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「AI-POWERED CREATIVITY: AIと、価値ある未来をデザインする」─Advertising Week Asia 2025より

2026.01.29
2025年12月2日(火)~4日(木)、シェラトン都ホテル東京にて、世界的なマーケティングイベントのアジア版である「アドバタイジングウィーク・アジア2025」が開催されました。記念すべきAWA10周年でもある今回、AI活用により新時代を迎えつつある広告業界にとって本質的で刺激的なさまざまなコンテンツや議論が展開されました。
本稿では、Keynote「AI-POWERED CREATIVITY: AIと、価値ある未来をデザインする」の内容をご紹介します。

スピーカー
松任谷 正隆
音楽プロデューサー

西山 泰央
(株)博報堂DYホールディングス
代表取締役社長

森 正弥
(株)博報堂DYホールディングス
執行役員 Chief AI Officer
Human-Centered AI Institute代表

モデレーター
佐々木 紀彦
PIVOT株式会社
代表取締役/CEO

■キーノートスピーチ

博報堂DYグループが掲げる「AI-POWERED CREATIVITY」とは

西山
私たちの根底にはHuman-Centered AI、人間中心の AI という哲学があります。北米ではAI の投資の拡大を背景に大規模なレイオフが続く中で、私たちは今分岐点に立たされています。人間はAI に使われるのか、それとも使いこなすことができるのか。私たちが明確に決めたのは、AI を単なる効率化の道具ととらえるのではなく、人間の可能性を拡張する共創のパートナーとして向き合っていくということです。

先日発表した「バーチャル生活者」は、我々が蓄積し、日々アップデートしている膨大な生活者データを、AI を活用し人格として再現したものです。PCを開くといつでも対話し本音を聞ける生活者がいる。そんな新しい世界が既に社内で始まっています。

私たちは、「AI-POWERED CREATIVITY」という方針のもと、クリエイティビティの定義までも変えようとしています。これからのクリエイティビティは、「独自性の高い新しい発想を生み出す能力」というだけでなく、「AI によって無限に増殖・分配・循環 できる新しい資本」にもなります。だからこそ、この新たな資本を使って、より難しい社会課題や新たな産業創造などに取り組んでみたいと考えています。

私たちはその資本を企業や産業の枠を超え、社会全体で活用出来る「クリエイティビティ・プラットフォーム」として開放します。「クリエイティビティ・プラットフォーム」とは、生活者を起点としたクリエイティビティをエッジに、生活者・企業・社会をつなぎ、新たな関係価値を生み出すことで、未来を創造していくプラットフォーム(基盤)のことを指します。この実現に向けては、人間の独創性とAI の能力を掛け合わせ、企業、行政、スタートアップ、そして生活者の皆さんをしっかりつなぎ、「知や技術のオーケストレーション」を築いていきます。そうすることで、社会の仕組みつまり「社会のOS」をもっと価値あるもの、ワクワクするものへとアップデートできるのではないか。これが我々のやっていきたい挑戦です。

これほどまでの変革がなぜ今必要なのでしょうか。
野中郁次郎先生が『失敗の本質』で指摘されるように、多くの企業や組織は成功体験の過剰適応に陥っていると思うからです。私たちはどうしても過去の地図に固執してしまいがちですが、日本には素晴らしい技術と人材があることを私自身もよく知っています。
問われているのは、その眠れる力をしっかり解き放つ覚悟だけです。AIは皆様方の内発的動機にきっと火をつけて、常識を揺さぶる、荒ぶる羅針盤になっていくでしょう。私たちはそんな AI 時代に、皆様方と変革に向けてしっかりと舵を切っていきたいと思っています。

その覚悟をこめた動画をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=trUcTFi9YQY

この動画は、全てAIで描いていて、皆さまへの「冒険の覚悟」の問いかけです。
すべてての始まりは皆様方の内発的な動機=Aspiration(アスピレーション)であり、それこそが冒険の目的地を示す「希望のナラティブ」の源泉です。AI 時代に人間が担うべき資本の正体とは、計算されたデータではなく、私たちの奥底にある内発的動機そのものです。
自動化=Automation(オートメーション)はAIに任せ、私たち人間はその先にある能力拡張=Augmentation(オーグメンテーション)にこそ、命を燃やすべきではないでしょうか。

「伝統を残したい」とか、「世界の言葉の壁を越えたい」といった、一人ひとりの小さな想いや内発的動機をもとに、AIとプラットフォームの力で社会を大きく動かすプロジェクトに仕立てていく。これこそが、私たちが目指す AI-POWERED CREATIVITYの本質的な姿です。

AIというパートナーを得て、クリエイティビティという資本の価値はかつてないほど高まっています。思考停止をしている暇はありません。
皆様方の企業、個人の内なる想い、Aspirationを我々のこのプラットフォームに投資していただき、効率化の先にある価値ある未来を一緒にデザインしていければと考えております。

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