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「ビジネスの成功」までの全体像を見通した、実装まで一気通貫のシステム開発──マーケティングシステムの実装領域を担うソリューション〈Marsys Archetyping〉

2023.10.19
博報堂マーケティングシステムコンサルティング局が開発したソリューション群〈HAKUHODO Marsysソリューション〉の中で、マーケティングシステムの実装領域を担うソリューションが〈Marsys Archetyping〉です。「アーキタイピング」という日本ではまだあまり知られていない概念をベースにしたこのソリューションが生み出す価値について、開発に携わった3人のメンバーが語りました。

石毛 正義
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
マーケティングプラットフォーム部

鳥居 宏行
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
マーケティングプラットフォーム部

園田 悠貴
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
マーケティングプラットフォーム部

「全体像を描く」ことの重要性

──今回は、〈HAKUHODO Marsysソリューション〉の6つのソリューションの1つ〈Marsys Archetyping〉について解説していただきます。その前に、まず「アーキタイピング」という言葉と考え方を説明していただけますか。

鳥居
「アーキタイプ」は「原型」という意味で、私たちはこの言葉を「プロトタイプ(試作)」と対比する形で使っています。企業が新しいサービスや製品を開発する際に、試作をつくってUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)を確認するプロトタイピングを行うケースが増えています。しかし、プロトタイピング自体が目的化してしまい、その後に何をやっていいかわからなくなってしまうことも往々にしてあります。本来であれば、事業構想やサービス展開の戦略がまずあって、それに基づいて開発、実装、運用を見据えた全体像を描き、その中にプロタイピングを位置づけなければなりません。私たちは、そのような「全体像を描く」取り組みの重要性を表現するために「アーキタイピング」という言葉を用いています。「試作品」ではなく、サービスやプロダクトの全体像に基づいた「原型」をつくるということです。

園田
新しいサービスや製品のイメージを具体化して共有する作業としてのプロトタイピングはもちろんとても大切です。しかし、「とにかく、まずはやってみよう」というニュアンスが先行する場合が多いと感じています。何のためのプロトタイピングなのか。それを行ったあとに何をやるのか──。そういった意識がないために、プロトタイプとしてつくったサービスや製品が破棄されてしてしまうケースも少なくありません。それに対し、実装を前提とした「原型」をつくれば、検証と改良を重ねながら段階的に完成形に近づけていくことができます。

石毛
プロトタイピングの前段階で行う「PoC(概念実証)」という言葉を耳にすることがあるかと思います。最近は「PoC疲れ」という表現もあって、これは「PoCは何度もやっているのだけれど、コンセプトや方向性が固まらずその後のビジネス展開になかなか結びつかない」状態を意味しています。そうならないためにも、あらかじめビジネス戦略やマネタイズのイメージをしっかり捉えたうえでPoCに取り組む必要があります。そのような課題意識を示し、「アーキタイピング」という思想を理解いただくために、私たちはあえて普段⽿にしない⾔葉を使っているわけです。

──その機能を担うソリューションが〈Marsys Archetyping〉ということですね。

園田
そうです。新規事業や新しいサービス展開に必要とされるマーケティングシステムを実装するのがこのソリューションの役割です。たんにシステムをつくるだけでなく、システム運用の支援と、その後の事業の成功までをスコープに入れている点が従来のシステム開発との大きな違いです。

鳥居
システムを納品して終わりではなく、システムを活用することによって達成すべきKPIやKGIを定め、その達成までクライアントに伴走していくモデルになっています。KPIやKGIを設定する際には、マーケティングの視点や博報堂DYグループの生活者発想に基づいたご提案をしていきます。

──このような新しい発想のソリューションが必要とされるようになった背景を教えていただけますか。

石毛
クライアントの要望をお聞きしプロトタイプやシステムをつくったあとで、ビジネスの観点でシミュレーションをしてみると、実はそのサービスには事業性がなかった──。そういう経験が過去に何度もありました。そういった事態を避けるためには、最初の段階からビジネス視点を踏まえた「原型」を作る必要があると私たちは考えました。その課題意識から生まれたのが、ビジネスとそれを支えるテクノロジーの両方の要素を包摂したソリューションである〈Marsys Archetyping〉です。

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