生活者のメディア接触行動の多様化と、マーケティング領域のデジタライゼイションによって、得意先企業のメディアプランニングに対するニーズが変化してきています。今回は、博報堂DYメディアパートナーズの新設組織である「データドリブンプラニングセンター」が得意とする業務領域について、ブランドコミュニケーション領域でメディアプランニングを実践してきたメディアプラナーと、ダイレクトマーケティング領域で事業成長に貢献してきたダイレクトマーケッターがお話しします。

写真右から)博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンプラニングセンター ダイレクトアカウントプロデュース2部長 山崎 大介、データドリブンプラニングセンター データアナリティクス部 チーフアナリスト/メディアプラニングディレクター 新田 歩

新田:私はこれまで消費財や耐久財のメディアプランニング領域に携わってきましたが、従来そのプランニング目標は認知や理解、購入意向といったブランド指標でのKPIの向上が主でした。しかし、近年「売上を最大化させるためのメディアミックスは何か?」ということを明確に求められることが増えていると感じています。これは企業が広告費を「経費」から「投資」として捉え直し、投資対効果の可視化を求めていることが背景にあると思います。

一方で、ダイレクトマーケティング領域は従来から投資対効果を突き詰めているイメージですが、どのようにプランニングをされてきたのでしょうか?

山崎:ダイレクトマーケティングの領域においては、得意先企業にダイレクト事業部が存在することが多く、事業部と事業戦略視点で向き合うことが多いです。広告出稿についてもCPA(コンバージョン1件あたりの費用)やROAS(広告費用対効果)といった投資対効果を前提としたKPIでPDCAを回していくのが当たり前の世界です。また、出稿データとコンバージョンデータが紐づいていることがダイレクトマーケティングの特性ですので、広告効果という意味では1回1回の出稿単位の粒度で測定が可能です。ゆえに、個別最適のPDCAで効率を追求しながら、広告予算を拡大していくことで事業成長をさせていく、それがダイレクトマーケティングの基本とされてきました。

ですが、個別最適による効率追求での事業拡大の限界が早まってきていると感じています。効率化とは、言い換えると、できるだけ顕在化している見込み客に効率的に広告を投下することになるので、ダイレクトマーケティングが一般化し参入企業が増えると、パイの奪い合いになります。また、生活者のメディア接触行動もこれだけ多様化してくると、コンバージョンに紐づく広告出稿だけを評価していても事業は拡大しません。

新田:得意先企業の保有する1st Partyデータ(得意先企業の顧客データやコンバージョンデータ)だけでは限界という事ですか?

山崎:1st Partyデータの存在は大きな価値ですが、結果の集積である1st Partyデータだけ分析しても見えてこないことも当然あります。ですので、例えば、博報堂DYグループの生活者DMPを活用して、メディア接触データなどの3rd Partyデータと1st Partyデータとをつなぎこみ、顧客の購買までのプロセスを可視化したり、顧客像をより鮮明にしたりするのです。

※【参考】:博報堂DYグループの生活者DMP

新田:それは言い換えると、認知や興味といったこれまでのブランド指標とコンバージョンとの間に存在する見込み客を可視化する、ということですよね。フルファネルでタッチポイント戦略を立案することは、もはやメディアプランニング領域での規定演技になっています。

山崎:現在のデータドリブンプラニングセンターのプランニング領域ですが、結果データを起点としたターゲット戦略の立案にまで拡張しています。

新田:メディアを中心に生まれる様々なデータを横断的に活用することで、配信可能(=到達可能)なターゲット戦略を立案できることは私たちのプランニングの強みです。

山崎:これからは、ブランドマーケティングとダイレクトマーケティングの両輪が求められると考えています。言いかえると、事業成果をゴールとしたときに、ブランド指標で達成すべきKPIとビジネス指標で達成すべきKPIをどう策定するか、ということです。こういったプランニングは、出稿データと結果データ、そしてその過程を埋める3rd Partyデータがあってこそできるプランニングだと思っています。

プロフィール

山崎 大介
博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンプラニングセンター ダイレクトアカウントプロデュース2部長

2004年よりダイレクトビジネス領域に特化したアカウントプランニングに従事。2012年博報堂入社後は、マーケティングスタッフとして、事業戦略から、アクイジション、CRM、フルフィルメントまで、ダイレクトマーケティング全般のプランニングを担当。
現在は、メーカーや金融のダイレクト事業のPDCAマネージメントに加え、耐久財を中心としたあらゆる得意先企業のデジタルマーケティングニーズに対応している。

新田 歩
博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンプラニングセンター データアナリティクス部 チーフアナリスト/メディアプラニングディレクター

外資メディアエージェンシーを経て、2013年に博報堂DYメディアパートナーズに入社。国内外含め消費財を中心に耐久財、ラグジュアリーと幅広い業種において、15年を超えるメディアプランニング経験を有する。
現在はメディアプランニング領域のみならず、ビックデータや生活者DMPを活用したオンライン/オフライン統合型の新しいプランニングソリューション開発にも携わっている。

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次回は、データドリブンプラニングセンターの現場責任者が、得意先企業に何を期待され、どういった領域で活躍しているのか、その実態についてお話しします。
◆コラムはこちら⇒得意先企業の事業成果にコミットする次世代型メディアプランニング【第二回】-メディア部門の中にあるプランニング組織に求められる専門性とその多様な仕事領域に迫る