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博報堂「第七回 生活者の脱炭素意識&アクション調査」を実施

約7割が気候危機を実感するも、脱炭素社会に向けた行動実践度は前年から8.3pt減。
10代・70代の積極姿勢が顕著な一方、20~40代は消極的中立層が目立つ傾向。
今後の行動促進には義務感ではなく、「楽しさ・体験」の仕組み設計が鍵に

株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:名倉健司)の「博報堂SXプロフェッショナルズ」は、「生活者の脱炭素意識&アクション調査」の第七回調査を実施。脱炭素や気候変動に関する意識や行動がどのように変化しているのか聴取しました。
調査結果からは、脱炭素社会実現への行動実践度が前年から低下していること、また、世代間で意識に差がみられ、特に10代・70代は積極的な姿勢を見せる一方で、特に20~40代でやや消極的な中立層が多いことがわかりました。脱炭素に向けた行動には、世代ごとの行動ハードルに応じた具体策の提示や、生活者の身近な興味領域と結びつけた発信で関心・行動を喚起し、楽しく参加できる仕組みを作る重要性が見えてきました。
(調査実施日:2025年10月14日-15日、調査対象:全国15~79歳男女 計1,442名、調査概要は後述)

<調査結果サマリ>
■【脱炭素・カーボンニュートラル認知】いずれも9割程度、昨年と横ばい
■【気候危機の実感】直近1年で、全体で67.6%
■【気候危機を実感するタイミング】「豪雨など異常気象」「最高気温更新」など日常生活で直面する異変
■【脱炭素社会実現に向けた意識】特に10代/70代で高く、20~40代で中立化が進行、緊迫感の薄さあり
■【脱炭素社会に向けた行動】「意識している」は25.2%と、前年までの30%越えの水準を大きく下回る
■【脱炭素に向けて行動できない理由】「具体的な行動がわからない」「手間がかかりそう」などが上位
■【NEW:脱炭素に向けて行動する理由】50代以上は「夏を楽しみたい」「次世代のため」「健康・節約のため」など、10代では「周囲との連動」「呼びかけやメッセージへの共感」が高スコア
■【NEW:企業に求める脱炭素アクション】「脱炭素に特化した商品の開発」を中心に、「具体的な活動内容・行動指針の情報発信」「キャンペーンなど楽しく参加できる仕組み」など多角的な要望

※NEW=今回新たに聴取した項目

<調査結果詳細>
〈脱炭素に関する認知〉
・脱炭素に関する言葉について、「知っている(言葉を知っている+内容まで知っている)」と回答した人は「カーボンニュートラル」が92.9%、「脱炭素」が87.8%で、前回からほぼ横ばいでした。
・一方で、カーボンフットプリント(25.9%)、NDC(14.9%)などは8pt以上スコアが減少するなど、上位項目を除き、全体的なスコア低下も見られました。

〈気候危機の実感度と、実感するタイミング〉
・直近1年で気候危機について「実感している(非常に実感+やや実感)」と回答した人は67.6%で、約7割の高い水準を維持していました。
・気候危機を実感するタイミングについても聴取したところ、多くの項目で前回から大幅にスコアが上昇しました。「豪雨などの異常気象が多発したとき(66.9%)」、「日本国内で最高気温が過去最高を観測したとき(66.0%)」、「外に出て猛烈な暑さを感じたとき(60.0%)」など、日常生活の中で直面する異変が上位を占める結果となりました。

〈脱炭素社会実現に向けた意識や価値観〉
・「脱炭素社会の実現は必要」と答えた割合(TOP2)は、10代が77.7%、70代が79.5%に達し、全体平均(65.6%)を大きく上回りました。
・一方、特に20代~40代では「必要性」や「差し迫った課題」と感じている人の割合が下がり、各項目において「どちらともいえない」と回答した中立層が増加していました。脱炭素に対する当事者意識や課題感の差が顕著に表れています。

〈脱炭素社会に向けた行動〉の実践度
・「脱炭素社会に向けた行動の実践度」について、全体で「意識して行動している(TOP2)」は25.2%と、前年までの30%超えの水準を大きく下回る結果となりました。
・年代別でみると、実践度が最も高い傾向にあるのは10代の若年層や70代で、20-40代を中心にスコアが下がる傾向にあり、前回比較では、各年代で女性において意識の低下が見受けられます。

〈脱炭素に向けて行動できない理由〉
・脱炭素に向けて行動できない理由としては、「具体的に何をしたらいいのかわからない」と「今よりもお金・手間がかかりそう」が上位にあがり、特に中立層の多い20-40代においてこれらのスコアが高い傾向にあります。次いで、「自分ひとりの行動が影響を与えられると思わない」「生活が不便になると思うと踏み出せない」「忙しくてそれどころではない」などの理由が続いています。
・忙しい日々を送り、生活の中でのコストを懸念する層には、「お金や手間がかからず、生活の負担にならない簡単な具体アクション」を提示していくことが重要であることがうかがえます。

〈NEW:脱炭素に向けて行動する理由〉
・全体でみると、「夏を楽しめなくなっているから」「次世代の・地球のため」「家計・健康のため」「安心して外出できなくなっているから」など、上位の多くの項目でスコアが並んでいます。特にこれらの項目において50代~70代のスコアが全体平均を大きく上回っており、シニア層の強い当事者意識が見受けられます。
・10代においては、「義務感」ではなく、ウィンタースポーツを守ることや、呼びかけやメッセージへの共感、一緒に取り組む仲間意識があることで、行動へのハードルが下がるなど、特徴的な傾向があらわれています。

〈NEW:企業に求める取り組み・行動〉
・全体としては、「商品開発/改良」や「具体的な取り組み内容の情報開示」「企業姿勢の一貫性/誠実さ」など、特に上位項目においてスコアが軒並み高まっており、生活者は脱炭素に向けた多角的なアプローチを求めていることがうかがえます。
・年代別では、特に70代で「脱炭素につながる具体的な改善方法・行動指針などの情報発信(40.8%)」や、「企業自身がどんな活動をしているかの具体的な内容の広報(35.8%)」などのスコアが高く、シニア層は企業姿勢の提示や具体的なエビデンスを重視している傾向がみられます。
・一方で10代では、「キャンペーンやイベントなど、参加したくなる楽しい仕組み(30.0%)」が全体を大きく上回り、全年代でトップという結果になりました。これからの若い世代に対しては、義務感ではなく「楽しさ」や「体験」をフックにした巻き込み型の施策が有効です。

 

〈調査結果への所見〉

気候危機の「実感」が約7割に達し、節電や暑さ対策なども日常化してきている一方で、脱炭素社会実現への意識・行動には、世代間で大きなギャップが見られました。
特に20~40代では、脱炭素社会実現の必要性に対して「どちらともいえない」という中立層が増加傾向にあります。脱炭素に向けて行動できない理由は「具体策がわからない」「お金・手間がかかる」「忙しくてそれどころではない」などが大きなハードルであり、「お金をかけずに今すぐできる簡単なアクション」の具体提示が不可欠です。
一方で70代を中心としたシニア層は、当事者意識が強く脱炭素に積極的な姿勢が見られます。企業には、企業姿勢の提示や具体的なエビデンスを求められています。10代も、呼びかけのメッセージや周囲の人の行動に感化されやすく、20~40代を上回る高い行動意欲を秘めています。
今後の行動促進の鍵は、世代ごとの行動ハードルに応じた具体的な取り組み策を提示していくことです。特に若い世代に対しては、義務感で行動を強いるのではなく、生活者の身近な興味領域と結びつけた発信で関心・行動を喚起し、楽しく参加できる仕組みを作っていくことが重要です。(分析担当)

<調査概要>
調査手法 :インターネット調査
対象者        :15-79歳の男女1,442名
※分析時は、人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。

<実施概要>
調査手法    :インターネット調査
対象者        :15-79歳の男女1,442名
※分析時は、人口の性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。本資料掲載の数値はウェイトバック後のものを使用。
対象地域 :全国
調査時期 :2025年10月14日-15日
調査委託先:QO株式会社

<実施主体>
本調査は、企業のSDGsへの取り組みを支援する全社プロジェクト「博報堂SXプロフェッショナルズ」が実施しました。

●博報堂SXプロフェッショナルズ
SDGsの視点から、クライアント企業のビジネスイノベーションを支援する全社的プロジェクト。生活者価値転換のプロフェッショナルとして、サステナブルな取り組みを生活者にとって実感できる価値に転換・再設計し、クライアント企業のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を実現することを目指して活動を推進しています。マーケティング・ブランディング、コンサルティング、PR、ビジネス開発、研究開発、クリエイティブなど、SXに関する経験と専門性を持つ社員で編成され、企業の経済インパクトと社会的インパクトの統合に資するソリューション開発や経営支援、事業開発支援、マーケティング支援などを行い、これからの持続可能な社会を支える次世代ビジネスモデルの創造に貢献していきます。
https://www.hakuhodo.co.jp/sxp/

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