1970年代後半に深刻な地域社会存亡の危機を迎えていた、オーストリアの地方都市・リンツ市。この街を本拠地とするメディアアートの文化機関「アルスエレクトロニカ」は、アートとテクノロジーの発想力を活かし、市民を巻き込んだアートフェスティバル、国際コンペティション、先端的な文化教育施設、産業創出拠点の未来ラボの活動を通して、衰退した工業都市を未来志向の創造都市への変貌を実現させました。
10年間に渡りリンツ市の社会的・文化的変革を目撃してきた著者が、市民を主体とした都市政策・ブランディングに必要なクリエイティブメソッドを、街の変貌と発展の軌跡から探ります。地域社会、そして産業にとっての新たな「創造戦略」とは何か。本書を通じ、成熟期を迎えた日本社会の未来を構想するヒントとなれば幸いです。
