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ヒット習慣予報 vol.170『越境バイト』

2021.05.25
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの永井です。

爽やかな新緑の季節が過ぎ、梅雨の走りなのかぐずついた天気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はというと、インドア気質も相まって長らく平穏なおうち時間を過ごしていたおかげか、幸い五月病も発症せずといったところですが、いよいよこの生活にも飽きが生じ、家に籠りながらも何か新しいことにチャレンジしてみたいと思う、今日この頃でございます。

さて、今回ご紹介するテーマは「越境バイト」です。
文字通り自分がいる土地を越境してアルバイトするという言葉で、時に県を跨いだバイトの意でも使われているようですが、今回は日本を飛び越えたワールドワイドなバイトをご紹介いたします。
コロナの影響で人流や店舗営業が制限され、本来思っていた働き場や安定収入の確保が難しくなったなか、アルバイトや副業の新たな選択肢として、にわかに注目を集めているようです。
まずは下記のGoogleトレンドをご覧ください。実際、「副業」の検索数の推移は、年々上昇傾向にあり、新しい働き方が叫ばれる時代においては、この流れがさらに加速していくことが予想されます。

出典:Googleトレンド(「副業」で検索)

では、実際、どのようなバイト(副業)があるのか。すでに実践している友人たちにも教えてもらいながら、様々リサーチしましたので、いくつかご紹介いたします。

まずは、「オンライン外国語講師」です。
こちらは以前からありましたが、登録に特別な資格が必要ないことや専用のスマホアプリの登場もあり、コロナ禍以降、気軽に始めた人たちが増えてきているようです。Twitterを覗いてみても、空いた家ナカ時間に片手間ではじめてみたという意見が多く見受けられました。海外留学経験のある僕の友人も「家から出ずに、ひとりででき、尚且つ知り合いも増えるから天職かも」と言っており、インドアな自分にはとても羨ましく見えました。現在では言語の異なる人との気軽な会話を目的としたマッチングアプリも活況を呈しており、オンライン上での外国語教育市場は今後も膨らんでいきそうです。

続いては、「企業のSNSアカウントの運用」です。
海外の企業やスポーツチームが日本版のSNSアカウントを立ち上げているのを目にすることがありますが、その運用業務です。日本でも「中の人」と呼ばれる企業の公式アカウントを運営している人が、SNS上でフォロワーと直接コミュニケーションを取ったり、バズ投稿を生み出していたりしますが、そんなSNSの海外版企業アカウントの運用をバイトに任せてしまおうというもの。ブランディング上の観点で何かとガイドラインやKPI(重要業績評価指標)はありそうですが、現地(日本)の情報速度に即したコミュニケーションを図るべく、今後は意思決定すらもアウトソーシングするようになるかもしれません。

最後にご紹介したいのは、「市場調査」です。
これは僕の友人が実際に始めた越境バイトで、聞くところによると、日本進出を策略している中国系ゲーム会社が、日本のゲーム市場のトレンドを把握すべく、分析レポートとそれに即したコンセプトづくりを委託する業務のようです。もちろん業務未経験の個人に発注しているものなので、求められるレベルやスキルは高くないとは思いますが、もはや探偵を雇うかのような印象がありますね。実際のところは、週2〜3日のフレックス勤務で働いているらしく、報酬は中国系キャッシュレス決済アプリで支給されているそうです。

他にも調べてみると、動画編集制作や日本市場向け広告コピーライティング、日本人ライブ配信者のマネジメント業務、未来のネットアイドルのスカウト業務など、メジャーなものからニッチなものまで散見されました。

さて、いくつか「越境バイト」の事例をご紹介してきましたが、なぜ今注目を集めているのでしょうか。

ひとつは、冒頭でも述べたように、コロナ禍で人流制限や営業自粛が続き、従来の働く場所がなくなり、時間を持て余してしまう人が増えたからでしょう。一方で、オンラインで完結する業務はその影響を受けにくく、外国語スキルがある人にとっては新たな働き場の選択肢として注目されてきているのだと思います。

もうひとつは、ブロックチェーン技術やキャッシュレス決済の普及で、国境を跨いだお金の流動性が高まったからではないでしょうか。現に報酬の支払い先をQR決済に指定すると、直接スマホで電子マネーとして受け取ることができ、店舗によってはそのまま日本で決済までできてしまいます。本来であれば訪日外国人観光客向けに導入されてきたQR決済システムのおかげで、面倒な外貨両替の手間すらも不要になりました。

最後に、「越境バイト」のビジネスチャンスについて、少し考えてみました。

「越境バイト」のビジネスチャンスの例
■日本人向けの越境バイト仲介サービスの開発
■日本企業が専門知識や外国語能力に関係なく、気軽に外国人に業務委託できるクラウドソーシングの開発
■効率的な収入とスキルアップに特化した越境バイト専門コンサルティング
など。

ご興味ある方は、ぜひ挑戦いただきたいです。もちろん法律や企業人の方は、ご自分の会社の就業規則には十分注意してくださいね。僕はそんな働き方を夢見ながら、まずは外国語勉強から頑張りたいと思います。

永井大地(ながい・だいち)
生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2018年北海道博報堂に入社し、2021年から博報堂生活者エクスペリエンスクリエイティブ局に所属。統合プラナーの使命のもと、アンダーグラウンドからメインストリームまで、新たな生活者インサイトを発掘すべく、日夜どこかの街を徘徊している。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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