
奥山 貴文
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局
データプラットフォーム推進部 データストラテジスト
生成AIが注目されるようになって数年が経過し、これまでのITツールをはるかに超える速度で普及し進化してきたことは、多くの方が感じていることだと思います。マーケティングを始めとしたビジネス業務では、これまでも多くの技術が登場し、時には変革を推進し、時には残念ながら期待外れに終わってしまうものもありました。
生成AIをはじめとするAIを見た場合、その技術とビジネスインパクトをどうとらえるか?難しく感じている方も多いのではないでしょうか。その理由の一つは、数か月単位で機能・性能が強化されるために影響を評価しづらいこと。もう一つは、10数年前より「AIによって影響を受ける」と言われていた業務の予測と実態が大きく異なっていることです。10数年前にはコーディングやクリエイティブ業務のAIによる代替は「まだまだ先」だろうと予測されていました。しかし2025年現在では、これらは自動化が進んでいる業務の筆頭となっています。
「AI」は、いま人類史上でもまれに見るスピードで進化している技術の一つです。そんなAIを、マーケターはいまどのように捉えるべきでしょうか。 世界中で多様かつ大量に開発が進められている中で「これだ!」というビジネス予測、社会予測は困難なのが現状です。ただし、これまでの「AIの進化速度から、今後この程度の能力・影響が起き得るだろう」という研究は各所で進んでおり、この指標・見方は我々のような生活者や社会とのコミュニケーションを設計するマーケターにとっても重要であると考えています。
それではマーケターが知っておくべき、AI開発における論文を5つご紹介します。