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ヒット習慣予報 vol.35 『ほったら家事』

2018.08.07
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの馬場です。
酷暑ですね。あまりの暑さに、屋内をいくら冷房で冷やしていても、少し洗濯物を干しに外に出たり、掃除機をかけるために動きまわったりしているうちに汗だくになってしまい、大変です。

今回は、そんな夏場の家事を克服する習慣にもなりうる「ほったら家事」を取り上げます。「ほったらかし」と「家事」を足した造語で、その名の通り日々の家事を極力自分の手を煩わせずに、ほったらかしているだけで済ませてしまおうとする習慣となります。

このほったら家事、大きくは2つの方向が見られます。
1つ目は、家電の活用です。すでに多くの方に使われている食洗機、洗濯乾燥機、掃除ロボットなどを活用した手間軽減が該当します。
おなじみのGoogle トレンドで食洗機、洗濯乾燥機、掃除ロボットの検索数を見てみると、検索数自体の差はあるものの、直近3年間でどのキーワードも上昇傾向にあり、普及しているとはいえ、今後さらにニーズが拡大していくと思われます。

※Google トレンドより作成

食洗器や掃除ロボットのような省力化するための家電を導入する以外にも、従来の家電を“上手に”活用して、家事を楽にする例もあります。
例えば、炊飯器等に軽く下ごしらえした食材を入れてスイッチを押すだけで完成という手軽さからレシピ投稿サイトで人気の“ほったらかしレシピ”は、まさに炊飯器という従来家電の“上手な”活用方法と言えるかと思います。

2つ目はサービスの活用。かかる労力を“減らす”のではなく、そもそもサービス提供者に外注して“無くす”方向になります。
日本の外食産業の売上高が伸び続けていることは、料理に関してサービスの活用が進んでいる証拠と言えるかと思います。
また、最近では90分などの短い時間から家事代行を依頼できるサービスなども登場し、安価かつ柔軟に家事を外注できる環境も整ってきています。先日、家事代行を頼みたい人と、家事代行を請け負いたい人のマッチングサービスが、需要側(≒家事代行を頼みたい人)があまりに多すぎることからサービス休止となったことからも家事代行へのニーズの大きさが垣間見えます。
私の友人の中には、毎週決まった時間にとりあえず家事代行を依頼し、その日に一番やりたくない家事をやってもらうという、何かの家事を外注することを前提にしている利用者もいました。

ではなぜ、ほったら家事が増えているのか?
最も大きな要因は共働き世帯の増加による時短の重要性が高まっていることだと思います。すでに言及した通り、家電の活用については従来家電の工夫含め、大分浸透してきているのではないかと考えられます。さらに今後は、本稿でもご紹介したような家事代行サービスの増加と相まって、単身世帯などがけん引役となり、サービスの活用も浸透してくるのではないかと予想されます。

最後に、「ほったら家事」のビジネスチャンスについて考えてみました。
ビジネスチャンスも家電とサービスの活用の各方向で検討すると、発想しやすいのではないでしょうか。

「ほったら家事」のビジネスチャンスの例
■電子レンジのレシピ機能のように、ほったらかしレシピ用のメニューが付いた炊飯器を開発する。
■洗剤や掃除用品などをまとめ買いすると、数回分の家事代行券が付いてくるといった、
日用品+家事代行サービスのセット売りをする。
■お互いが得意な家事を提供しあう、家事と家事の交換プラットフォームサービス
など

あまりにも暑い日が続き、家事をこなすのも大変なようであれば皆さんも「ほったら家事」を検討してみてはいかがでしょうか?

馬場郁実(ばば・いくみ)
データドリブンマーケティング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2016年 博報堂に入社。
入社以来、データマーケティングに従事。業務で培った知見を活かし、新たな習慣を生み出すべくヒット習慣メーカーズに参画。
基本的に家事は好きではないが、お風呂の鏡のウロコ取りだけは熱心で、100均の研磨剤付きスポンジを買っては鏡を磨いている。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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