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マーケティングシステムの今〜マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.2】 顧客データ活用で実現する“出たとこ勝負”CRMからの解放

2025.07.10
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。
データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。
一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、想像以上に少ないのが実情です。
本連載では、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局(以下、マーシス局)のメンバーが、事業グロースに向けた「生活者発想×データ×テクノロジー」の挑戦について、日々現場で向き合っている知見や視点から発信していきます。
第2回では、多くの企業が導入するも、その運用は場当たり的なキャンペーンや勘や経験に基づく「出たとこ勝負」のような状態に陥りがちな顧客関係管理(CRM)システム・ツールについて、データという羅針盤を手に、顧客一人ひとりと深く繋がり、持続的な成長を実現する戦略を解説します。
連載第1回はこちら

浜田 晃生
株式会社博報堂
マーケティングシステムコンサルティング局
データプラットフォーム推進部 CRMプラナー

なぜ「出たとこ勝負」なCRMから抜け出す必要があるのか?

場当たり的なキャンペーンや勘や経験に基づく「出たとこ勝負」のような状態に陥りがちなCRMの運用。実際にご支援する企業でも、このような運用になっていることは多くあります。「とりあえず何か施策を打っておこう!」といったデータに基づかない施策はむしろ顧客体験を損ない、マーケティングの効果を低下させ、結果として収益の伸び悩みに繋がることもあります。そして、様々なツールやパートナー企業を導入するものの、投資対効果を示せないといった状態になる可能性もあります。こういった状況の根本的な課題は、顧客を画一的な存在として捉え、最適化されていないコミュニケーションを一方的に送り付けてしまうことにあります。これは多様化・高度化した顧客ニーズとかけ離れたアプローチであり、以下のような負の連鎖を生み出します。

● 顧客体験の低下:興味のない情報やタイミングの悪いアプローチは顧客視点でノイズになり、エンゲージメントが低下してしまう。
● マーケティング効率の低下:ターゲットが不明瞭なキャンペーンは無駄なコストになってしまう。
● 顧客ロイヤリティの低下:一貫性のないコミュニケーションが離反リスクを高めてしまう。
● 収益機会の損失:顧客の潜在的なニーズを捉えていないことで、販売機会などを逃してしまう。

これらの課題を克服し、真に顧客中心のCRMを実現し収益性を高めるためには「出たとこ勝負CRM」の克服が必要なのです。

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