THE CENTRAL DOT

【はなさかすダイアローグ vol.1レポート】
子どもと大人の「育ち合いの場」。はなさかす保育園の可能性

2019.02.01
TBSと博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの共催イベント「はなさかすダイアローグ」が、 2018年12月5日に博報堂大学(赤坂)にて開催されました。
本レポートは、そのイベントの様子をお伝えいたします。

2018年4月にTBSと博報堂、博報堂DYメディアパートナーズが共同で立ち上げた「はなさかす保育園」。保育園の設立前から、子どもを預けている家庭だけでなく3社で働く全ての社員にとって、沢山の刺激や発想が得られる「育ち合いの場」としていこうという理念を持っていました。開園から半年を契機に、この理念を形にすべく、「子どもから学ぶ、大人の学びと成長」をテーマに「はなさかすアクション」という活動を保育園と協力して実施していくことになりました。その「はなさかすアクション」第一回として、会社に保育園があることの可能性をみんなで考えていく、対話型のイベント「はなさかすダイアローグ」を行いました。
ダイアローグセッションという形式で、様々な人のインプットから、来場したそれぞれが気付きや新しい視点を得ることの面白さを持ち帰ってもらうことを目指しています。

客席や登壇者席が半円に配置された会場には、3社の社員が続々と来場し、満員御礼で開会となりました。進行は、TBSテレビアナウンサーでありながら、保育士資格をお持ちの蓮見孝之さんです。イベントは、東京放送ホールディングス武田会長、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズを代表して博報堂水島社長の挨拶から始まりました。

東京放送ホールディングス武田会長は、AI時代だからこそ、我々は「働くとは何か」「会社とは何か」という根源的な問いを発しなければならないという考えを提示され、はなさかす保育園もそのような問いを考えるきっかけの一つとなること、保育園を中心とした活動をより発展させていきたいという展望を語られました。

東京放送ホールディングス 武田信二会長

博報堂水島社長は、博報堂グループのフィロソフィーである「生活者発想」について触れ、はなさかす保育園を、子どもを通して社会を見る場/子どもの気持ちになってできることを考えていく場としていく、という創設時の目的を改めて紹介しました。
デジタル化が進む今だからこそ、実際の体験を通して得られる知恵は計り知れない価値があり、はなさかすダイアローグでは、体験者の様々な意見を聞き、考えを広げる機会にしてほしい、と語りました。

博報堂 水島正幸社長

「20代から50代までの社員が保育士体験してみたら」

イベントは「20代から50代までの社員が保育士体験してみたら」というセッションに続きます。TBSと博報堂/博報堂DYメディアパートナーズの50代のベテラン社員から20代の新人社員まで8名が、はなさかす保育園で保育士体験をし、気付いたことや感じたことについて3分ずつストーリーテリングを行いました。

博報堂の新入社員である常廣は、まだ上手く言葉が話せない年齢の子ども達と接するなかで、対話に頼らず子どもが求めていることを探る難しさの実感を通し、ストラテジックプランニング業務における調査結果から生活者のニーズを想像していくことに近いとの考えを示しました。保育士体験は、仕事から離れて子ども視点から物事を考えてみる貴重な機会と述べました。

TBSテレビの新入社員である登坂さんは、2歳の子どもとの散歩を通して、子ども達の目線の高さで見える世界への気付きを話されました。目に見えるものを全て吸収していく子ども達の柔軟な価値観は、まだ目を留められていない些細な物事に気付き、発信していく、という番組制作業務にとっても大切なことである、という考えを語りました。

「20代から50代までの社員が保育士体験してみたら」での様子

キーノートスピーチ

続いて、まちの研究所の岡庭さんによる「キーノートスピーチ」が行われました。
岡庭さんは、子どもの創造性にまつわる海外の研究などの事例をまじえながら、子どもの既成概念にとらわれない発想力や問題解決力について解説され、「子どもは、いつも想像以上の存在」であると語られました。また、これからの子ども達の教育は、何を学ぶかより、学び方自体を知ることが大事であるとし、はなさかす保育園を通して、我々大人たちも子ども達と一緒に学び方を考えていけたらと、はなさかす保育園の可能性について述べられました。

まちの研究所 岡庭 希さん

5min.インプットリレー~子どもと家族と教育と働き方のこれから~

「5min.インプットリレー~子どもと家族と教育と働き方のこれから~」では、博報堂とTBSの社員4名が最新のトピックを語るセッションです。博報堂生活総合研究所の内濱は、2018年に生活総研が分析した「家族30年変化」についての発表を行いました。「家族である」から「家族する」へをテーマに、「夫婦の関係性が個人対個人の関係性となり、伝統的な役割に縛られず、都度役割を変えている」「家族の絆を自分たちで作っていく意識がある」など、現在の家族の在り方について解説しました。

TBS「報道特集」デスク・記者の川畑さんは、両親や祖父母の介護・サポートをする子ども、「ヤングケアラー」をテーマとした番組についてお話いただきました。学校生活・受験勉強など子どもとしての日常生活を送りながら、家族のサポートもしなければならない状況にいる子ども達がいるという事実を知り、大人たちが手を差し伸べてあげられる社会になること。子どもが“子どもらしい”時間を過ごすことに対してとても厳しい視線が向けられることが多い現在、社会が今後どのようになっていくかを想像してもらいたいと、番組制作の意図を語られました。

TBS「サンデージャポン」制作プロデューサーの高橋さんは、仕事と家事の完全両立を目指すパパ集団「NPO法人スーパーダディ協会」の活動を紹介されました。共働き夫婦が増えているが、いまだに家事については女性が行なってから仕事もするべきであるという考え方を持つ人もいるという現状において、子育ても家事も一緒に取り組むことで共働きという形が成立するのではないかという考えを述べられました。

博報堂ブランド・イノベーションデザインの原は、子どもも大人も一緒に“共 進化”していくことについて語りました。
人一生の育ちという考え方を紹介し、大人も成長し続けていくための3つの視点「自分をしっかり知る・他者とかかわっていく・世界を理解して働きかける」を挙げました。はなさかす保育園は、教育と会社(産業界)、子どもと大人をつないでいく場所になっていくのではないかと語りました。

話してみよう、みんなで

最後のプログラム「話してみよう、みんなで」は、参加者によるグループダイアローグ。
3~4人でグループとなり、「はなさかす保育園を起点に、どんなことが起こると良いか」というテーマについてディスカッションしました。「3社の特性を生かして世の中に何か発信できたら良いのではないか。」「自分の経験や興味を拡げていくような関わりをしていきたい」といった様々なアイデアが生まれました。

閉会の挨拶は、TBSテレビ人事労政局の徳光さん、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ人事局の江﨑が行いました。江﨑は、「今日は初めて3社が集ったイベント。これをきっかけに今後も大きなうねりにしていきたい。」と話しました。
徳光さんは、「会社に保育園があることで、働くことと育てることが同じ場所にあるというのはとても面白いことだと思う。お子様を預けられている方だけでなく、会社で働く全ての方にとって存在意義のある場になっていきたい。面白くしていくアイデアが浮かばれた方は是非教えてほしい。」と語られました。

(左から)博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ人事局 江﨑信友、TBSテレビ人事労政局 徳光真理さん

3社の参加者の皆様の笑顔と、子どもたちや登壇者の方々から得た新たな気付きやアイデアに溢れたイベントとなりました。はなさかすアクションは、本イベント以外にもまだまだ予定されています。
今後のはなさかすアクションにご期待ください。

FACEBOOK
でシェア

X
でシェア

関連するニュース・記事