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マーケティングシステムの今〜マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.8】CRM×AIエージェントで変わる顧客体験

2025.09.04
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、想像以上に少ないのが実情です。本連載では、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局(以下、マーシス局)のメンバーが、事業グロースに向けた「生活者発想×データ×テクノロジー」の挑戦について、日々現場で向き合っている知見や視点から発信していきます。
第8回のテーマは「CRM×AIエージェントで変わる顧客体験」です。近年、生成AIの進化は目覚ましく、中でも自律的に思考し行動するAIエージェントの登場は、CRMにも大きな変化をもたらしています。一方で、「AIエージェントには興味があるものの、どう使えばいいか分からない」「ユースケースは理解できたものの、具体的な導入ステップが見えてこない」といった声も少なくありません。
本記事では、そんな企業の皆様のために、CRMにおけるAIエージェントの活用例と、導入に向けた基本的なステップを解説していきます。

山崎 銀次郎
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局
データプラットフォーム推進部
システムアーキテクト/ディレクター

現代社会におけるCRMの重要性

現代社会は、あらゆるサービスや製品が溢れています。生活者にとって、この豊富な選択肢は魅力的である一方、選択肢が多すぎて最適なものを見つけ出すことが困難であるという側面も持ち合わせています。例えば、新生活で洗濯機を購入するだけでも、何十種類もの製品の中から機能、価格、デザインなどを網羅的に検討しようとすれば、その組み合わせは膨大な数に上るでしょう。また企業側の視点で見ると、サービスの数が多いということは、一度顧客を獲得しても競合他社に容易に流れてしまうリスクが存在することを意味します。
このような状況の中で選ばれ続ける企業になるために、顧客に寄り添ったコミュニケーションを行い、長期的な関係構築を目指すCRMの重要性はますます高まっています。

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