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広告メディアビジネスの次世代型モデル”AaaS”とは
〜イノベーションを支える仕組みと方法について
【後編】AaaSを支えるデータ基盤とは/データ基盤を活用したテレデジのモニタリング&運用サービス

2021.07.01
#AWASIA#テクノロジー#生活者データ・ドリブンマーケティング

アドバタイジングウィーク・アジア2021 博報堂DYグループセミナーレポート

今年で6度目の開催となったアドバタイジングウィーク・アジア。新型コロナ感染予防の観点から、An Immersive Digital Experienceと題したオンラインイベントとして5月27日に開催(※)されました。社会の情勢に伴い、変化を求められるマーケティング・コミュニケーション業界において、示唆に富んだ多彩なセッションが繰り広げられました。
後編では、前編の博報堂DYメディアパートナーズの安藤元博常務執行役員によるAaaS概要の説明を受け、藤本 良信メディアビジネス基盤開発局長、小山 裕香BIソリューション開発部長がAaaSのデータ基盤、具体的な取り組みについてそれぞれご紹介します。

※9月にリアルイベントとオンラインイベントのハイブリッド形式開催も予定しています

スピーカー
藤本 良信
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局長

小山 裕香
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局 BIソリューション開発部長

AaaSを支えるデータ基盤とは

藤本
『AaaS』を支えるデータ基盤についてご紹介する前に、これまでのデータ基盤の課題についてご説明します。
これまでもメディアビジネスデータとして様々なデータが存在し、活用されてきました。
テレビでは購入広告枠のデータや視聴率関連のデータ、さらに調査データではないログベースの視聴ログデータが活用されてきました。また、デジタルでは媒体社ごとの出稿実績データなどがレポーティングに活用されています。テレビとデジタルを横断してプラニングするときは、テレビとデジタルを横断して調査されたデータが活用されます。ただし、データはあっても、その活用の幅を広げたりスピードアップするためには大きな課題が存在していました。
テレビのデータにおいては、データごとに集計や分析するシステム環境が異なり、横断して集計や分析をしようとすると、データを個別に抽出して手作業で紐づけ、集計分析する必要があります。テレビデータは非常に種類が増え、それに伴いデータ環境がサイロ化し、横断した集計や分析がしにくい、という課題がありました。

デジタルにおいては出稿実績レポートを作成しようとすると、媒体社ごとの実績データをダウンロードしたり、抽出したりして個別に紐づけを行ってキャンペーン単位のレポートを作成する必要があります。個別作成の積み重ねは、非常に多くの時間を要します。
デジタル内・テレビ内だけでもデータが紐付いていなかったわけですから、当然テレビデータとデジタルデータを紐付けて見ることも容易ではありません。デジタル広告が増えていく中で、テレビとデジタルの統合管理のニーズは、確実に増えてきていると認識していますが、統合管理は多くの手間がかかる。また、テレビとデジタルを横断したプラニングを実施し、計画は立ててみるものの、バイイングとの粒度の違いから、バイイング結果がプラニングに対してどうだったのかをモニタリングしにくい環境にあり、プラニングとバイイングの乖離に気がつくことができなかったり、統合した管理がしにくいという状態にありました。
データが存在していても、データベース上で紐づいていないために膨大な作業が発生したり、手作業ではデータの紐付けが不可能な環境だったりと、困難なことが多かったのです。

そこで我々は、まず『AaaS』を支えるデータ基盤を構築しました。
『AaaS』を支えるデータ基盤の核は、分断されたデータが紐づいた状態になっている統合メディアDWHと、この統合メディアDWHの活用環境を提供するシステム基盤になります。
分断されたデータ環境を統合することによって、同一環境下で複数のデータを横断した集計と分析が可能になり、データ活用の幅が広がります。
新たに構築したシステム基盤と、統合メディアデータウェアハウスによってメディアビジネスのプロセス(プラニング・バイイング・モニタリング)が同一環境下で接続可能になる。
これが『AaaS』を支えるデータ基盤がもたらす進化です。
ただ繋がるだけではなく、バイイングに直結するプラニングを可能にし、業界最速でのモニタリングにこだわり、施策に反映させやすいデータの粒度を追求しています。
また、モニタリングからプラニングに反映させるプロセスにおいて、同一環境下だからこそ、同一の指標で明確に管理しながら再度、プラニングしていくことも可能になります。
これらのプロセスが同一環境下で提供されることにより、効果追求の実施力が高まり、それを支える「スピード運用」を実現していきます。

AaaSを支えるデータ基盤は、「テレビスポットとテレビタイムのバイイングデータ」「テレビのプランニングやメジャメントデータ」「デジタルの実績やメジャメントデータ」「デジタルクリエイティブデータ」「テレビとデジタルを横断するプラニングデータ」「博報堂DYグループの強みである多様な生活者データ」
「その他のサードパーティデータ」が同一環境にあり、データにAI等を活用したオリジナルのアルゴリズムでシミュレーションや予測をする機能や、データを成形して提供するAPIを用意したシステム基盤となっています。
利用ユーザーやシーンに合わせた提供が可能です。
オリジナルのユーザーインターフェースのツールで集計や分析をする。またシミュレーションが可能なのはもちろんのこと、多様なBIツールのダッシュボードでの可視化や、他社のシステム、クライアントの環境にデータフィードすることも可能です。
さらにその利用環境において広告主のファーストパーティーデータと連携した活用も可能になります。

AaaSを支えるデータ基盤は、データの拡充や更なるスピードアップ、新しいアルゴリズムの搭載など、今後もさらに進化していく予定です。

データ基盤を活用したテレデジのモニタリング&運用サービス

小山
データ基盤を活用したサービス、「Tele-Digi AaaS」についてご紹介します。
『AaaS』のサービスはレイヤーごとに、広告評価指標に応じた様々な運用サービスが存在します。
今回はリーチとフリークエンシーをベースに、テレデジのモニタリング・運用を実現する「テレデジAaaS for リーチアンドフリークエンシー」についてご紹介します。

KPI起点のテレビ・デジタル統合運用を成功させるには「Always Onで常時接続する覚悟」
「テレビとデジタルの評価指標を統合する技術」
「2つのメディアを運営する力」この3つが必要と考えます。
1つの解として「Tele-Digi AaaS for リーチアンドフリークエンシー」を開発しました。
テレビCMとデジタル広告の統合リーチとフリークエンシーを最速で計測し、ダッシュボードでモニタリングできるソリューションです。統合リーチ及びそれぞれのメディアプランの確定後、出稿期間中に目標の達成度合いに応じてプランを見直すことが可能になります。そして、期中のプランの見直しのために、テレビCMとデジタル広告それぞれのメディアチューニングを行うためのダッシュボードを広告主それぞれのKPIに合わせてカスタマイズし設計します。
さらに広告主ごとに担当する広告会社を横断してデータを集約することでキャンペーン全体を俯瞰し、プランを検討していただくことができます

ダッシュボードのメインビジュアルでは、統合リーチの目標に対する進捗を、最速で出稿の3日後に把握することが可能です。テレビ・デジタルのリーチの目標に対する進捗、ターゲット別と掘り下げていき、リーチ未達成の場合の原因を分析をした後にテレビ・デジタルそれぞれのメディアプランのチューニングを行うページに移行します。

デジタル広告のPDCAを行うページには大きく2つのポイントがあります。
1つ目はキャンペーンに関わる全ての広告会社が扱う媒体がこのダッシュボードに搭載されるという点です。どの指標をメディアの評価に使っていくかを議論し、カスタマイズした画面を設計します。
2つ目はDAR経由で、リーチ系の指標を評価に取り入れられるという点です。リーチ、オンターゲット率、CPM、テレビとの重複率といった指標で、効果を比較できます。デジタルクリエイティブについても実際の素材とともに、出稿翌日には確認いただけるので、制作担当の方と速報を見ながら会話していただくことが可能です。

<デモ画面>

テレビのページではビデオリサーチの速報が出稿翌日には取得でき、発注に対するアクチュアルの取得率をご覧いただけます。テレビについても広告主の評価指標に合わせてカスタマイズした画面を設計させていただきます。このダッシュボードを使うことで具体的なアクションがとれるようになります。

このソリューションを支える2つの技術の特徴についてご紹介します。

1つ目はデータの収集、成形・可視化まで一気通貫で対応可能なセールスフォース社のDatorama(デートラマ)を基盤として採用していることです。
特にデータ取得においてAPIほかコネクター機能が豊富に取り揃っており、ビデオリサーチやニールセンからのデータをシームレスに連携することが可能です。また、柔軟に外部連携できる機能を活用して、我々の計算環境へのデータ受け渡し環境も開発しました。データホルダーからのデータ提供のタイミングから、瞬時に可視化まで自動で実行することが可能です。
2つ目は統合リーチの推計ロジックです。
テレビ・デジタルの統合リーチの計測には、シングルソースパネルの調査を用いることが多いのですが、媒体カバレッジが非常に広く、代用性のある、ビデオリサーチとニールセンDARを採用し、それらのデータを統合する独自技術を開発しました。この技術を用いることで、シングルソースでの調査時に課題となることがあった計測可能なデジタル媒体のカバレッジ、データの取得タイミング、サンプルの問題を解決できるようになります。こちらは、弊社オリジナルのロジックで特許を取得しています。

この2つの技術がないと実現できない博報堂DYグループにしかご提供できない仕組みとなっています。

また、導入効果については、以下の2つが考えられます。
1つ目は、統合KPIを用いた新しいマス+デジタル運用ができるという点。
キャンペーン終了後ではなく、ライブでご判断いただくためのKPIフレームワークをアクションまで分解して設計いたします。認知促進を目的とするマーケティングファネルにおけるアッパー層向けの施策運用について、目標達成測定が難しいという課題がありましたが、リーチをKPIとすることで判断基準が明確になります。
2つ目は、アクションの脱俗人化です。
メディアチューニングの経験が浅いメンバーでも指標の見方や判断基準に個人差が出ないダッシュボード設計を行い、アクションフローなどのマニュアル化も行います。ダッシュボードの活用の定例会議を開催させていただき、経験が必要だった判断についてのドキュメント化などもサポートいたします。

BIを通じて、常時接続環境をつくり、独自の統計モデルでテレビとデジタルのデータを最速で統合していくことで、テレデジの広告効果をモニタリングし、チューニングして運用していく。結果、広告効果を最大化するともに、チームの働き方自体も改革することにつながっていきます。

Always Onで判断できる環境変化に伴い、初期プランニングの価値が相対的に低下し、「運用力」が問われる時代になってきました。是非この『AaaS』のソリューション群を通じて、みなさまのマネジメントの変革をサポートさせていただければと存じます。

藤本 良信
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局長

小山 裕香
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
メディアビジネス基盤開発局 BIソリューション開発部長

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