
土井 京佑
博報堂 CRM&システムコンサルティング局
データプラットフォームグループ
グループマネージャー
宮本 潤哉
博報堂 CRM&システムコンサルティング局
データプラットフォームグループ
マーケティングプラニングディレクター
牧野 壮馬
博報堂 CRM&システムコンサルティング局
データプラットフォームグループ
マーケティングプラナー
奥山 貴文
博報堂 CRM&システムコンサルティング局
データプラットフォームグループ
マーケティングプラニングディレクター
──現在、多くの企業が生成AIに注目し、導入を進めています。一方、生成AIの活用にはさまざまな課題があるという話もしばしば耳にします。具体的にどのような課題があるのでしょうか。
土井
企業の生成AI活用には「3つの壁」があると僕たちは考えています。1つ目が「導入の壁」です。
僕たちによく寄せられるのが、「生成AIを使いたい。でも、どう使っていいかわからない」といったご相談です。生成AIを使うこと自体が目的になっていて、どう活用して、そこからどのような成果を生み出せばいいかが明確ではない。そんなケースです。そのような状態のまま、とりあえず生成AI導入プロジェクトをスタートさせてみたものの、早々に頓挫してしまう。それが「導入の壁」です。
宮本
2つ目は「ビジネスアイデアの壁」です。
売り上げを上げる、仕事を効率化するなど、生成AIの目的が明確になって「導入の壁」が越えられたとします。次にやるべきことは、その目的を実現するための具体的な活用アイデアを出すことです。生成AIにはいろいろな機能があるので、面白いアイデアをたくさん思いつきます。しかし、それが実際にビジネスに役立つものなのかどうかを冷静に判断しなければなりません。アイデアは素晴らしかったけれど、結局役に立たなかった。そんな結果にならないためには、生成AI活用のアイデアをしっかり検討し、「ビジネスアイデアの壁」を乗り越える必要があります。
──3つ目の壁についてもご説明ください。
土井
「導入の壁」と「ビジネスアイデアの壁」を乗り越えたあとに立ちはだかるのが「実現性の壁」です。
生成AI導入の目的は明確になった。具体的で現実的なアイデアも出た。では、そのアイデアをどう実現すればいいか──。その段階で直面するのが「実現性の壁」です。この壁を越えるには、コスト面や技術面の問題解決、投資対効果の明確化、プログラムのつくり方の検討、データの整備、現場での活用法の整理といった取り組みが必要になります。
