があり、これまで以上に、「ライブ感」を持って購入するようになるかもしれませんね。

では、なぜこのような「バーチャルライブ購買」が広がっているのか、理由を考えてみました。
大きな要因が2つあると思います。
一つは、情報のライブ化です。情報のライブ化により、実際には一緒にいなくても、インターネットを介して、同じ瞬間を共に過ごすことができ、それにより、ワクワク感が醸成されていると考えられます。そのワクワク感の高まりにより、ただ静的な情報を見ているよりも、ライブ化された情報を見ることで、購入したい気持ちも、より掻き立てられるため、広がりを見せているのではないでしょうか。
もう一つの要因は、非接触社会への移行です。これまでも電子マネーなどで様々な非接触のサービスなどが出てきていましたが、このコロナを踏まえて、感染予防などの意味合いでも、より非接触を前提としたサービスが増えていくのでは、と言われています。そのため、今回ご紹介したような「バーチャルライブ購買」は、ますます広がっていくのではないでしょうか。

◎「バーチャルライブ購買」によるビジネスチャンスの例
■料理教室が青果店とコラボし、バーチャル料理教室をしつつ、
必要な食材や機材もその中で販売する。
■アーティストのライブがリアルな会場のみならず、
バーチャルでの展開により、多くの人へリーチするとともに、収益も上げる。
■ハウスメーカーが注文住宅を建てるときに、
バーチャル住宅構築システムを導入し、より購買意欲をあげる。
など。

バーチャルライブ購買が進むと普段あまり自分が気にしていないものでも、いろんなものが欲しくなっちゃうかもな、とも感じています。しっかり自分の見る目を鍛えなきゃ、と思った次第です。さて、またこれから、ECサイト見てきます。

楠田勇輝(くすだ・ゆうき)
関西支社 MDB推進局 統合プラニング部
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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