
本稿では2023年11月21日〜26日に開催された「湘南国際村 北斎 DX CONFERENCE 2023」のセッションにて、博報堂メンバーが登壇した「生成 AI が創る新しい世界」の模様をお届けします。
加藤利基
株式会社SAMURAI ARCHITECTS 代表
柏原平志朗
株式会社博報堂 アクティベーションディレクター

AI北斎-新三浦十景-「湘南国際」
凛と構える湘南国際村。相模湾越しにそびえる富士。 湘南の息吹に包まれて、北斎が描いた歴史と革新の融合が、この新時代の風景に色を添える。
画像提供:湘南国際村事業発信強化委員会
柏原
株式会社博報堂のアクティベーションディレクター、柏原と申します。
現在広告制作の現場で生成AIにどのようなことができるかご紹介したいと思います。
たとえば「果汁100%の甘酸っぱい飲み口のオレンジジュースのCMをつくりたい」と指示すれば、テキスト生成AIが CMの脚本をつくり、画像生成AIが絵コンテをつくり、おおよその完成イメージまではパッと仕上げてくれるという状況です。もちろんそれで完成というわけではなく、あくまで叩き台の状態ですが、AIがつくったものをベースに議論してブラッシュアップする、ということができる状況にはなっています。
また、プロモーション戦略を定めるためにグループインタビューを行いたいとき、ペルソナを仮定し、そのペルソナに応じた回答をしてもらうことも可能。簡易的なリサーチや戦略づくりにも役立てることができます。
今日は、普段からこのようにAIを活用している広告クリエイターの視点でお話しできればと思います。
加藤
AI×建築デザインという領域で活動していますSAMURAI ARCHITECTSの加藤と申します。弊社が提供する「Rendery(レンダリー)」というサービスでは、たとえばリノベーションの際、画像生成AIを使って既存の内装写真から希望のイメージに沿った空間デザインを即時に作成することができます。さらに「Instagramで見たこのアイスクリームの画像のようなイメージにしたい」といった、空間以外のイメージから空間デザインを生成することも可能。こういったAIを活用することで建築や街づくりを民主化することをテーマに活動しています。
今回の「北斎 DX CONFERENCE」では、AI北斎というものを作成しました。AIに富嶽三十六景を学習させ、現在の風景を北斎が描いたらどうなるかを模索する試みです。
ここからは柏原さんと「生成AIの未来」というテーマでお話ししていきたいと思いますが、いま、人間の仕事がAIに奪われてしまうのではと危惧されている方も多いかと思います。そのあたりどうお考えですか?