*AgeTechX(エイジテックエックス)とは・・・博報堂とスクラムスタジオによる事業共創プログラム。「健康・長寿・人生100年時代」をテーマとしたエイジングの課題を、パートナー企業と国内外のスタートアップが協業し、テクノロジーで解決する。
Abbie Richie
Tech Guru at The Smarter Service
安並 まりや
博報堂シニアビジネスフォース 新しい大人文化研究所所長
安並 まりや(以下、安並):テクノロジーに精通し、Tech Guruと呼ばれているアビーさん。シニアにまつわるテックを紹介するYouTube番組「TECH TUESDAY」も配信されていますよね。以前私がインタビューしたイスラエルのエイジテック研究者、ケレン・エトキンさんも出演されていました。「TECH TUESDAY」はいつからはじめたのですか?
Abbie Richieさん(以下アビー):2年前にはじめました。リタイアされたシニアを対象にテック情報を発信しています。ケレンさんのことは以前からよく知っていましたが、実際に交流を持ったのはコロナ禍に流行ったclubhouseなんですよ(笑)。
安並:そうだったんですね!Tech Guruという呼び名はどうして付いたのですか?
アビー:実は、生徒が付けてくれた名前なんです。むずかしいテックから解放してくれたテックの妖精(fairy)だとか、テックの天才(genius)だと言ってくれる方がいるなかで、「Tech Guru」だと言った人がいて。まさしくこれだ!って。キャッチーで気になるでしょう?
安並:たしかにそうですね(笑)。アビーさんは高齢者のテクノロジーリテラシー向上に貢献されていますが、そもそもテックを教えることになったきっかけは?
アビー:私はもともと教育のエキスパートです。
幼稚園から中学生の子どもを教育する仕事をしていたのですが、2015年に勤めていた会社がなくなってしまったんです。自分がなにをしたいか、原点に立ち戻ろうと思い、家族について振り返ってみました。実は、私の家は父方も母方も4世代にわたって起業家のファミリー。身近に起業の先輩がたくさんいたんです。また、祖父や祖母と過ごす時間が長く、高齢者に対する尊敬の念を強く抱いていました。
安並:祖父や祖母との絆が強かったという話がありましたが、高齢者との関係性のなかに「テクノロジー」というキーワードが入ってきたのはなぜですか?
アビー:あるとき親族に引っ越しをする人がいて、ケーブルやWi-Fiの手続きを手伝ったんです。自分にとっては簡単なことでも高齢の親族にとっては大変なことで、すごくありがたがられましたし、親族のご近所さんにも手伝ってほしいと頼まれた。実は必要とされていることだとわかって、Senior Savvyをはじまるきっかけになりました。
安並:Senior Savvyを立ち上げたのはいつですか?
アビー:Senior Savvyを立ち上げたのが2018年。アリゾナ州のフェニックスで展開していましたが、全米に拡大していくことを目指して2024年の3月にThe Smarter Serviceに加わりました。