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「感情検索」から見えてくるZ世代のリアル
自分、他人、社会との関係性 博報堂若者研究所×ヴァリューズ 共同研究レポート前編

2024.02.29
© チチチ

「ありがとうと言われると嬉しい 理由」
「夜になると不安になる なぜ」
「感謝されるのが嫌い」

我々は若者の検索行動を調査する中で、このように自分の内心で漠然と感じている感情を検索するという興味深い行動に遭遇しました。こうした行動を『感情検索』と名付け、若者の新しい情報探索行動として、行動の実態や背景にある価値観について探求しました。

「なぜ、若者は感情検索をするのか?」

本稿では、前回の「Z世代の意思決定行動」のレポート 前編 / 後編に続いて、『感情検索』をテーマに、学生研究員の若者と一緒に未来の暮らしを考える博報堂若者研究所(以下博報堂若者研)とWeb上の行動ログデータから生活者のニーズを読み解く株式会社ヴァリューズ(以下ヴァリューズ)の共同研究の内容をお届けします。

「感情を検索する」若者たち

こちらの図は博報堂若者研の学生研究員を交えたワークショップを通して聞いた若者たちの声です。こうした声に触れる中で、若者たちの間には自分の感情を検索をするという行動=『感情検索』が根付いているのではないかということに気づきました。

おそらく上の世代の人たちからすると「感情って検索するものなのか?」と疑問に思うのではないでしょうか。検索とは、対象が明確に決まっていることや事実について調べるものだと考える人が多いように思えます。

では、なぜ、若者は自分や他人の感情を検索をするのでしょうか?

ヴァリューズの強みであるWEB上のログデータと博報堂若者研の強みである若者たちとの対話を通した探求を掛け合わせて研究に取り組みました。

今回、研究を進める上で、はじめにヴァリューズのログデータから実際に若者が感情検索をしていると思われるキーワードをピックアップしました。すると、予想以上に多くの若者が実際にこうした情報探索行動をとっていることが分かりました。こちらの図は、15歳~25歳の若者が直近の半年間で検索したキーワードです。

全体の傾向として、何か答えを求めて検索しているというより、自分の心のうちに抱えているものをそのまま吐き出しているようなものが多いことが特徴となっています。「自分と結婚したい」「自分がどうしたいか分からない」など、自分の中にぼんやりあるけど、しっかり理解出来ているものではなく、「この気持ちは何なのだろう?」とモヤモヤしていることをそのまま検索窓に打ち込んでいる様子が見えてきました。

このような若者の実行動として感情検索が行われているログデータをスタート地点として、博報堂若者研の学生研究員の皆さんと一緒に『感情検索』の背景にある若者の意識や価値観を紐解いていきました。

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