
メディア環境研究所が2025年1~2月に実施した、グローバルメディアテック調査。さらに日本と上海で実施した20名以上のAI活用生活者インタビューからは様々な発見がありました。
これらの調査から見えてきた生活者とAIとの関係性について、2つの軸で整理をしていきます。

まず1つめは、「情報志向」か「コミュニケーション志向」か、という縦軸です。検索やアイデア、知識などの情報を求めるのか、それとも感情を吐露したり会話を楽しんだり、心を満たしたりすることを求めるのか、という視点での分類です。

もう1つは、「単発的」か「継続的」か、という横軸です。いま困っている、分からない、とりあえず話したいというタイミングで単発的に使うのか? それとも自分のことを覚えてもらい、友達や恋人のように何度も頼るのか? という視点での分類です。

この2つの軸によって、AIと生活者との関係を4つに分類してみました。それぞれ詳しくみていきましょう。

まず1つめは、情報志向で単発的、AIに必要な情報を処理させて疑問を解消する「検索AI」です。

AIで食事のカロリーを調べたり、口コミサイトの情報をまとめたりする使い方です。これはすでに多くの人が利用しているのではないでしょうか。

2つめは、コミュニケーション志向で単発的な関係性、人に言えないモヤモヤを聞いてもらいストレスを解消する「発散AI」です。

不安や愚痴、悩みをとりあえずAIに投げてしまう、あるいは、人やSNSに言いにくいことをついついAIに話してしまう、といった使い方です。

3つめは、情報志向で継続的、困り事を相談しながら一緒に問題を解決していく「相談AI」です。

AIに相談しながら1カ月でネイルサロンを開業した人、口紅選びを相談して後押ししてもらう人、母との関係を相談する人など、とにかくAIと相談しながら物事を進めていく関係です。
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4つめは、コミュニケーション志向で継続的な関係、人格のあるAIと対話しながら毎日を安定・充実させていく「愛着AI」です。

恋人の分身をAIで作る人、亡くなった祖父をAIで作り日々語り合う人、架空の恋人をAIで複数作って毎日会話を楽しむ人、など。AI人格と対話しながら生活を充実させる関係性が「愛着AI」です。

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