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ヒット習慣予報 vol.119『たまたまクリップ』

2020.05.12
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。みなさんゴールデンウィークはいかがでしたか?
私は、お出かけこそはできないものの、ずっと見たかった映画を見たり、ずっと読みたかった漫画を読んだりと、コンテンツ充の長期休暇でした。

今回は、そんなコンテンツの見つけ方について、取り上げます。題して、「たまたまクリップ」です。日常生活において、偶然出くわしたコンテンツを何かに記録しておいて貯めていく方法になります。

まずは、「音楽」について考えてみましょう。
人によって音楽の聴き方は様々で、自分の好きな曲を永遠にリピートして聴く方もいれば、アプリや動画サイトのおすすめで流れてくる曲を流して聴いているといった方もいると思います。実際に、音楽配信サービス利用者のコンテンツとの出会い方に着目してみると、レコメンド機能から、これまでに興味のなかったコンテンツと関わるようになったという人が多いことがわかります。

出典:博報堂グループオリジナル調査『コンテンツファン消費行動調査2019』
https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/61505/

こうした音楽配信サービスのレコメンド機能による音楽との新しい出会いは普及しつつありますが、最近ではさらに偶然性の強い「たまたまクリップ」も出てきています。それが、道端や飲食店等で流れてきたBGMです。そういった場で、曲名はわからないけど好きだと思う曲に出会った際に、音楽を聴きとって曲名を特定してくれるアプリなどを使って、その曲をメモしておくというやり方です。

他にも、「飲食店」の事例があります。
散歩しているときや移動中などに見つけたおいしそうなお店や雰囲気が良さそうなお店を、忘れないように記録しておくというものです。類似したものとして、その場でスマホを振るだけで位置情報から近くの飲食店をランダムに一つピックアップしてくれるものもあり、その場所でも一期一会のお店マッチングを楽しむという方法もあります。特に最近では、散歩に出かける方が増えたということもあり、その道中での偶然の出会いを楽しんでいる方も増えたように感じます。

また、「コスメ」「レシピ」等の事例もあります。
こちらの場合は、SNSにおいて、おすすめコスメ・簡単レシピなどをまとめた画像の投稿を見て、その画像をそのまま端末の画像フォルダに保存しておき、買い物や調理の際に自分の画像フォルダを見返すというものです。昨今では、より簡略化を求めて画像などの一枚絵でおすすめ商品やレシピをまとめて投稿する方が増えたからこそ、こうしたクリップ&トライができるようになったのでしょう。

では、なぜ「たまたまクリップ」は進化し、加速しつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、お気に入りの取りこぼし防止です。今では、コンテンツ過多と言われるほど多くのコンテンツに囲まれた暮らしが日常化しています。だからこそ、その中から自分の好きなものを取りこぼしたくないという感情が働き、自然と偶然の出会いにも強くアンテナを張るようになったのではないでしょうか。
2つ目は、自身のちょっとした達成感です。上記で紹介した音楽と飲食店の事例は、少し大げさに言えば、自分の足で稼いで手に入れたお気に入りです。日常の中で、誰かに影響を受けたわけでもなく、自分だけの力で発見できたということにちょっとした達成感や嬉しさを覚えて、ついクリップしておきたくなってしまうのかもしれません。まさにセレンディピティ(=予期せぬ幸せ)ですね。

最後に、「たまたまクリップ」のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?

◎「たまたまクリップ」のビジネスチャンスの例
■おいしかった料理の写真から、そのレシピを探せる「画像レシピツール」を開発する。
■かざすだけで何のフォントかを特定できる「フォント特定アプリ」をつくる。
■「Myマンホール図鑑」など、日常生活で発見できるもので埋められる図鑑をつくる。
など。

私自身も、飲食店をよく「たまたまクリップ」するのですが、その結果行きたいお店が2000軒を超え、たまっていく一方になっています。ちゃんと、お店に訪れるという実践も大事ですね。お供してくれるお友達探しに勤しみます。

植月ひかる(うえつき・ひかる)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2017年 博報堂に入社。
4年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、社会に新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。最近は、不要不急の連絡ができる相手を求めています。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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