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ヒット習慣予報 vol.95 『カーシェア空間』

2019.11.12
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの武藤です。
11月に入り冬が感じられる陽気になってきました。ハロウィンが終わり、来月はクリスマスです。みなさんはどんなクリスマスを計画されているでしょうか。

先日、ラジオを聞いていると、ハロウィンイベントに参加した人の話があったのですが、その中で「ハロウィンのコスプレ衣装に着替えるため、カーシェアを利用した。」とのこと。「カーシェアが運転以外の目的で使われているのですね」とパーソナリティーが驚いていました。
私もとても気になったので、ネットやSNSを調べてみると、カーシェア本来の目的(旅行や送り迎えなどの移動手段)とは違った様々な目的で利用されていることがわかりました。
今回は、このとても興味深い話題をテーマに「カーシェア空間」として取り上げます。

カーシェアはレンタカーとは違い、10分数百円から借りることができ、コインパーキングやマンションの駐車場などを拠点とし、住宅街やオフィス街、駅近辺に多くあります。急に必要になった時など登録さえしておけば比較的簡単に確保でき、利用することができます。

「カーシェア」をキーワードにGoogleトレンドを見ても上昇傾向にあり、カーシェアの認知度も上がり、浸透してきていることがわかります。

出典)Google トレンド

ではここで、ハロウィンなどイベントの「着替え」以外のユニークな利用事例をご紹介します。

一番多かったのは「仮眠」です。昼食を食べたあと少しだけ眠りたい。など仕事の休憩時間を使って仮眠を取っている人や終電に乗り遅れたため始発まで仮眠を取るために利用していました。
他にも「カラオケ」「映画鑑賞」「WEB会議」「コインロッカー替わりの荷物置き場」「勉強」「読書」「赤ちゃんの夜泣きの避難場所」「夫婦喧嘩のクールダウン場所」「雨宿り」「授乳」「スマホの充電」「食事をする場所に困った時」「ゲーム」「待ち合わせ場所」などなど。多種多様な事例がありました。
なるほど。こんな利用の仕方があったのか!と今まで考えたこともないような事例の数々で驚かされました。

さらにコラムのきっかけとなったラジオのパーソナリティーは「台本を覚えるときにいいかもしれない」と話していましたし、「待ち合わせ場所」に関しては「猛暑の中で待つよりは涼しい空間で待っていたほうがいいよね。」という内容の投稿があり、「待ち合わせ場所」と「暑さを避ける」という2つの目的で利用されていました。

ではなぜ「カーシェア空間」が増えてきているのでしょうか。

一つは「人目を気にせず、思いっきりできる!」です。
事例を見てみると、「周りの目を気にしたくない」というユーザーインサイトが見受けられ、利用者は周りを気にしなくて済む居場所を求めていることがわかります。カーシェアの拠点は現在1万拠点を超えていて、コンビニエンスストアの数に追いつきそうな勢いがあります。しかもコンビニエンスストアがまばらになる住宅街でも駐車場やパーキングは多数あり、そこにカーシェア拠点が存在するケースがあることから、24時間いつでもどこでも短時間の使用が可能なので利用しやすく、スマホなどの操作で手配も簡単なため、気軽に少しだけでも借りられるからではないかと考えます。
さらに、車中ということで「誰にも邪魔されず、集中できる」という利点も兼ね備えているため、恥ずかしさが薄れたり、我に返れたり、物事がはかどるからではないかとも考えられます。

このように、さらに拡がっていくことが予想される「カーシェア空間」のビジネスチャンスを考えました。

◎「カーシェア空間」のビジネスチャンスの例
■カーシェアWi-Fi使い放題付きプランの提供。
■数回利用ごとにサービスとして、カーシェア拠点近くの自動販売機から好きな飲み物を1本プレゼント。
■子育て家族 割引プランの提供。
など。

コラムを書いていたら、昔よくドライブをしながらノリノリで歌を歌っていたことを思い出しました。
私はイベントに行っても仮装とかしないタイプなのですが、今年のクリスマスはカーシェアして、こっそりライトに仮装してみようかな?なんて思いました。

武藤こずえ(むとう・こずえ)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

旅、映画、音楽が大好き。
月に一回、温泉に入ることを実施中!
今年の目標は「やってみたい!と思ったら即行動」です。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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