お知らせ

博報堂生活者発想技術研究所
「内なる欲求・想いに関する調査」リリース 第二弾

2025.12.19
#生活総研#生活者研究

生活者が葛藤を感じる生活カテゴリは「1位お金、2位健康、3位仕事」。
「将来も今も」「健康も食欲も」両取りしたい、諦めきれない現代生活者

株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:名倉健司)の専⾨組織「生活者発想技術研究所」は、全国15~69歳の男女2,400人を対象に、既存の定点調査やアクチュアルデータでは十分に把握しきれていない生活者の内面に注目した新しい生活者調査「内なる欲求・想いに関する調査」を実施しました。
第一弾リリースでは、葛藤が「たまにある」人の75%が幸福と答え、「まったくない」人を10pt以上上回ったことから「人生において適度に葛藤していることと幸福感に相関関係がある」可能性を示唆しました。第二弾の本リリースでは、生活者の葛藤についての自由回答を分析するなかで見えてきた、生活の中で相反する欲求を「両取りしたい」と感じる傾向についてご報告します。

■第一位:お金(19.0%) 「将来に備えたいVS今を楽しみたい」
物価の上昇が続く現代において多くの人が現在の贅沢を楽しむことと、将来に備えて節約することの両者を諦めきれずにいます。選択肢が多いからこそ小さな購入でも決めきれず葛藤したり、限られた範囲でなんとか贅沢を楽しもうとする工夫につながっている様子もうかがえました。

■第二位:健康・ダイエット(18.1%) 「健康を優先したいVS食欲を優先したい」
健康や美容を気にしつつも食を諦めきれずにいる自分への生々しい葛藤が多く挙がりました。特に体型の維持は自己肯定感とも強く結びついており、度重なる葛藤のすえ「食は生きる楽しみなのだから何が悪い」という思いに至ったという声もあがりました。

■第三位:仕事(13.6%) 「仕事を頑張りたいVSプライベートを大切にしたい」
仕事もプライベートの時間も諦めきれず日々奮闘しているものの、良い塩梅が見つけられずプライベートが圧迫されがちな生活者の苦悩がうかがえました。

<生活者の生声>

※その他
・嫌なことがあっても嫌と言えずにモヤモヤする(男性30代)
・葛藤をすることは、誰にでもあり、それが人として生きることだと思う(男性60代)
・執着から離れたいが、欲望に負けてしまう(女性60代)
・心にもっと自由を取り戻したいが、何に囚われているのかわからなくモヤモヤする(女性40代)

【調査概要】
内なる欲求・想いに関する調査
調査地域:全国
調査対象:15-69歳男女(中学生除く)
調査数:2,400名(全国の人口構成比に基づき、性別・年代別に割付)
調査方法:インターネット調査
調査日:2025年2月12日(水)~2025年2月13日(木)

※本調査では、葛藤を以下のように心の中に相反する欲求や想いが起こり悩むことと定義しています。

  • 「〇〇したいけど、●●もしたい」(どちらも同じくらいやりたいので、どちらを選ぶか悩む)
    ⇒例:「仕事を頑張りたいけど、趣味やプライベートも充実させたい。」
  • 「〇〇したくない(嫌だ)けど、●●もしたくない(嫌だ)(どちらも同じくらいやりたくないので、どちらを選ぶか悩む)
    例:「親や周囲の期待を裏切りたくないけど、自分の気持ちに嘘もつきたくない。」
  • 「〇〇したいけど、●●はしたくない(嫌だ)」(1つのことの中にプラスとマイナスの要素が共存していて決めきれない
    例:「ダイエットをしたいけど、食事制限はしたくない。」

【AIの集計概要】
分析モデル:GPT-4o
分析目的:生活者がどのような葛藤を抱えているかを把握
分析方法:AIが抱えている葛藤の自由回答を分類し、上記のものを「XXだけどXX」という形にまとめて抽出
分析上の工夫:フェースに分けて段階的に分析することで、大量のデータでも精度を担保

【研究員所見】
今回のリリースでは自由回答を分析し、現代を生きる生活者が抱える葛藤の具体的な「生声」について見てきました。自由回答の分類による現代の葛藤TOP3は「お金・健康・仕事」となりましたが、その中身を詳しく見ていくと、私たちの生活では「将来vs現在」「健康vs食欲」「仕事vsプライベート」というような形で取捨選択を迫られる場面が非常に多く、どのように優先順位をつけていくのかという揺らぎを抱えていることがわかります。自由回答ではまだ直面していない未来に対する不安も多く見られ、自由化が進む社会の中で選択肢が膨大に増えたこと、またデジタル技術の発達に伴い、あらゆる選択肢が「見えすぎる」ようになってしまったゆえに、「選ばなかった先の未来」や「他人のアドバイス」も見えすぎ、どちらかを捨てることの恐怖心も大きくなっているようにも読み取れます。
一方で、第一弾のリリースでお伝えした「葛藤は適度にあるほど、幸福だと感じている人の割合が高く出る」傾向をふまえると、先に述べた揺らぎは「優先順位をつけられないほど大切なものが複数ある状態」のことであるとも言えるのではないでしょうか。「葛藤が多い人」は「大切なものが多い人」なのかもしれず、また葛藤は、その解決のために多数の工夫が生まれる重要な「イノベーションの原動力」なのだと考えられるのかもしれません。
※「内なる欲求・想いに関する調査」に関する詳細レポートはこちらからご覧ください。
https://hakuhodo-rdc.com/posts/news_251216/

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