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社会に潜むアンコンシャス(無意識)バイアスを撃退!
キャリジョ研プラス主催、高校生&大学生によるメディア企画発表会を開催

2024.12.12
#DEI
2024年11月26日(火)、清泉女子大学地球市民学科を中心にさまざまな高校、大学から学生が集まり、博報堂キャリジョ研プラスに向けて「アンコンシャスバイアス企画」を提案する発表会が開催されました。その様子をレポートします。

■女性の世代論や実態を掘り下げてきた、安斎ゼミとキャリジョ研プラス

博報堂キャリジョ研プラスは、「女性の幸せを起点に、すべての人が生きやすい“ニュートラルな社会”づくり」をビジョンに活動する、博報堂および博報堂DYメディアパートナーズのスタッフを中心とした社内プロジェクトです。

その博報堂キャリジョ研プラスは、清泉女子大学地球市民学科にて社会デザイン学や人的資源管理論を専門に研究を行う安斎徹教授とこれまでも複数年にわたり、さまざまな意識調査や研修などの活動を共にしてきました。過去には新しい世代論の調査探究や、女子大生のSNS活用実態調査といったテーマを取り上げてきましたが、2023年に続き2度目の採用となったのが、「アンコンシャス(無意識)バイアス」というテーマです。

アンコンシャスバイアスとは、自分自身は気づいていない「ものの見方や捉え方の歪みや偏り」のこと。その人の過去の経験や知識、価値観、信念をベースに、自動的に認知や判断を行い、その結果が何気ない発言や行動として現れるものです。自分自身では意識しにくいほか、歪みや偏りがあるということ自体を認識していないため、「無意識の偏見」と呼ばれます。

今回の発表会に先立ち、キャリジョ研プラスは学生たちにアンコンシャスバイアスについてのレクチャーを実施。そこで学んだ内容をふまえて、学生たちは課題に対する解決策のアイデアを検討。企画を持ち寄りました。

なお今回は、清泉女子大学以外にも、安斎先生が声掛けを行った複数の大学、高校の学生が参加。総勢18名がプロジェクトに挑みました。

■多種多様な観点から練られた発表内容

各グループの発表内容は以下の通りです。

A 神田女学園高校 佐藤さん、松川さん、横野さん
・テーマ「集団同調性バイアス」
・設定した課題
普段から、周囲に同調して自分の意見を言わない集団同調性バイアスを感じる場面が多い。人間関係にゆがみが出たり、ストレスが増加したり、決断力の低下などが危惧される。

・アイデア
日常的に使う電車内の広告を使い、アンコンシャスバイアスに関連するなぞなぞの番組を制作。自分の中にある偏見に対する気づきを促す。

B トキワ松学園高校 福井さん、山崎さん、髙橋さん
・テーマ「生理に関するアンコンシャスバイアス」
・設定した課題
歴史的文化的な背景から、女性は生理をネガティブに捉え、男性の理解も進んでいない。生理休暇の取得率が低かったり、生理用品を手に取りにくいといった課題がある。

・アイデア1:生理休暇取得は女性社員の当たり前の権利であることを知る。男性には企業や学校で講座を実施。
・アイデア2:男女が共にCMに登場することで、男性にとっても生理を身近にする。また、生理用品を男女共に手に取りやすいようなパッケージデザインにする。
・アイデア3: 公共トイレにも設置し生理の貧困を解決する。

C 聖心女子大学1年 松平さん、坂爪さん、廣瀬さん
・テーマ「女性も創造する社会」
・設定した課題
メンバー全員女子高出身。女子高では誰もが平等に力仕事や生徒会などの役員で活躍するが、一般社会だと男女で任される役割が異なり不平等につながっている。

・アイデア1:ミステリーアートを通して、自分のジェンダーに対する偏見に対する認識を促す。
・アイデア2:あえてバイアスに反する要素を集めた青春映画を制作。映画を観ながら違和感を感じてもらうことで、自分の中の偏見に対する認識を促す。

D 清泉女子大学1年 (ビデオ参加)高澤さん、井桁さん
・テーマ「容姿に対するアンコンシャスバイアス」
・設定した課題
眼鏡=真面目、金髪=チャラい、タトゥー=反社会的…など私たちは人を見た目で判断する傾向が強い。SNSにより見た目の偏見にとらわれる傾向が拡大している。

・アイデア:アンコンシャスバイアスに対する理解を促すような広告をSNSや電車内で掲出。自分に偏見があると認めることも含め、多様な考えや存在を認めることにつなげる。偏見を持ってしまうことを前提に、接し方などを考え良い結果に導く努力をするべき。

E 清泉女子大学2年 大場さん、森さん
・テーマ「アンコンシャスバイアスから生じるインポスター症候群」

・設定した課題
自分を過小評価してしまう心理的傾向“インポスター症候群”を紹介。特に成功した女性に多く、女性の社会進出を妨げるというネガティブな影響を及ぼしている。

・アイデア1:SNSで「#私は私チャレンジ」キャンペーンを実施。完璧じゃなくとも、各自の努力や成果を発信しあい、企業や大学がシェアして応援する。
・アイデア2:「ワタシが私になるまでPOP UPイベント」を実施。インポスター症候群の克服や対処について語る場をつくり、その様子を拡散する。

F 清泉女子大学3年 赤塚さん、阿部さん、幸喜さん、宮嶋さん、森松さん
・テーマ「確証のないアンコンシャスバイアス-MBTI-」
・設定した課題
流行する性格診断テスト「MBTI」に着目。診断結果はコミュニケーションの入り口として使える一方で新たな偏見を生む懸念もある。

・アイデア1:MBTIのステレオタイプに反する人物が登場するショートドラマを制作し、互いの個性を尊重する人を増やす。
・アイデア2:MBTIを巡る討論バラエティ番組を制作。MBTIの本質を知ると同時に異なる意見を知り、違いを受け入れるようにする。
・アイデア3:MBTI専門家のコラムを配信。MBTIに対する正しい知識を身につけ、他者理解を深める。

■発表から浮かび上がってくる日本社会のありよう

すべての発表を終え、キャリジョ研プラスのメンバーからは、「考え抜いた施策に納得感があったし、資料のつくりこみもすごかった」「アイデアや着眼点が参考になった」「どの施策もよく練られていて、実際にやってみたいと思えた」といった講評のコメントが聞かれました。最後に安斎先生は、「皆さんの企画はそれぞれに主旨が異なるものだったが、パッチワークのようにつなげていくと、日本社会が見えてくるようなものだった。高1から大学3年生までと幅広く参加してもらえて、いい時間になったと思う」と語り、会を締めくくりました。

博報堂の会議室という普段とは異なる環境だったこともあり、学生たちの間には緊張感がありつつも、終始和やかで明るい雰囲気の中行われた発表会。学生たちならではのさまざまな切り口や発想、また課題に真摯に取り組む姿勢に触れ、キャリジョ研プラスのメンバーにとっても非常に刺激的で有意義な時間となりました。

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