代表、副代表を務めた学生たちと、アドバイザーを務めた博報堂の3人、そしてUoCでのワークショップに参加したBIDの須田和博がプロジェクトを振り返り、調査で印象深かった内容や今後の展望などを語り合いました。
取材参加者:
ブランド・イノベーションデザイン局/UoC エグゼクティブクリエイティブディレクター/「スダラボ」リーダー
須田和博
第2BXマーケティング局マーケティングディレクター 小池健人
第1BXマーケティング局マーケティングプラナー 宮島達則
第2BXマーケティング局 マーケティングプラナー 児島真菜
FUTURE2022学生代表 青山学院大学3年 小山奈緒
FUTURE2022学生副代表 専修大学3年 関口大奈
FUTURE2022学生副代表 専修大学3年 蓑田優海
(※肩書は取材当時のものです)
宮島
「FUTURE」は、未来の広告界を担う人を育てるという思想のもと、1995年にスタートした東京広告協会のプロジェクトです。マーケティングを学ぶ大学生を対象とし、調査企画、実施、分析からプレス向けの発表までの一連の作業を学生主体で進める一方で、アドバイザーとして広告会社の社員が入り、適宜、実践的な助言を行います。直近の数年は博報堂の社員がアドバイザーを担当し、ロジカルシンキングといった思考法から、基礎的なビジネススキルまでマーケティング・リサーチに関わる知識を学生たちに伝授しています。
2022年に参加したのは青山学院大学、専修大学、駒澤大学、千葉商科大学、江戸川大学の5大学で、トータルで35名の大学生と4~5名のOB、OGが、毎週月曜日に赤坂の博報堂本社に集まったり、リモートでディスカッションや打ち合わせを進めていきました。またプロジェクト終盤には、調査結果をふまえて、将来どんな友人関係構築の方法が生まれていくのかについて発想を膨らませるグループワークを、UoC(UNIVERSITY of CREATIVITY;博報堂が創設した未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究・開発し、社会実装していく研究機関)内で実施しました。
小池
これまで多少の大学の入れ替わりはありつつも、学生主体の調査プロジェクトであるという点は一貫して変わっていません。
今回の「大学生の友人関係構築プロセス」というテーマは大学生自ら設定したものですが、そもそもなぜこのテーマに決めたのか、学生の皆さんから教えてもらえますか。
関口
いま大学3年生の僕らは、新型コロナウイルスの感染拡大下で大学に入学し、オンライン環境で一からコミュニティをつくっていかなくてはならなかったので、どうやって人とコミュニケーションをとり友人関係を構築していくかは大きな関心事でした。そこから、まずは「コロナ禍の大学生は、なるべく失敗をしないように、段階的かつマーケティング的に友人関係を構築しているのではないか」という仮説を最初に立てました。
小池
実際に調査、分析をしてみて、結果はいかがでしたか?
蓑田
プロジェクトに参加した5大学の1~4年生、計1,379人にアンケート調査を実施したところ、実際にマーケティングプロセスとも言える行程を踏んで友人づくりを行っていることがわかり、仮説を裏付けることができました。高校までは、教室に行けば一定の人たちと同じ時間を共有するのが当たり前で、半ば半強制的に友だちがつくれますが、大学では決まった居場所がなく、自発的に友人づくりをしなくてはいけません。しかもコロナ禍ではSNSやzoomを介してしか会うことができない。そうした環境下で、私たちは潜在的に、いろいろな戦略を立てて、高校時代までに築いていたような心を許せる関係性をつくろうとしているのではないかと考えました。そしてその実態を、「友人づくりはマーケティング」という言葉に落とし込みました。
関口
具体的には、まず自分に興味を持ってもらえそうな人をセグメンテーションし、ターゲットを決めて、興味を持ってもらえるような自分像をつくりあげる。そして決めた相手に対して、確実に友人関係になれるようひとりずつ最適化されたコミュニケーションをとっていきます。分析しきった相手なので、友人関係になれた時点で、すでに何の気兼ねもなく付き合える間柄になれているということがわかりました。
小池
友人づくりの方法についてもう少し詳しく教えてくれますか。
蓑田
活用するのは基本的にSNSです。まず自分の好きなキャラクターの写真や、後ろ姿など自分自身の見せたい一部をアップしたりして、興味関心づくりの種を少しずつまいていきます。自分から話しかけるのではなく、相手に話しかけてもらえるような自分像をいろんなところでつくっていくのです。実は昨年のテーマも友人関係の構築に関するものでしたが、その調査結果では、“最初にリアルで会って交換するのはLINEではなくInstagramのアカウント”だということがわかりました。一方で私たちの場合、あらかじめオンライン上でInstagramのアカウントを交換しあい、つながってから、ようやくリアルで出会っています。私たちはそれを「アカウント認知」と名付けました。アカウント認知はリアル認知と違い、アカウントで結びついた時点から、互いに積極的に第一印象を与えていくというステップから始まります。
小池
その後、もっと仲良くなる過程においてはどんなことが行われているのですか。
小山
私たちが友人同士でよくやる行動のひとつに、長時間電話があります。ただ、2、3時間しゃべり続けるわけではなく、無言の状態が続いてもつなぎっぱなしにして、一緒に作業をしたりします。自分たちもなぜこういう行動をするようになったのだろうと考えてみたところ、そもそも非常に忙しい大学生活のなかで、いかに相手の中で自分の存在を大きくするか、つまり相手の可処分時間を自分が奪うかで、仲を深めていこうとしているのだという発見がありました。
宮島
長時間電話のエピソードは非常に面白いですね。実はこの調査を始める前のグループワークでは、いまの学生が見知らぬ人とボイスチャットをすることにまったく抵抗がなかったり、何の目的もなくInstagramのライブ配信をし、そこに入ってきてくれた友人と会話ぽいことを楽しむという話もあって、印象的でした。
ほかに調査結果で感じたことや、印象深かったことなどはありますか。
関口
僕らが入学したのは2020年4月で、コロナ禍の制限がもっとも厳しかった頃。その間zoom上で同じ5、6人のメンバーとグループワークを行い、少し制限が緩くなった7月末に初めてリアルで集まることになりました。画面上ではお互いの上半身しか目にしていなかったので、僕の場合は「意外と身長デカいね」と驚かれました(笑)。
須田
オンライン上でしか会わないと、身体全体のサイズ、大きさの情報が得られないんですよね。たくさん打ち合せをした仕事相手と、リアルで初めて会う場合、よく知っているようでいて妙な違和感を覚えるので、すごくよくわかります。
蓑田
それから、8月頃から対面授業も増え始めたのですが、誰が自分と同じ授業をとっているのか、周りにどういう人がいるのかを全く知らないままでは不安でした。そこで、とりあえずInstagramで大学と学科が同じ人を探し、投稿を見て気が合いそうならどんどんフォローし、どういう人が周囲にいるかを知った状態で対面授業に臨みました。グループワークで一緒になった際には、「フォローしてるよ」といった話で打ち解けられたので、事前準備をしておいてよかったなと思いました。
小山
Twitterでは、「#今年の春から〇〇大学」というハッシュタグで検索すると、「〇〇学科に入学しました」とか、「趣味は〇×です。仲良くなれそうな人がいたらいいねしてください」といった投稿が山ほど出てきます。コロナ禍前からこうした投稿はありましたが、コロナ禍ではいっそう、こうした投稿を介して事前につながることで、初日を不安なく迎えようという人が増えた気がします。コロナ禍前ならTwitterでつながって終わりだったかもしれませんが、コロナ禍ではそれを入口にしてもっと仲を深めよう、相手を知ろうとする傾向が強まったように感じます。
須田
順番としては、Twitterでまず出会って、LINEでつながって、Instagramでお互いの人柄を知るみたいな感じですか?
蓑田
最初にオンラインのグループワークで、連絡網としてのLINE交換があります。画面上に自分のラインのQRコードを出しておいて、そこからグループをつくります。LINEのプロフィールには自分のSNSのリンクを載せていて、そこから誰でも自分のSNSアカウントをたどれるようにしてあります。LINEを交換しただけだとその人がどういう人かまではわからない。SNSをフォローしてみて初めて、その人の趣味や人となりが見えてきます。
宮島
Instagramをフォローすると、その人がどういう人かわかる自信がある?
蓑田
確信はないけど、フォロワーが多すぎる人は少し警戒するし、たとえば自分の目の写真だけ載せている人はちょっと地雷かな?と思うことも…(苦笑)。ある程度、そこで受ける印象は的を射ていると思います。
小山
周囲には好きなアイドルやアーティストなど、自分の推しを前面に出している人が多くて、Instagramでは正当性のある“その人らしさ”の解釈ができると個人的には思っています。
宮島
なるほど。では対面で会うことの意味合いは、コロナを境に変わりましたか?
蓑田
大学生になって知り合った相手とはオンラインでしか会えない時間が続いたので、リアルで会うとしても、その前提としてオンラインでつながっていなければ不安だし、リアルで会わないことが続いても不安になってしまう。リアルで会うことの意味がすごく重みを持つようになったと思います。
小山
重要にならざるを得ないですよね。コロナ禍では、まず、人と会ってはいけないというところから始まって、実際に会えるのは本当に仲のいい人だけという認識がみんなの中にできてしまった。コロナ禍で知り合い、諸々のプロセスを踏んでようやくリアルで会える相手というのは、中高までの近しい友達とある意味同じくらいの価値がある人ということ。だからこそ気楽で、信頼していて、長時間電話で無言の時間が続いても気にならないし、そういう関係性を大切にしたいと思っているんです。ちなみに実際に会うか会わないかは、SNSでのやり取りのなかでどんどん可能性が絞り込まれていくので、最終的に会えている=すでに仲がかなり深められているということになります。この人は自分と会う気はないだろうなとか、私も会おうと思わないなという人とは、互いに察してそこで終わりますね。
関口
UoCでのワークショップでも出た意見ですが、結局僕らが求めているのは、気軽なコミュニケーションがとれて打ち解け合える、飲み会みたいな場なんだろうなと思います。でもそういう場に行くこと自体かなり難しくなってしまい、簡単には誘えなくなってしまった。関係性の薄い相手に対しては特にそうです。だからこそ、飲み会に一緒に行ける間柄という時点で、価値が大きい。「リアルで会おう」と誘うこと自体、ハードルが相当高くなっていて、いまの社会人の方々と僕らとでは、認識が相当違うと思います。
小池
このプロジェクトには、学生主体の興味領域のレポート以外に、定点調査項目もあります。そこでは毎年「気になった広告は何か」を聞いているのですが、年々上がってこなくなっている。彼らにはある意味広告の嘘の部分をもう見抜かれているし、企業パーパスを重視し、さらにそれが見せかけじゃないかもシビアに見ているZ世代なら、妥当な結果なのかなと思いました。
宮島
この世代はSNSでリサーチしますよね。旅行先も、YouTubeのインフルエンサーの投稿を参考にしている。そこに対して広告でどうアプローチしていけるのか。マーケターにとって大きな課題だし、考えさせられます。
また、LINEに自分のSNSアカウントのリンクを貼っているように、自分で自分の情報設計をしっかりと行っているのも特徴的。これからの企業は、情報設計がおろそかなブランドサイトや商品販売ページなどをつくってしまうと、いけてない企業だと評価されるでしょう。ジャーニーに沿って適切に構築されたEC導線、コミュニケーション設計がこれまで以上に大事になってくると思います。
児島
私は2021年入社なので、彼らとの違いは3年ほど。ほぼ同世代ですから、私自身もやっていた行動や思考を今回の調査で可視化してくれたという印象があります。ただ、やはりコロナ禍によってこれだけの環境変化があり、人間関係のつくり方や情報の扱い方にも影響が出ていることがわかり驚きました。いまの大学生たちはさまざまな情報に触れ、取捨選択しているので、マーケティングにおいてもしっかりとそこに引っかかっていく必要があります。いまはどちらかというとインフルエンサーを活用するケースが多いですが、そもそも彼らはインフルエンサー自体をそこまで信用していません。どちらかというと、インフルエンサーが発信した情報に対し、身の周りの人たちがどう反応しているかの方を重視していると感じます。
小池
僕はこのプロジェクトに参加して今年で5年目ですが、毎年発見があり、何より若い世代がスピード感をもって常に変わっていくのを感じます。半年以上彼らと一緒にいると、ひと月経つだけで様子が一変するようなこともあり、普段仕事をしているスピード感では追いつけないような感覚がある。そう考えると、今後はPDCAの捉え方も、よりリアルデータを使って即時解析していくようなことがもっと重要になっていくだろうと思います。生活者発想でデータの本質を見抜こうという姿勢だけではなく、スピード感を持たせてマーケティング管理を行っていかなければ、これからは難しい時代なのかもしれません。
宮島
須田さんはUoCでのセッションを踏まえて、いまの学生たちにどういう印象を抱きましたか。
須田
先日、コロナ禍の大学生とフリーディスカッションを行う機会がありました。そのとき聞いた話と、今回のFUTUREで抱いた印象、そして今日皆さんの話を伺いながら、改めてなるほどと納得することが多かったです。InstagramとLINEの使い方、長時間つなぎっぱなしのオンラインの電話など、具体例はどれも今どきの世代ならではだと思います。ですが、基本的にはもともとリアルの人間関係のなかで行っていた行動や振舞い、働かせていた直感などを、SNS環境に持ち込んでいるだけだという仮説を自分は持っています。いかに最先端のサービスを使いこなしているかに、えてして目が行きがちですが、本質的には、彼らは小学生の頃に校舎で自然とやっていたような友人づくりをSNS環境に合った最適な形で行っているだけだということ。さらに将来は、その環境がSNSからメタバースに移っているかもしれないけど、そうなれば今度は、また同じようなことをメタバース上で繰り広げるのではないかと思います。
それから、情報設計について思ったのは、いまここにいる学生の皆さんの世代が、これからは企業の広報、広告担当になっていくわけで、我々の普段の広告の仕事もそれを前提に考えていかなくてはならないということです。そういう時代がもうすぐそこまで来ていると実感するし、生活する環境が変わっていくというのに近い話かなと思いました。
宮島
確かにそうかもしれませんね。僕らがかつて行っていた、友人のつくり方――声のかけかたとか間のようなもの――が、リアルからSNSに移っただけだと。それぞれの環境下で暗黙知というのもはあって、場の移り変わりによりそれが変わっているだけということですね。
須田
僕は昭和50年代に、当時人気のマンガの主人公たちがいつも仲間と遊んでいるような、土管がある空き地で少年時代を過ごしていました。缶蹴りには参加しないといけないとか(笑)、その環境にはその環境に合った生き残り戦略があった。皆さんがSNS環境における当然の振舞いとしてやっていることも、同じ生き残り戦略といえる。この先、メタバースに移行するとリアルとの距離はより開いていくでしょうから、「リアルで会おうよ」と声を掛けるハードルはもっと高くなっていくんでしょうね。
関口
ちなみに、若い世代の迷惑行為がときどきSNSで拡散され炎上していますが、あのような行動をとるのはごく一部だという認識です。僕らは、本名でやっているアカウントはもはや誰もがみられる広報媒体として認識したうえで情報発信するし、本当の自分を出すアカウントは別につくったり、親しい友達機能などを使って表示する内容をコントロールしています。
小山
逆に、誰でも見られるアカウントで、親しい間柄でしか見せないような自分の意外な一面をあえて見せることで、SNSでの相手との距離感を近くすることもできます。SNSは偽れるとわかっているからこそ、そうすることで、見る側にも自分の人間性をよりわかってもらえる。
宮島
リアルにおいても、同じように自分の見られ方をコントロールしようとしますか?
蓑田
リアルよりもオンラインのほうが、怖さはありますよね。いわゆる鍵垢も、簡単に特定されるのでもはや鍵垢の意味があまりなくなっている。その場でスクショされれば、拡散されて大惨事になる危険性があるということを、みんな経験から学んでいます。
宮島
危機管理能力が高いゆえに、上手に印象コントロールをしようとしている。僕らからすると非常に戦略的だけど、彼らはそれをごく自然にやっているのが面白いですね。
小池
彼らには、冒頭から、課題に取り組む姿勢や連絡上のマナーなども含めて社会人としてのふるまいを求めていて、学生感覚の言動に対しては厳しく指摘していました。僕らアドバイザーがストラテジックプラニング職というのもあり、ロジックの精緻さにも社員と同等のレベルを求めていたので、多少厳しすぎると思われたかもしれません(苦笑)。
そのうえで、よかった点、難しかった点など、全体の感想をそれぞれ聞かせてください。
関口
よかったのは、ロジックの積み上げ方を丁寧に指導していただけたこと。確かに指導が厳しいと感じることもありましたが、最初はまったくできなかったのが少しずつ身についていき、自分でも成長したと思えたのは良かったです。活動全般については、大学での活動が制限されていた分、このプロジェクトを通して多くの人と知り合い、関わっていけたことが、シンプルに充実していて楽しかったです。難しかったのは、オンラインでの議論。タイムラグがあったり、本当に伝わったかどうかが相手の表情からわかりにくかったりするなかで、全員の意見をまとめあげていく作業は大変でしたね。
蓑田
よかったのは、資料づくりやプレゼンテーションなど社会人としての疑似体験ができたこと。ただやはり、多くの人の考えを汲みながら進めていくのは大変でした。でもこの経験を通して、自分はさておき相手のことを考えるクセがつきましたし、協調性は身についたと思います。一番難しかったのは、皆の意見をまとめる作業。それぞれの意見を尊重するあまり、まとまりのない提出物になったときは、筋が通っていないと厳しく指摘されました。切り捨てなければならない意見もあったのは心苦しかったです。
小山
個性も価値観も背景もさまざまな35人のメンバー全員で7カ月やり通したということは、それなりの意味があると思います。皆の考えや思考プロセスしかり、アドバイザーから教わるマーケティングリサーチの思考法しかり、考えるということについてひたすら考えながら、インプットとアウトプットを繰り返した7カ月でした。
児島
私からの感想としては、個性もばらばらな35人それぞれの考えが、形になり、調査になり、アウトプットになるという過程を見ることで、異なる視点も学べたし、学生の成長も見られていい1年間でした。来年以降もこのプロジェクトに参加してもらえるよう、プロジェクトの魅力を伝えつつ、今年以上に納得感のあるアウトプットをつくっていけたらと思います。
宮島
このプロジェクトにかかわるのは今年で2年目でしたが、ときに意見を戦わせながら、とことん考え、本気で頑張るという経験をしてもらえたのがよかった。FUTUREが、これから広告業界に入るための登竜門のような場になれば嬉しいですね。
小池
僕はこのプロジェクトを博報堂がメインで進めることに意味があると思っています。
広告会社で、生活者発想という「考えるプロセス」を企業理念に掲げている博報堂だからこそ、学生にも、なぜそう考えるのか、どうしてそう判断したのかを徹底的に聞いていきました。おそらくそういう経験が、再現性のある、勝てる思考を身につけることにつながるはず。少なくとも博報堂が携わる間は、ブレずにそこにこだわっていきたいですね。
須田
僕は4月から多摩美大のグラフィックデザイン科アートディレクションコースで教えることになったこともあって、今どきの学生が何を感じ、考えているのかに非常に興味がありました。最終ワークショップではあまりに学生たちのグループ・ディスカッションが上手なので驚いたのですが、アドバイザーがそこまで厳しく鍛え上げたのだと後で知り、感銘を覚えました。FUTUREには美大生は参加していませんが、アートディレクションには当然、広告発想、広告思考、分析思考、仮説思考などが求められるし、それは広告ビジュアルのつくり手には必須のプロセス。学生に何を伝えていくべきか大きなヒントをいただけました。
小池
新人研修でやることを1年かけてしっかり丁寧に、妥協せずにやりましたからね。
宮島
僕も学生だったら参加したかったくらいです(笑)。コロナ禍でやりきれたということにも意義を感じます。皆さん1年間、本当にお疲れ様でした!
大学生意識調査プロジェクト(FUTURE2022) 『コロナ禍入学大学生の友人関係構築プロセス』 の詳細レポートはこちら