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ヒット習慣予報 vol.205『くらしボックス@ステーション』

2022.02.08

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの武藤です。

寒い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私はというと最近は、おしゃれに気を遣わずあたたかさや機能性の高い洋服ばかりを好んで着ているように思います。
先日出社した時も同僚に「あれ?なんだか服装がラフになったよね?」と指摘され、「あ、ちょっとラフすぎたかなー」と反省したのですが、やはり通勤途中の冷たい風には勝てず、デザイン性よりも機能性を選んでしまいます。

ところで、そんな通勤途中の駅構内通路などで最近よく見かけるようになったのが「ボックス型シェアワークスペース」。駅構内のありとあらゆる場所に設置されており、実際に利用されている方もどんどん増えているのではないでしょうか。
ではここで実際にどれくらい話題になっているのかについて、検索ワードを「ワークスペース」とし、Googleトレンドを見てみましょう。
やはり上昇傾向にあり、注目を集めていることがわかります。

出典:Googleトレンド

広い構内に続々と登場しているボックス型シェアワークスペースは、web会議やパソコンでの作業などができるボックスで防音性に優れており、限りなく人との接触が少なくて済みます。今のこの社会情勢ではなるべく非接触を求められる傾向にあり、リモートでの勤務も増えています。そういった中で、作業や会議に周りに気を使わず集中できるワークスペースへのニーズが高まっている表れではないかと考えます。

そして他にも私たちのくらしを便利にしてくれそうな、さまざまなボックスを駅構内通路にて発見したので、今回のテーマを「くらしボックス@ステーション」と名付け、他にはどんなボックスがあるのかを見ていこうと思います。

2つ目の事例は「なんでもお届けボックス」です。
さまざまなお届けボックスがあり、大手通販サイトや百貨店、スーパー、郵便書留などの商品受け取り専用ボックスや、宅配便を受け取る・送るの2種機能を備えたボックス。
中でもおどろいたのが「生鮮食品」のお届けボックスです。鮮度が命の生鮮食品をボックスに入れて受け取るってちょっと前だったら考えられなかったように思います。通勤時に駅を利用する消費者が出社前に注文。すると、作り手から発送された生鮮食品を最短でその日の帰宅時に受け取って帰れる。駅から家までの帰り道にスーパーがない私の場合、遠回りしてスーパーに寄る手間が省けるのでとても便利だと思いました。

そして3つ目の事例は「ベビーケアボックス」です。
室内は明るく清潔感がありコンセントも完備。抗菌加工されたソファでは授乳や離乳食、おむつの交換、休憩などに使え、備え付けのモニターでは利用経過時間や子育て情報が表示されます。完全個室だからこどもが急に泣き出したとしても周りの目を気にしなくて済みます。そしてもちろん男性も使用できるので男性だけでは授乳スペースに入りづらいという悩みも解決できます。実際に使ってみたユーザーの投稿をSNSで見てみると「本当にありがたい。立ったまま授乳するときもあった」「もっと多くの駅に広がるとうれしい」「めちゃくちゃ充実してる…快適すぎる」などの投稿があり、とてもニーズが高いことが予測されます。

さて「くらしボックス@ステーション」の事例を見てきましたが、ではなぜ駅構内にさまざまなボックスが増えているのでしょうか?

冒頭にも申しましたが、それはやはり限りなく非接触であるというところに大きな一つの理由があるように思います。今の社会情勢で非接触=安心という消費者インサイトがあるからではないでしょうか?
そして他には、「ついでにできる手軽さ」にあると思います。
都市近郊にお住まいの方は、通勤、通学、休日のお出かけ等、圧倒的に駅の利用頻度が多いと考えます。駅をくらしで行うさまざまなやり取りの中心にすることで、人々のくらしがスムーズに便利になれるような社会の変化が生まれてきているのではないかと感じます。毎日のように駅を利用する、駅に通う中で「ついでにできる」から利用しやすいし、使ってみたいという思いだけにとどまらず実際に「利用する」という行動に移しやすくなっているのではないでしょうか。

ではここで駅構内に設置できそうな「くらしボックス@ステーション」のビジネスチャンスを考えました。

「くらしボックス@ステーション」のビジネスチャンスの例
■野菜栽培ボックス」LED照明を使用し野菜を育てて新鮮な野菜をその場で販売。
■「習い事専用ボックス」英会話やバイオリン等楽器の練習などを目的としたボックス。
■「個室コインランドリー」お茶をしながらくつろげるコインランドリー。
など

上記事例の他にも昨年、駅構内にカラオケボックスが設置されたということです。電車の待ち時間に、帰りがけのストレス解消に1曲歌ってみるのもいいかもしれないですね!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

武藤こずえ(むとう・こずえ)
ミライの事業室
ヒット習慣メーカーズ メンバー

旅、映画、音楽が大好き。
初詣に神社へいってお守り・お札を頂いてきました。その神社はその年の定められた恵方に向けて、冬至、大晦日、節分のいずれかの深夜0時にお祀りすると良いと言われており、私は大晦日にお祀りしたのですが、いつもより納得のいくお祀りができたので2022年はいいことがあるのではないかと期待しているところです。

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