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〈マーケティングシステム・イニシアティブ〉の挑戦【連載第3回】──CDP活用 成功のカギとは?

2024.04.05
博報堂DYグループの6社からマーケティングシステムのスペシャリスト500人が集結した〈マーケティングシステム・イニシアティブ(MSI)〉の活動をご紹介する連載の第3回。今回は、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)などのマーケティングシステム基盤をめぐる企業の課題と、MSIのケイパビリティについて、3人のリーダーに語ってもらいました。マーケティングシステム基盤から生まれる価値を最大化する方法とは──。

上田 周平
博報堂 CRM&システムコンサルティング局
CRM推進グループGM

大谷 俊裕
博報堂 CRM&システムコンサルティング局 兼
博報堂マーケティングシステムズ 取締役 兼 執行役員CEO室長

小山 裕香
Hakuhodo DY ONE
執行役員 兼 TXソリューション本部 本部長

CDPは今、見直しと改善のフェーズへ

──はじめに、「マーケティングシステム基盤」について解説していただけますか。

上田
生活者とのタッチポイントがデジタル化していく中で、顧客データを集約し蓄積するCDP(カスタマーデータプラットフォーム)、またそのデータをマーケティング施策へと展開していく MA(マーケティングオートメーション)、マーケティング効果を可視化するBI(ビジネスインテリジェンス)、掲出するコンテンツをコントロールするCMS (コンテンツ・マネジメント・システム) など、デジタル時代のマーケティング活動に必要なシステム群をマーケティングシステム基盤と呼んでいます。今回は、とくにその中のCDPにフォーカスしてお話をしていきたいと思います。

──企業のCDPの導入や活用の現状についてお聞かせください。

上田
現在、大手企業の多くがCDPを導入しています。しかし、導入したもののうまく活用できていない、あるいはシステムが古くなってきていて改良もしくはリプレイスが必要になっている。そんな課題に直面しているケースが増えています。また、最近はCookie規制が進み、マーケティングにサードパーティデータを活用することが難しくなってきています。それにともなって、企業が保有するファーストパーティデータの重要性が高まっています。その観点から、あらためてCDPの運用や活用を見直したいというニーズもあります。

大谷
CDPという言葉が使われだしたのは2013年頃からですが、顧客データの活用はそれより以前からも行われていました。生活者とのオンラインの接点があるインターネット系企業を中心に、データ活用の重要性が唱えられていたと記憶しています。その後、スマートフォンが普及したり、ECが販売チャネルとして定着していったりする中で、以前はオンラインでの生活者接点がなかった企業も、顧客データを直接獲得できるようになりました。CDP導入が一気に加速したのはその頃からです。その動きが2020年くらいになってひと段落して、この数年はCDPの見直しのフェーズになっています。

小山
一方で、CDPへのデータ統合があまり進んでいないケースも少なくありません。部門ごとのデータ集約は実現していても、それを全社的に一つのシステムで活用することができない。そんな状況をよく見かけます。

大谷
顧客データの活用は必須であるという意識は、現在ではあらゆる企業に浸透していると思います。しかし、方法論が確立していなかったり、最適化できていなかったりするケースも多く見られます。それぞれの課題に応じて、各企業の皆さんが独自に改善に取り組んでいるのが現状ですね。

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