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マーケティングシステムの今〜マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.10】埋もれたデータを「AI-Ready」で掘り起こす – 事業成長を加速させるデータ活用戦略の最前線

2025.10.02
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、想像以上に少ないのが実情です。本連載では、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局(以下、マーシス局)のメンバーが、事業グロースに向けた「生活者発想×データ×テクノロジー」の挑戦について、日々現場で向き合っている知見や視点から発信していきます。
第10回のテーマは、「埋もれたデータを『AI-Ready』で掘り起こす」です。生成AIの急速な進化がマーケティングにもたらす変化と、それに伴い企業が直面するデータ活用の課題、そしてそれらを解決し、事業成長を加速させるための「AI-Ready」という概念について、我々の視点から掘り下げて解説します。

土井 京佑
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局
データプラットフォーム推進部 部長

マーケティングの未来を拓く「AI×データ」の必然性

今、マーケティングにおいてAIは、事業成長を左右する不可欠な要素となっています。多くの企業でデータが活用しきれていない現状に対し、生成AIはデータの捉え方や活用方法、意思決定の質とスピードにまで影響を与えるパラダイムシフトを引き起こしています。

生成AIの進化はデータマーケティングに変革をもたらします。定量・定性データがAIによって結びつき、顧客理解の解像度が飛躍的に向上するでしょう 。手作業で数ヶ月要したデータ分析や加工、施策立案といったプロセスはAI活用で圧倒的に短縮され、PDCAサイクルが劇的に加速します 。さらに、AIは顧客一人ひとりの行動や文脈を深く理解し、最適なコンテンツや提案を可能にすることで、パーソナライズされた顧客体験を実現します 。

AIは、特定の部署やプロジェクトで試す段階を超え、マーケティング活動全体を再構築し、競争優位性を確立するための必須要素となっています 。

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