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ヒット習慣予報 vol.116 『おうちレストラン』

2020.04.14
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

政府から緊急事態宣言が発出された地域では、不要不急の外出自粛がさらに本格化しています。そうなってくると、毎日自宅で3食をとるようになり、戸惑っている人も多いと思います。SNSを見ると、「家でのご飯がマンネリ化してきた」「誰かにつくってもらったご飯を食べたい」など、自宅ご飯疲れも見られるようになってきました。そんな中、毎日とはいかずとも、たまに工夫をすることで、自宅での食事を楽しむ人が増えてきた印象があります。

今回のテーマは、「おうちレストラン」。なかなか外食がしにくくなっている今、自宅にいながらにして、レストランでご飯を食べているような楽しい食事体験のこと。Googleトレンドで検索してみると、「おうちレストラン」というキーワードが3月下旬から急上昇しています。これは福井県が「おうちdeレストラン」というアプリをローンチしたのが大きく影響していますが、SNSを眺めてもこのキーワードが散見されはじめました。

〈「おうちレストラン」検索数〉

出典:Googleトレンド

この「おうちレストラン」ですが、調べてみるといろんなパターンがあるようです。
ひとつは、テイクアウトの増加です。日々の料理疲れから解放されたい人と売上に困っている飲食店とのニーズが合致して、普段テイクアウトをやっていないレストランや居酒屋もテイクアウトを開始し、それを自治体などが取りまとめてネットで紹介しています。実際、近所のお店を眺めても急激に「テイクアウトOK」のお店が増えています。予約して指定の時間に受け取れるので、とても便利です。ある人気店に電話してみたら、テイクアウトが当日予約いっぱいというところもありました。Googleトレンドで見ても、「テイクアウト」は、3月下旬から急増していますね。

〈「テイクアウト」検索数〉

出典:Googleトレンド

つづいて、レストランのような演出です。「おうちレストラン」でSNSを検索すると、自宅にいながらレストランさながらの実にユニークな演出が見られます。例えば、テーブルクロスにキャンドルを立て雰囲気づくりをしたところに、タキシードを着たお父さんが現れ、子どもたちにミルクのテイスティングを促す動画がTwitterで話題になっていました。お昼ご飯のメニューを「やきそば300円、おにぎり300円」など手書きのイラスト付きでつくったところ、子どもたちが大喜びしたという話も。食卓にお花を飾るだけでも、グッと気分があがったという人もいます。工夫ひとつで、楽しい食卓になるのって、いいですよね。

最後に、時短の工夫です。マンネリにならないようにアレンジしたいけれど、あまり時間はかけたくないという人も多いと思います。カップ麺やカップみそ汁に豆苗や三つ葉を足してちょっぴりリッチな気分を味わう人も。簡単に調理できるホットプレートやたこ焼き器、ハンドミキサーなどの調理家電も売れています。お客さんが減った飲食店から、肉や魚などこだわりの食材をお得な価格で直接取り寄せる人も。あと、少し趣向は異なりますが、テレワークをしていると曜日感覚がなくなることから、海上自衛隊がやっているように、金曜日にカレーを食べる人もいるのだとか。面白いですね。

このように、みなさん、自宅ご飯疲れを楽しいご飯タイムにすべく、いろんな工夫をしていて、とても勉強になりました。ぜひ試してみたいですね。
コロナ騒動が終わっても、自宅でご飯を食べる機会が増えることが想定される中、『おうちレストラン』の新たなビジネスチャンスが広がっています。

◎『おうちレストラン』のビジネスチャンスの例
■飲食店のテイクアウトを自宅で食べるときに、そのまま食卓に出せるようなオシャレな容器を注文の際に選べるようにする。
■スーパーやコンビニが、ホットプレートだけで簡単に料理ができるミールキットを開発する。
自宅でレストラン気分を味わえるように、お花、キャンドル、テーブルクロス、料理などを一括でプロデュースする。
など。

毎日自宅でご飯を食べるようになると、いつもご飯をつくってくれる妻や、たまに行きたくなる大好きなレストランの方々に対してとてもありがたい気持ちになります。こうやって何気ない日常に対して感謝の気持ちが芽生えるという意味では、貴重な機会なのかもしれませんね。

中川悠(なかがわ・ゆう)
統合プラニング局チームリーダー
ヒット習慣メーカーズ リーダー

メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
クリエイティブストラテジストとして、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。折りたたみ椅子を持ち歩き、気になる景色を楽しむチェアリングを実践中。好きな落語家は五街道雲助師匠。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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