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博報堂、クロスモーダル知覚(五感の相互作用)を活用したアイデア創出ソリューション「Humanity Thinking」を提供開始
ー東京大学鳴海准教授と共同で推進ー

2023.12.12
#イノベーション#クリエイティブ#テクノロジー#デジタル

株式会社博報堂のプロジェクトチーム「Human X(ヒューマンクロス)」は、東京大学大学院情報理工学系研究科の鳴海拓志准教授と共同で、クロスモーダル知覚(五感の相互作用)を活用し、新商品開発や新規事業創造に必要な発想や体験のための、アイデア創出ソリューション「Humanity Thinking」の提供を開始することをお知らせいたします。

Human Xは、クロスモーダル知覚を企業のブランド体験開発に活用する実験活動「Human X Experiment(ヒューマンクロス エクスペリメント)」として、生活をより豊かにする仕組みを感性的・科学的に開発する『〇〇×五感体験デザイン』シリーズに鳴海准教授の監修のもと取り組んでおります。
おいしさ×聴覚に挑戦した「ビールのおいしさを増幅させる音楽」やこの音楽を映像化し感覚間協応の特性を活用した視聴覚体験の開発などを行ってきました。

今回提供を開始する「Humanity Thinking」は、クロスモーダル知覚を活用して、新商品開発や新規事業創造において必要となる「新たな体験のアイデア」を作り出すソリューションです。「感覚のゆらぎを、デザインする。」をコンセプトに、人間が本来もっている感覚・身体・感情を活用し、ひとの可能性を多角的に考えていきます。
人間の感覚特性を活用した発想ヒント集「HUMANITY TIPS」を使い、発想をサポートします。
例えば「温度」という観点で温かいものをもらうとその人のことを温かい人と感じるクロスモーダルな認知特性を活用し、接客時の温度体験を発想する、というような視点で考えるヒントを与えます。このような人間の普遍的な特性を活用したアイデアは、新たな発想の切り口をもたらすことが期待できます。「HUMANITY TIPS」は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚・認知・感情・行動の観点から50tipsの用意があり、発想しやすい形のカードになっていて人間の感覚を味方にした体験創出を目指します。

博報堂Human Xは、活動から得られたクロスモーダルナレッジを企業が持つブランドの“らしさ”と掛け合わせ、生活者の身体性や感情に着目したブランド開発や世界観構築、新たな体験創出、研究開発、新事業開発など企業のブランド変革支援に取り組んでまいります。

【HUMANITY TIPS 詳細】

<参考資料>
■クロスモーダル(五感の相互作用)
揺れる風鈴を見てそこから出る音を聞くと、実際の気温は変わらなくても涼しく感じることがあります。また、かき氷の赤色はイチゴ味、緑色はメロン味といったようにさまざまな味を楽しめますが、実は多くのシロップは、色と香料が異なるだけで、味の元になっている材料は同じなのです。人は舌だけで味を感じているわけでも、肌だけで温度を感じているわけでもありません。5つの感覚が互いに交わり、相互に作用しながら、感覚は生まれています。このような感覚の仕組みは「クロスモーダル」(感覚間相互作用)と呼ばれ、ものづくりやサービスデザインにおいて、得られる感覚や体験そのものを自由に設計するためのヒントとして近年注目されています。

■Human X(ヒューマンクロス)
ヒューマンクロスは、クロスモーダルやマルチモーダル技術を活用して、人間の感覚・知覚を拡張し、生活者の五感体験をデザインするプロジェクトチームです。生活者の身体や感覚の観点から科学的かつ感性的なアプローチで、生活をより豊かにする研究やプロダクト・サービス開発等を幅広く行っています。

■東京大学大学院情報理工学系研究科 鳴海拓志 准教授 プロフィール
2006 年東京大学工学部システム創成学科卒業。2008 年同大学大学院学際情報学府修了。2011 年同大学大学院工学系研究科博士課程修了。2011 年より同大学情報理工学系研究科知能機械情報学専攻助教。2016 年より同大学同専攻講師。2019 年より同大学同専攻准教授。現在に至る。博士(工学)。バーチャルリアリティや拡張現実感の技術と認知科学・心理学の知見を融合し、限られた感覚刺激提示で多様な五感を感じさせるためのクロスモーダルインタフェース、五感に働きかけることで人間の行動や認知、能力を変化させる人間拡張技術等の研究に取り組む。文部科学大臣表彰若手科学者賞、日本バーチャルリアリティ学会論文賞、グッドデザイン賞など、受賞多数。

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