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事業プラニングが目指す新たな広告会社の姿【vol.2】 生活者データ起点で考える、地域交通のリ・デザイン

2026.02.02
現在、様々な領域でのデジタルシフトが進み、生活者インターフェース市場が次々と誕生しています。本連載では、博報堂が事業プラニングを専門とする組織を設置し、クリエイティビティやデータ・テクノロジーの知見を活かし、どのようにクライアントの事業戦略・事業開発の支援、さらには博報堂の生活者発想に基づいた新事業の立ち上げを目指すのかに迫ります。
第二回では、これからの日本社会が直面する交通課題にフォーカスを当てます。博報堂は、需要と供給のバランスを考慮した地域交通のリ・デザインが求められる地方部を中心に、データを活用しながら生活者の生活ニーズ・移動ニーズを紐解き、公共交通のプラニングやサービス設計を進めています。生活ニーズデータを活用した地域交通プラニングに取り組むメンバーが、これからの地域交通をよりよくしていくためにどんなプラニングソリューションが必要なのか、地域交通リ・デザインにおいて博報堂が提供できる価値は何か、語り合いました。

<写真左から>
長澤大樹
博報堂 コマースコンサルティング局 データサイエンティスト

奥村莉帆
博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラナー

常廣智加
博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラニングディレクター

黒住奈生
博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラナー

工田菜央
博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラナー

地方部における、地域交通リ・デザインの現状の課題とは?

常廣:
数年前からMaaSや地域交通の領域に取り組んでいますが、地域交通全体のプラニング段階から入っていかないと、新しいサービスを導入したとしてもうまくいかないケースが多いように感じています。需要と供給が現状どうなっているのかを客観的なデータで把握し、地域で生活する皆さんのニーズがどこにあるのかをきちんと紐解いていくことが重要だと日々感じています。

長澤:
私は博報堂に中途で入社しました。前職では、基幹交通のダイヤを考えたり、将来の需要予測をした上で設備投資の提案をしたりするような、まさにデータ×プラニングの領域を担っていました。都市間輸送がメインだったので、地方部の地域交通は新鮮で、応用できる部分もあれば全く違う考え方をする部分もあり面白いですね。
実際に皆さんが現場で地域交通プラニングに取り組む中で感じている課題感を、データ活用の領域で解決できればと思っています。

黒住:
今感じている課題としては、やはり、公共交通のプラニングと、実際の生活ニーズが乖離していることですね。
人口5万人以下の自治体になると、1人1台マイカーに乗っているのが当たり前で、公共交通の分担率がすごく低いことが多い。ですが、実際に地域交通の再編を進める際には、今バスを利用している人だけを対象にアンケートを行い、その結果だけで次の打ち手を判断する、ということがよくあるそうです。いま利用している人はもちろんある程度満足しているから使い続けているわけで、アンケート結果を見ても「現状のままでいい」となりがちですが、実際の住民はマイカーユーザーが大半。今マイカーに乗っている人たちの生活実態にも合わせていかないと、将来的な生活ニーズに応えられる公共交通を作っていくのは難しいと感じています。

工田:
そうですね。例えば、路線バスの大々的な再編を検討している地域だと、利用者の大多数が学生で、それ以外の人はほとんど利用していないことが多い。学校の統廃合などで利用実態が大きく変わってしまうリスクもありますし、学生の需要以外にも交通に困っている人はいるのに、その声を拾いきれていないのが現状です。役場の皆さんも課題として認識はしているのですが、既存の路線バスの再編だけでは対応しきれない部分が増えている印象です。

奥村:
私たちが実際のプラニングをさせていただくときにも、もちろんアンケートやヒアリングなどの手法は使うのですが、それだけでは限界を感じることが多いですね。公共交通がないエリアを含めて「本当に行きたいところはどこか」といった潜在的なニーズを聞くなど工夫はしているのですが、客観的な指標やデータがあったほうが自治体の皆さんや交通事業者の皆さんと合意形成がしやすいですね。

常廣:
いきなり新しい交通サービスを導入するというより、まずは調査とプラニングをしてその上で方向性を決め、次年度以降どうするか、という具体の打ち手に入っていく地域は増えていますよね。そういった「前工程」の重要性は、徐々に全国的に浸透してきているように感じます。

黒住:
省庁の皆さんと議論する中でも、新しいサービスありきで考えるのではなく、計画段階での方針策定や、需給のマッチングが重要という話はよく論点として挙がってきます。
どのプレイヤーもプラニングやニーズ把握の重要性は認識していて、その上で、具体的な方法論を試行錯誤している段階なのかなと思いますね。

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