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マーケティングシステムの今〜マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.13】今マーケターが知っておくべきAIの技術トレンド・法則5選とマーケターが取るべきアクションとは

2025.10.31
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、想像以上に少ないのが実情です。本連載では、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局(以下、マーシス局)のメンバーが、事業グロースに向けた「生活者発想×データ×テクノロジー」の挑戦について、日々現場で向き合っている知見や視点から発信していきます。
生成AIの進化速度は歴史的に前例がなく、マーケティング業務にも大きな影響を与え始めています。今回はAIの自動化能力の指数的成長、電力消費急増によるサステナビリティ課題、データ重複による性能劣化、体験設計のパラダイム転換、そして95%が導入に失敗するという5つの最新研究を紹介。短期・中期・長期で取るべきアクションを提示します。

奥山 貴文
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局
データプラットフォーム推進部 データストラテジスト

◆はじめに

生成AIが注目されるようになって数年が経過し、これまでのITツールをはるかに超える速度で普及し進化してきたことは、多くの方が感じていることだと思います。マーケティングを始めとしたビジネス業務では、これまでも多くの技術が登場し、時には変革を推進し、時には残念ながら期待外れに終わってしまうものもありました。

生成AIをはじめとするAIを見た場合、その技術とビジネスインパクトをどうとらえるか?難しく感じている方も多いのではないでしょうか。その理由の一つは、数か月単位で機能・性能が強化されるために影響を評価しづらいこと。もう一つは、10数年前より「AIによって影響を受ける」と言われていた業務の予測と実態が大きく異なっていることです。10数年前にはコーディングやクリエイティブ業務のAIによる代替は「まだまだ先」だろうと予測されていました。しかし2025年現在では、これらは自動化が進んでいる業務の筆頭となっています。

「AI」は、いま人類史上でもまれに見るスピードで進化している技術の一つです。そんなAIを、マーケターはいまどのように捉えるべきでしょうか。 世界中で多様かつ大量に開発が進められている中で「これだ!」というビジネス予測、社会予測は困難なのが現状です。ただし、これまでの「AIの進化速度から、今後この程度の能力・影響が起き得るだろう」という研究は各所で進んでおり、この指標・見方は我々のような生活者や社会とのコミュニケーションを設計するマーケターにとっても重要であると考えています。

それではマーケターが知っておくべき、AI開発における論文を5つご紹介します。

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