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博報堂Pechat開発チーム・博報堂こそだて家族研究所・LITALICO発達ナビ 「ASDと子育て実態調査」結果発表
第一弾「ASDへの理解ギャップ」編

2020.03.26
#こそだて研#リサーチ

株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の次世代育児アイテムPechat開発チームと博報堂こそだて家族研究所は、学習塾や障害児支援事業を行う株式会社 LITALICO(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川敦弥)と共同で、ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム)※1の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や、周囲の支援のあり方を把握するため、「ASDと子育て実態調査」を実施しました。今回は第一弾の調査結果として「ASDへの理解ギャップ編」と題し、ASDの診断や傾向のある子どもを持つ保護者と典型発達の子※2を持つ保護者のASDに対する認知・理解の実態とそのギャップについてご報告いたします。

なお本日より、三者共同でASDの実態や子育てのヒントを研究・発表するWEBサイト「教えて!はったつ博士」(http://h-hakase.jp/)を公開しましたので、調査結果とあわせてご活用ください。

〈調査結果のポイント〉

  • 0~22歳までの子の中で、「ASDと診断された子」は2.3%(推計60万人)、「グレーゾーンの子※3」は、5.4%(推計138万人)。合計すると、約13人に1人という割合に。
  • ASDと診断された際の年齢は、2~3歳が特に多く、全体の約4割を占める。
  • 気づいたきっかけとして多いのは「発語の遅さ」や「医師・専門家の指摘」「パニックを起こす」など。
  • ASDの名称認知は、「典型発達の子」の保護者でも約8割と高水準だが、詳細理解度では約6%と低い。
  • 「ASDと診断された子」の保護者の約半数は「世の中から正しく理解されていない」と感じている。
  • ASDについて「知る・学ぶ機会がほしい」と答えた人は、「グレーゾーンの子」を持つ保護者が32.7%と比較的高め。
  • ASDの特性に対する理解内容のギャップを分析すると、医学的な知識のほか、周囲の対応方法に関する知識を広めることの重要性がうかがえる。

※1)ASD(自閉症スペクトラム):「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続しており、症状や特性は一人ひとり多様です。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではありません。最近では、 ニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっています。

※2)「典型発達の子」:自閉症スペクトラムやその他の発達障害の疑い圏にいない子。NT(神経学的典型: neurotypical)という分類が由来。

※3)「グレーゾーンの子」:医療機関での診断はないが、ASDの疑いがあると保護者が感じている子。

〈調査概要:ASDと子育て実態調査①〉
調査手法:インターネット調査
調査エリア:全国
調査時期:2020年1月
調査対象者:20~60代男女(N=13,262)
-ASDと診断された0~22歳の同居子を持つ保護者(N=440)
-ASDの診断はないが、疑いがある(グレーゾーン)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=988)
-ASD以外の発達障害の診断や疑いのある0~22歳の同居子を持つ保護者(N=523)
-ASDやその他の発達障害の診断や疑いのない(典型発達)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=11,311)

≫調査レポートはこちらをご覧ください

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