マーケティングシステムの今〜マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.18】マーケティングツール導入前に知っておくべき4つのアンチパターン
2026.03.19
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、想像以上に少ないのが実情です。本連載では、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局(以下、マーシス局)のメンバーが、事業グロースに向けた「生活者発想×データ×テクノロジー」の挑戦について、日々現場で向き合っている知見や視点から発信していきます。
第18回のテーマは「マーケティングツール導入前に知っておくべき4つのアンチパターン」です。「高機能なツールを導入したはずなのに、思うような成果につながらない。」MAやCDPなど、マーケティングツールの運用現場ではこのような切実な悩みを頻繁に伺います。そして、その原因の多くは導入後に新たに発生した課題ではなく、導入前の段階から存在した課題が顕在化したパターンであることがほとんどです。そこで今回は、マーケティングツール導入における4つのアンチパターンを元に、企業が導入前に整理しておくべき検討事項をまとめたいと思います。
山崎 銀次郎
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局 データプラットフォーム推進部
システムアーキテクト/ディレクター
アンチパターン①:施策設計の失敗
なぜ多くの企業はツール導入で期待通りの成果が得られないのでしょうか。
その一つに、ツール活用やパーソナライゼーション自体が目的化し、施策設計が複雑化してしまうことが挙げられます。
CDPやMAを使えば高度なセグメンテーションやパーソナライゼーションを実現できますが、過度に細かい施策設計はリーチ数減、コスト増に繋がり、ROIがマイナスに転じてしまいます。またパーソナライゼーションを行えばCVRは一定まで向上していきますが、徐々に頭打ちになるため、ビジネス効果の高い最適なポイントを見極めることが重要です。
一方、導入前から最適なポイントを見極めることは困難なため、まずは一斉配信やシンプルなセグメンテーション・ジャーニー・クリエイティブから開始し、それらの施策結果を効果測定していく中でセグメント設計やクリエイティブを磨いていくといったステップ論で運用を進めていくことを推奨します。
図1:最適なセグメンテーション・パーソナライゼーションの見極め※肩書は取材当時のものです