コネクテッドTVにおけるデジタル動画メディア利用状況レポート2025

テレビ全体のビジネスアップデートによる価値の最大化を目指す「TV AaaS Lab」では、テレビ価値向上につなげるべく、様々な活動を行っております。活動の一環として、放送局のセールス支援や新たな商品開発の実現に向け、注目すべき様々な市場の研究・分析を実施しております。

近年、コネクテッドTVの普及が広がっていることを受け、TV AaaS LabでもコネクテッドTV市場について最新情報を収集する取り組みを実施しております。
今回は、株式会社ビデオリサーチの「STREAMO」を活用し、生活者がコネクテッドTV上でどのようにデジタル動画メディアを視聴しているのか?について分析しました。本稿では、トピックスの一部をご共有いたします。

<分析概要>
・データソース:株式会社ビデオリサーチ STREAMO
・分析対象期間:2024年4月-2025年3月
・分析エリア:関東
・分析デバイス:コネクテッドTV
・分析対象のデジタル動画メディア: TVer、Amazon Prime Video、YouTube、Netflixなどの動画配信プラットフォーム

若年層の方がコネクテッドTVを視聴する環境が備わっている

個人全体では約74%がコネクテッドTVを利用できる環境となっています。M3(男50歳以上)、F3(女50歳以上)層と比較すると、M1(男20-34歳)、M2(男35-49歳)、F1(女20-34歳)、F2(女35-49歳)層の方がコネクテッドTVを利用できる割合が大きくなっております。
また、Child(男女4-12歳)やTeen(男女13-19歳)におけるコネクテッドTVの普及率が高いことから、子どもがいる世帯のコネクテッドTVの普及率も高いことも推察されます。

コネクテッドTV上でデジタル動画メディアを視聴する割合は、属性によっては50%を超える

コネクテッドTV上でデジタル動画メディアを視聴する割合は月平均で、40%程度(個人全体)となっています。各属性(性年代区分)に目を向けると、Child、M2、F1、F2層では、コネクテッドTV上でデジタル動画メディアを視聴する割合が50%を超えており、デジタル動画メディア利用が活発な属性であることがうかがえます。

F2が1日当たり最も長時間、コネクテッドTV上のデジタル動画メディアを利用している

動画1分以上利用者を調査対象とした、1日のコネクテッドTV上でのデジタル動画メディアの平均利用時間は、個人全体で、57.2分。
各属性別で見ると、F2がトップで78.5分、Teenが最も短くて37.7分と属性間の利用時間の開きが大きくなっています。Childに目を向けると、利用時間が61.4分と全属性の中で2番目に視聴時間が長くなっています。
また、M1、M2、M3で平均利用時間に大きな開きがなく、コネクテッドTVの普及率やデジタル動画メディアの利用割合と、平均利用時間に大きな関連性がないことが考察されます。

コネクテッドTVのデジタル動画メディアは、生活者の余暇時間帯に見られやすい

平日のゴールデンプライム帯(19-23時帯)と土日は、コネクテッドTVでのデジタル動画メディアの平均利用時間が長い時間帯となっています。これらの時間帯での利用傾向が強いことから、デジタル動画メディアの利用は生活者の余暇時間での視聴が多いことが推察されます。

デジタル動画メディアの共視聴人数は、朝帯や生活者の余暇時間に多くなる

共視聴とは、一台のTVを複数人が同時に視聴することを言います。朝帯・GP帯・土日が共視聴人数の多いタイミングです。
学校や会社に行く前、帰宅後、休日などTVが点いている時間において、コネクテッドTV上でのデジタル動画メディア視聴も活発になっています。

まとめ

今回は、コネクテッドTVでのデジタル動画メディア視聴の視聴状況についてご紹介いたしました。
コネクテッドTVでのデジタル動画メディア視聴や、1日の平均視聴時間については若年のスコアが高い傾向にあります。
各属性に目を向けると、Child層は、コネクテッドTV上でデジタル動画メディアを利用する層が大きく、視聴時間も長く、コネクテッドTVとの相性が良い属性であることがわかりました。
TV AaaS Labとしましては、今後もコネクテッドTVをめぐる市場や生活者の動向について調査・研究を継続することを考えておりますので、ご興味をお持ちの方や共同で研究されたい方はお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

なお、株式会社ビデオリサーチの「STREAMO」のサービスサイトは以下のようになっております。
https://www.videor.co.jp/service/media-data/streamo.html

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

博報堂 AaaSビジネス戦略局

TV AaaS Labコンサルタント

新井陽太(ARAI YOTA)

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