THE CENTRAL DOT

ヒット習慣予報 vol.78 『メイクアップ紳士』

2019.07.02
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの吉住です。
今回からヒット習慣メーカーズに参画し、初めてのコラムとなります。
拙い文章ではありますが、ご一読いただければと思います。

6月も明けいよいよ夏本番ですね。
夏はフェスやBBQ、海など楽しいイベントが盛りだくさんの時期です。
普段は中々土日の予定が入らないという人でも、夏だけは勝手に予定が埋まっていくという人も多いのではないでしょうか。人との交流が多く、気温も暑い時期なので、自分のにおい、見た目といった身だしなみが気になる事も多くなりますよね。

今回のテーマは、そんな人の目を気にしてしまう現代男子に流行しつつある、「メイクアップ紳士」に関してです。「メイクアップ紳士」とは、他人を不快にさせないために男性が行うメンズコスメを利用したメイクのことです。

これまでのメンズの身だしなみといえば、マウスウォッシュやタブレットといった口臭ケア製品か、ボディフレグランス・デオドラントボディシートといった体臭ケア製品などの臭いを抑える系の習慣が主流でしたが、ついに臭いではなく、顔を整える身だしなみ習慣が登場しつつあるようです。

実際、Googleトレンドで「メンズコスメ」の検索量を見てみると、2016年ごろから右肩上がりに伸びており、注目が集まっていることが分かります。

「メンズコスメ」の検索量推移

出典)Googleトレンド

メイクの内容としては、化粧水や乳液などの基礎化粧品を利用後、メンズ用のBBクリームやファンデーションを薄く塗る程度だそうです。それ以上のメイクは行いません。
芸人さんやタレントさんなどの男性芸能人が、テレビに出演する前にメイクさんにしてもらう程度のメイクを、一般男性もやり始めたといえば伝わりやすいでしょうか。

ちなみに新大久保や原宿に生息する今話題のジェンダーレス男子はアイラインを引いたり、カラコンをしたり、チークをしたりしますが、こちらのメイクではそこまで行いません。あくまでも基礎化粧品の範疇で行います。

ハイブランドファッション企業が2018年末に男性向けのコスメラインを発表したり、百貨店でメンズコスメのイベントスペースを設置したりするなど、企業もメンズコスメの広がりに可能性を感じているようです。
また、Twitterでメンズコスメと検索してみると、メンズメイクを紹介するアカウントが15万フォロワーを越えていたり、メンズの化粧方法やコスメを紹介する動画や記事がたくさんでてくるなど、その注目度の高さが伺えます。

ではなぜメイクアップ紳士が増えているのでしょうか。大きく2つの理由を考えてみました。

一つ目の理由としては、所属するコミュニティや日常生活で関わる人の数が増えたことが挙げられるのではないでしょうか。
SNSの発達によりコミュニティが近くなったことで、友達の友達や、マッチングアプリでの出会いなど、初対面の人と会う機会が増えました。気心が知れない相手に配慮して、より自分の身だしなみをケアするようになったのではないでしょうか。
実際にメンズコスメを利用している友人に理由を聞いてみると、「汚い肌やテカった肌を見せると、相手が不快な思いをすると思うので、最低限のマナーとして行っている」とのことでした。

二つ目の理由としては、ジェンダーレス化の進展があげられます。女性でも入店しやすいようなラーメン店の登場や、男子がスカートを履くファッションの登場、これまでの性別の枠に囚われないジェンダーレス男子をメディアで頻繁に見るようになった事などが影響し、これまで女性だけのものと思われていた化粧に対しても、男性の抵抗が薄くなった可能性があります。

三つ目の理由としては、女性の社会進出が進んだ事があげられます。
これまでの職場は男性が多かったため、女性の目を意識する事が少なかったですが、
女性の社会進出が進むにつれて、女性と接する機会が増えたため、男性側も女性に配慮して見た目を気にするようになったのではないでしょうか。実際、男性上司が増加した女性部下に失礼がないように、自身がメイクを始めたという事例もあるようです。

最後に「メイクアップ紳士」のビジネスチャンスについて考えてみました。

◎「メイクアップ紳士」のビジネスチャンスの例
■駅や空港で、ビジネスマンの身だしなみ用に、共用のメンズコスメを利用できるサービスを展開する。
■スーツなどの紳士服専門店がメンズコスメを展開する。
■女性から男性に贈るメンズコスメを発売する。
など。

私も夜になると顔がテカってきて人と話すときに気になるので、一度利用してみたいと考えています。

吉住 尚次郎
CMP推進局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2017年博報堂に入社。
現在、CMP推進局にてマーケティング職に従事。
最近アジと鯛が捌けるようになりました。
今年は糠漬けと梅酒とレモネードを作ることに挑戦したいです。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

FACEBOOK
でシェア

X
でシェア

関連するニュース・記事