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【ZOOM Inc. ~ Group Company Profile ~】VOL.4 博報堂マグネット -ファッションに対する高い感度と確かな実行力で、あらゆるソリューションを提供していく

2017.02.16
#グループ会社
現在博報堂の国内グループ会社は50社を超えます。本連載では、多種多様な専門性と強みを誇る各社に直接おもむき、キーパーソンを直撃。それぞれの事業の特長や会社の魅力、博報堂グループの一員としての今後の展望などについてうかがっていきます。

第四回は、ファッション広告を中心に、さまざまな経験と知見、豊富なネットワークを生かした統合的ソリューションを提供している博報堂マグネットをご紹介します。

写真左から 営業本部/ウェブプランナー 難波拓矢、営業本部 中井彬子、執行役員 営業本部 営業推進部 部長 内田誠

まずは内田誠執行役員に話を伺いました。

雑誌を軸足に、全方向でのソリューションを展開

博報堂マグネットの設立は2008年です。以来、ファッション、アクセサリー、コスメティック関連業界のクライアントを主な対象に、コミュニケーション領域のソリューション提供を中心に事業を展開しています。年々事業領域は多様化しており、現在は通常の媒体買い付け業務やタイアップ広告はもちろん、イベントの運営・プロデュースから、デジタル施策、ブランディングまで、あらゆる事業課題に対する統合的ソリューションを提供しています。最近の事例としては、ブランドのイメージやメッセージを伝えるためのクリエイティブ開発や新規ブランドのコンセプト開発などの本質的な案件から、ファッションと非常に親和性の高い「インスタグラマー」と、デジタルテクノロジーとイベントを掛け合わせた体験型・参加型プロモーションのプロデュースといったかなりプロモーショナルな案件まで、様々な提案を行なっています。またこれまで築いてきたリレーションをベースに出版社と共同で新たなサービスの開発を行うといった展開を行なうこともあります。伝統的に「ファッション」といえば「雑誌」と思われがちですが、変化の激しい環境のなかで必要とされるソリューションは常に更新されていきます。そうした時代にあって、現在の時流に合ったクライアントにとって最も効果的なソリューションは何かを考えるのが我々の使命だと思っています。そのためには「手段を選ばない」コミュニケーションが必要だと思っていますが、一方で「ファッション」に「雑誌」というメディアが「効く」ことはまだまだ実感として確実なので、この組み合わせを最大化することが実は重要なのではないかとも考えています。そういう意味で、「雑誌広告」領域での豊富な経験と「手段を選ばない」様々なコミュニケーション手法を融合させることができることは、我々の大きな強みであると言えるかもしれません。

「感度」を高めるため、可能性を伸ばすために必要な“学び”

社員は現在45人ほど。ほとんどが中途採用者です。広告会社出身者が多いですが、ファッション業界や出版社を経験してから来た人もいます。この業界特有かもしれませんが、人としても企画を立てるにしても、いわゆる「感度」が求められます。要はカッコいいかカッコ悪いか、かわいいかかわいくないか、イケてるのかイケていないのか、が直感的にわかる感度。なかなかうまく言語化しにくい基準なのですが(笑)、長くこの業界にいると肌感でわかってくるものです。一見とても優れたプランニングであっても、それがいくら綿密に練られたものであっても、クライアントとの「感度が合わない」と最適なプランニングとは思ってもらえません。広告やマーケティングの理論や理屈じゃ割り切れない最も難しい部分だと思います。この「感度」に関しては単純に教えて身につくようなものでもなくて、本人の「センス」も含めて肌で感じて自分で習得していくしかありませんが、社員を見ていると、業界内で開催されているレセプションやパーティー、クラブでのイベントなどに積極的に参加したり、美術展や各地で行なわれるアートイベントやそれこそ各ブランドが行なっている様々なイベントに足を運んだり、海外の洋雑誌や国内外の著名カメラマンの写真集をくまなくチェックしていたり、それぞれオリジナルな方法で「感度」を磨いていますね。また「ファッション」では「旬」であることも大切なので、最新の広告施策事例などを情報としてまとめて社内外にシェアするようなこともしています。陳腐に聞こえてしまうかもしれませんが「“カッコ悪い”と思われないプラン」を作るためには必要だし、そこは差別化のポイントにもなるので、会社としてもどんどん社員のバックアップをして行きたいと思っています。

マネジメントの点では、社員の志向性を踏まえた上で新たな可能性を広げていけるような環境をつくっていきたいですね。たとえば今だと英語力のある人材が求められることも多いのですが、英語力がありなおかつ当社やクライアントとマッチする人材を新たに探すというのは意外と難しいものです。だったらすでにいる社員でそこに「熱意」がある人を育てた方がいい。実際に呼びかけてみると「実は留学経験があって英語が少し話せます」とか「これから英語力を磨きたいと思っていました」などの声が上がりました。そこで2016年度は外部から講師を呼び定期的な英語のクラスを開催しています。他にも外部の方々に協力して頂いて「プランニング」を考えるためのゼミや「マーケティング」、「リーダーシップ」を考えるゼミなどをそれぞれ定期的に開催しできるだけ「学び」の機会を作るようにはしています。「学ぶ」ことは結局自分でしか出来ないことなので我々ができることは「機会」を提供することだけですが、新たな知識を獲得することで急激に成長する人もいますし、専門性が加わることで新たな役割を組織のなかで作って行こうとする人も出て来ています。それは会社を時代に合わせて多様化させるという視点からもとても重要なことだと考えています。

消費者のリアルな実態をつかみ、見極めていく

統合的なソリューションを提供するという点に関してはある意味「執念」をもってやっていますが、今後ますます必要なのは、そこでいかに本質的な提案をしていけるか、だと思っています。そのためには企画の面白さも大事ですが、それ以上に消費者を知る必要がある。「本質」を探るヒントは常に消費者の中にあるからです。消費者とはマーケティング風に言えば「ターゲット」ですが、ファッションは他の商材に類を見ない程に細分化された特殊なカテゴリーなので、個々のブランドとターゲットの関係について正確に把握することがかなり難しいですし、なによりもファッションを巡る消費者行動もわかっていそうで案外わかっていないのが実情だと思っています。これまでもこうしたことを少しでも把握する方法としてオリジナルの定量調査や定性調査などをやってきましたが、今後はさらに一歩踏み込んだ試みを行なっていきたいと思っています。そうした活動を通して消費者のリアルな実態を掴みインサイトを見極めていくことでしか我々は次には進めないと、大げさに言うと思っていたりします。

2008年につけられた社名の「マグネット」には、さまざまな関係性の真ん中で新しい磁場をつくっていきたいということと、「Magazine」と「Internet」の融合という意味がこめられました。これからも、ファッションというフィールドにおいて、雑誌、デジタル問わず、さまざまな施策をもって、会社の個性を出していけたらと思います。

***

自由と責任の両方を与えてくれる会社。担当が自分である意義を感じてもらえるような、全体を一貫して見られるプランナーを目指したい

「ありがとう」の言葉で苦労は報われる。そのために努力を続ける

続いて、営業本部 第1営業部プロデューサー兼営業推進部 ウェブプランナー 難波拓矢さん、営業本部 第2営業部プロデューサー 中井彬子さんにお話しを伺いました。

難波
僕はまもなく入社5年目になります。その前は店頭販促物に強みを持った代理店にいたんですが、もう少し川上で仕事がしたいと思い転職しました。その時はさまざまな業界の方とお仕事をさせて頂きましたが、ファッションだけは未経験だった。自分がもっとも知らない世界に、ぜひ飛び込んでみたいと思ったんです。それぞれの業界にトレンドや指標があると思いますが、ファッションの場合「イケてる、イケてない」という指標がある。入った当初はこの感覚を身に付けることが本当に難しいと感じました。社内にいるファッションに詳しい人に聞きながら、今も勉強中です。
現在、営業とウェブプランナーを兼任していますが、前職の時代に独学でウェブ広告を勉強していた程度で、もともとそこまでデジタルに詳しかったわけではありません。しかし良いタイミングが重なり、少しずつウェブプロモーションなどの仕事をさせていただくようになり、日々の業務の中で知見をためつつ勉強も続けていった結果、ウェブプランナーとしての仕事も任せてもらえるようになりました。僕みたいな若い世代にも自由と責任の両方を与えてくれるので、本当に若手を成長させてくれる会社だと思います。

中井
私は2016年3月入社で、今やっと1年経つというところです。前職ではヘアアクセサリーブランドの営業をしていました。どちらかというとクライアント側にいたわけですが、仕事をする中で広告への興味が湧いてきて、思い切って転職しました。たまたま英語が話せたので、現在国内だけでなく外資系のクライアントも担当させていただいています。難波も言ったような、ファッション特有の「イケてる、イケてない」問題には私もよく直面します(笑)。女性として一般的なファッションへの興味はあって、かわいいかどうかという感覚は人並みにはあると思うんですが、その感性をぐっと高めていかないといけない。そこは課題だなと思います。でも不安な時にいろいろと相談にのってくれる先輩がいるので、一人で悩みを抱えるということはないですね。
まだ慣れないことも多く、正直いっぱいいっぱいなところもあります(苦笑)。昨年末のイベントで外資系企業の本社とやり取りをしていたときは、連日かなりの量のメールが届き、必死になって英語を読み解いては返信するということを続けていました。でもイベント終了後に、「ありがとうございました」というお礼のメールをクライアントのトップの方からいただいたときは、とても嬉しかった。苦労が報われた感じがしました。

難波
やっぱり感謝の言葉をかけてもらえるのが一番嬉しいですよね。本当に、心の底からの「ありがとう」を言ってもらうために、いまウェブやファッション・コスメの勉強も続けているし、提案を考えているという気がします。

中井
私の場合、とりあえず今は早く一人前に仕事ができるようになりたいですね。それからせっかく社内でも英語の勉強をさせていただけているので、機会があればどんどん英語を活かして、次の仕事に繋げていきたいなと思っています。

難波
僕は営業としてもウェブプランナーとしても、マグネットだからこそできる提案等、クライアントにとってのマグネットの存在意義が高まるようなことができるようになりたいです。あとは、サイトの分析からアウトプットまでを一貫してできるようなプランナーを目指したいですね。制作案件からブランドサイトのリニューアル、雑誌以外のメディア広告など……仕事の領域はどんどん広がっていますが、クライアントが抱えている課題をしっかりと見て、様々な選択肢から最適解を組み立てられる存在になれたらなと思います。


会社概要
社 名  :株式会社博報堂マグネット
創 業  :2008年6月10日
所在地  :東京都中央区銀座5-9-8 クロス銀座ビル9F
代表者  :代表取締役社長 岡田聡志
事業内容 :ファッション・アクセサリー・コスメティック関連業界の得意先を対象とする広告業務

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