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【マイナビ】座ってイイッスPROJECT

2025.09.01
#クリエイティブ#広告賞

クライアント・商品/サービス

株式会社マイナビ
マイナビバイト

作品概要

「レジ=立ち仕事」。日本ではそれが当たり前とされてきました。
しかし、海外では多くの国でレジ係はイスに座って接客をしています。韓国では行政が企業に対し、レジへのイス設置を「努力義務」として推奨しているほどです。

そんな“立ちっぱなし文化”に着目したのが、アルバイト求人メディア「マイナビバイト」。
働く人にもっとやさしい社会をつくるため、レジ専用の「マイナビバイトチェア」をイスメーカーと共同開発しました。

このイスは、立ったり座ったりがしやすい軽量設計で、限られたレジスペースにも置きやすく、見た目にも清潔感があり「姿勢よく座れる」デザイン。働く人の快適さと、お客さまからの印象の良さを両立させました。

さらにマイナビバイトは、求人企業とのネットワークを活かし、イス導入が「人材確保や定着」にもつながることをデータで示しながら、導入企業を拡大。「座って働けるアルバイト」を実際の職場に次々と実装し、社会全体に“座っていい”という空気を広げていきました。

プロジェクトの調査では、現在「座って接客できる」アルバイトはわずか23%。
一方で、「座っていても構わない」と考える雇用主は73%、お客さまも約8割が「気にならない」と回答。
こうした実態をもとに、次の3つのアクションで社会合意の形成を図りました。

① 「座って働いてもいい」という新しい常識をSNSで拡散。
② 椅子導入が採用・定着に貢献することをデータで可視化し、求人ページで提案。
③ コスト負担を抑え、現場への導入ハードルを下げる仕組みを整備。

この取り組みは急速に広がり、わずか1年で導入企業は250社を突破。
全国の大型商業施設、スーパーマーケット、ドラッグストアなどの店舗でも「座れるバイト」を実現しました。
メディアにも大きく取り上げられ、NHKをはじめキー局8番組、新聞・雑誌・WEBなど計200件以上の露出を獲得。

また、特設サイトの意見ボックスには合計1500件以上の声が寄せられ、SNS上では4万件を超えるポストが発生。
「自分の職場にも導入してほしい」「座れるのは素敵なこと」など、賛同の声が次々と広がりました。

その動きは行政にも波及し、厚生労働省が立ち作業の負担軽減に向けた実態調査を開始。
「立ち作業の負担軽減対策の取組事例」として紹介されるまでに至り、「座って働く」が新しい常識として社会に定着しつつあります。

“働く人にやさしい社会をつくる”。
「座ってイイッスPROJECT」は、そんな未来への第一歩を現実にしたプロジェクトです。

◇担当者プロフィール

原口 亮太(はらぐち りょうた)
TBWA HAKUHODO クリエイティブディレクター

09年 博報堂入社。11年 プラナーへ職転。16年 TH出向。
21年 保育士免許取得。23年 クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト。
24年 カンヌライオンズ 金賞/ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS グランプリ2冠/New York Festivals・Spikes Asia・Clio Awards グランプリ。

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