自分の“好き”からミライの仕事を発想しよう ―探究学習プログラム「Hasso Camp」開催レポート

博報堂DYホールディングスは、東京都子供政策連携室が推進する「こどもスマイルムーブメント」の一環として実施された中高生向け職業体験プログラムに参画し、今年8月「Hasso Camp ~未知なる答えを導き出す発想力・創造力を育む2日間~」と題したプログラムを開催。DAY1は中高生向けの探究学習プログラム「Hasso Camp(ハッソウキャンプ)」を通じたアイデア発想を、DAY2は博報堂プロダクツの撮影スタジオでアイデアを具体化する制作業務を、参加した生徒の皆さんに体験していただきました。本記事では、DAY1「Hasso Camp」の模様をレポートします。
博報堂DYグループの仕事と社会課題を解決するアイデア発想
博報堂DYホールディングスが提供する探究学習プログラム「Hasso Camp」は、正解を考え導き出すこれまでの学習から一歩踏み出し、多様な人の視点を持ち寄り、社会の問題に対する「未知なる答え」をみんなで考える「共創」を体験してもらうことを目的としています。
8月上旬、午後からスタートしたワークショップ。集まった中高生が3つのグループに分かれて座り、まずは初対面の緊張をほぐすためのアイスブレイクから始まりました。自己紹介に続き、制限時間3分で「自分の好きなモノやコト」を5個以上付箋に書き出し、グループ内でシェア。その中から共通するモノやコトを探し出す「共通点探しゲーム」を行いました。例えば「犬派」「ライブ好き」「推し活をしている」といったグループメンバーの共通点を見つけ、それをもとに各グループの名前を決定。そのプロセスを通じて参加した生徒たちも打ち解け、コミュニケーションの土台が築かれました。

アイスブレイクの後は、博報堂DYグループの紹介と、クリエイティビティを活かした実際の仕事内容についてのレクチャーが行われました。
博報堂DYグループが生み出す仕事は、広告制作にとどまりません。人の心を動かすアイデアで、社会の課題を解決することも大きなテーマの一つです。具体的な事例として、本来廃棄されるはずだったホタテの貝殻をアップサイクルした環境配慮型ヘルメット「HOTAMET(ホタメット)」を紹介しました。「ただのゴミだった貝殻」を細かく粉砕し、リサイクル素材化して「人の命を守るもの」に生まれ変わらせる。ホタテの構造を参考に強度をアップさせ、「作るほど海がキレイになる」「守るのは、頭と地球」というコンセプトを持つこのプロダクトは、アイデアがいかにして社会課題(産業廃棄物問題やCO2削減など)の解決に貢献できるかを示しています。
併せて、広告会社の仕事の一連のプロセス(一例)も紹介。
① 物事に関する視点を洗い出す
② 視点を持ち寄りアイデアを共創する
③ アイデアを具体化する(全体方針・コピー・デザインなど)
④ 制作(撮影・編集など)
⑤ リリース
DAY1のワークショップでは、このプロセスの①と②を生徒たちに体験していただきます。
アイデア発想に大切なこと
ワークショップに入る前に、アイデア発想のための大切な2つのポイントを説明しました。
1つ目は、視点の持ち方。一つの立体でも「上から」「前から」「横から」見ることで全く違う形に見えるように、人(生活者)も色々な視点で捉えることで深く理解できる。人の心を動かすためには、人をあらゆる視点で分析し、あらゆる角度から捉えることが大切であるということ。
2つ目は、発想のプロセス。課題に対してショートカットですぐにゴール(正解)に向かおうとするのではなく、あえて遠回りをしてアイデアを「拡散」させ、そこから「収束」させていくプロセスが重要であることを伝えました。
そして、グループワークを気持ちよく楽しく進めるためのルールとして、以下の3つを約束しました。
・傾聴と称賛(相手の意見をしっかり聞き、称える)
・感じたことをそのままに(素直な感情を大切にする)
・人の意見にどんどん乗っかる(アイデアを掛け合わせる)

ワークショップ「ミライの仕事を考えよう」
いよいよワークショップに挑戦です。平成から令和にかけての約35年で世の中は大きく変わりましたが、それ以上にこれからの10年で起こる変化のスピードは加速し、今までとは全く異なる新しい仕事やサービスが生まれると言われています。その未来へのヒントは、みんなの「ワクワク」や「好き」など、心を動かすものの中に隠れています。参加者たちは、博報堂DYグループの社員とともに、3つの「QUEST(探究)」に取り組みました。
【QUEST 1】自分の心を動かすもの
日常生活や楽しかった思い出を振り返り、「自分が楽しいと思う瞬間」や「何気なくしてしまうこと」をできるだけたくさん書き出します。ここでのポイントは「〇〇を●●すること」という主体的な行動の形で書くこと。「音楽が好き」ではなく、「学校帰りに一人で鼻歌を歌うこと」など、より具体的に書き出していきます。その中から、「これからも自分の心を動かし続けそう」だと思うものを各自一つ選び、グループ内で共有しました。
【QUEST 2】自分の心を動かす正体
次に、QUEST 1で選んだ「好きなこと」の奥底にある、目に見えない「自分の心が動く正体(原因・理由)」を突き止めます。例えば、「勉強を教えることが好き」という同じ行動でも、その理由は、ある人は「化学のおもしろさを多くの人に話すのが好き」だからかもしれないですし、別の人は「やり方がわからず困っている人を心から納得させるのが好き」だからかもしれません。表面的な行動が同じでも、心を動かす正体は人によって異なります。グループのメンバー同士で、お互いの好きなことに対して「誰に?」「何を?」「どうやって?」と要素ごとに分解して質問し合い、それぞれの奥底にある感情やモチベーションを言語化していきました。

【QUEST 3】ミライの仕事を考えよう
いよいよ最終クエスト。QUEST 1と2の作業を通じて見つけた「自分の心を動かす正体」をヒントに、みんなの好きを活かした、世の中をワクワクさせる新しいミライのサービスを創ります。
まずは、「自分の心を動かす正体」をキーワード化。例えば、下記のような3人の視点があった場合、それぞれの「自分の心を動かす正体」から、「紹介」「教える」「ランダム」「気分」といったキーワードを見つけます。
<例>

そのキーワードが「アイデアの種」。
それらを組み合わせて考えていくと、例えば、「今の気分に合わせて、自分一人では出会えなかったような本をランダムに紹介してくれる優しくて不思議な本屋さん『きまぐれ書店』」といった、世の中をワクワクさせる新しいサービスのアイデアが生まれます。
この方法で、まずはそれぞれの「自分の心を動かす正体」からキーワードを見つけていきます。そのキーワードを持ち寄り、メンバーでディスカッションしながら、グループで一つのサービス案を企画。
・どんな“心を動かす”もの(好きなもの)から発想した?
・このサービスのセールスポイントは?
・このサービスを一言でいうと?(キャッチコピー)
・このサービスをどんな人に知ってもらいたい?
・このサービスを利用した人はどんな気持ちになるか?
といったポイントについて意見を出し合いながら、企画を具体化していきました。どのグループも多様なアイデアが出され、活発な議論が交わされていました。

最後にグループごとに、それぞれが考案したミライのサービス企画を発表しました。
■チーム「趣味充実」
【サービス名】「できる」をサポート
【サービス内容】学生の様々な趣味を一緒に取り組みたい人、教えてもらいたい人、教えたい人をマッチング
【セールスポイント】仲間からの声を得られる、好きな趣味をより深められる
【キャッチコピー】「できる」を応援
【対象者】学生
【利用者の気持ち】仲間と取り組むことでハッピーに
■チーム「ドパガキ」
【サービス名】Kousatsu(考察)
【サービス内容】様々なジャンルのアクティビティについて考えを共有するアプリ
【キャッチコピー】“好き”を共有
【対象者】全員
■チーム「SSKB(才色兼備)」
【サービス名】OCHANOMA(お茶の間)
【サービス内容】座るスペースが畳で、足湯がある喫茶店
【発想元となったキーワード】リラックス x 五感
【セールスポイント】自然らしさ、窓が大きく開放感がある、相席
【キャッチコピー】老若男女が利用できる畳喫茶
【対象者】昼:年齢層高めの方、夜:社会人

プログラムを進行した博報堂DYホールディングス サステナビリティ推進室の多田より、
「それぞれのチームがとても豊かな発想で、楽しいサービス企画を考えてくれました。今回はアイデアを発想するための大事な考え方やアプローチの仕方を学びながら、自分のアイデアを共有し合って、より大きなアイデアやそれを実現させるための方法をチームで創り上げていくプロセスの楽しさを体験していただきました。短時間で各チームそれぞれが『ミライの新サービス』を考案し、発表できたことは素晴らしい成果でした」と講評がありました。
最後に一日の感想を1人ずつ発表して、ワークショップは終了。
参加した生徒たちからは
・チームになって何かを考えることの楽しさを知ることができた。自分が好きなことから考えを膨らませて新しいサービスを考えることが楽しかった
・自分の好きなことからみんなの好きなことへの発想を広げて、ひとつのプロジェクトを作り出す過程がとても楽しかったです。自分ひとりだけではここまで広げることができなかった
・はじめは何の関係性もないと思われたそれぞれの趣味が結果的にまとまったことがうれしいです。おどろきもありました
・はじめに共有したそれぞれの好きが合わさってひとつのものになる。改めて、人と人とのつながりの重要性を実感した
といった感想が寄せられました。
●DAY2レポート
DAY2は、博報堂プロダクツで制作現場の見学と動画撮影体験を行いました。DAY1で各チームが企画した「ミライの新サービス」について、実際のスタジオセットでの撮影やライブ配信を通じて「人に伝わる形」へと発展させる仕事を体験。その模様は博報堂プロダクツのページでご紹介します。(10月23日公開予定)
■中高生向け探究学習プログラム「Hasso Camp」
社会や地域、自身の課題をテーマに、中高生の「発想力」を育む120分のプログラムです。独自のフレームワークを用いて、中高生の皆さんに新たな視点を発見したり、アイデアを発想することに挑戦していただきます。(本プログラムは学校単位でのお申し込みとなります)
・開催時期:通年
・対象:中学1~3年生、高校1~3年生
・回数:1回(2時間)
・場所:東京・赤坂
・定員:4~30名
・費用:無料
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▼プログラムの詳細につきましては「Hasso Camp」サイトをご覧ください
https://hassocamp.hakuhodody-holdings.co.jp