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2019年 社長年頭所感

2019.01.01

株式会社博報堂
代表取締役社長 水島正幸

生活者の変化の兆しを捉え、 新しい価値をデザインする会社へ

あけましておめでとうございます。
デジタルテクノロジーの進化の波は、2019年もあらゆる産業に押し寄せ、さらに変化が加速する一年になっていくと思います。
米国や中国を訪れるたびに、その変化の速さに驚かされます。中国の都市部ではスーパー、コンビニエンスストアでの支払いはもちろん、路上での寄付、さらに個人同士の割り勘も、電子決済が使われています。すでに、顔認証の無人コンビニや静脈認証の自動販売機も普及しています。この「社会の風景」の変化には驚くと共に、ビジネスとしての無限の可能性を感じます。この変化の波は、日本にも押し寄せてきます。スマートフォン、スマートスピーカー、スマート家電。AI活用、IoTの拡張などデジタルテクノロジーが進化し、社会の風景も変わってきています。
一方で、「人間にしかできないこと」も見えてきています。それは、「新しい価値を創りだすこと」です。新しい価値を創りだすには、デジタルテクノロジーだけではなく、人間の発想から生まれたアイデアを掛け合わせることが必要となります。マーケティングのデジタル化は、最適なターゲットを見つけ出し、効率性を高めたベストプラクティスを作り上げます。しかしそれだけでは、生活者の新たな「欲しい」は見えにくいのではないでしょうか。
2019年、博報堂は、「生活者の変化の兆しを捉えて、新しい価値をデザインすること」にチャレンジしていきたいと思います。

「新しい価値をデザインする」にあたり、私たちには培ってきた強みがあります。
その一つは「生活者の変化の兆しをいち早く捉えること」です。1981年に生活総合研究所を立ち上げ、多様化する生活者への深い洞察を続けてきました。2014年からは、生活者を24時間×365日まるごと捉える「生活者データマネジメントプラットフォーム」を構築し、データも駆使しながら、より深く広く生活者を知ろうと努めてきました。

もう一つは「クリエイティビティによって、人の心を動かすアウトプットを創ること」です。それは生活者に「ワクワクした、ドキドキしたもの」をもたらすことです。我々が生み出すアウトプットは「広告をつくる」を越えて、商品開発、事業戦略、人材育成、経営戦略などへと拡がってきました。企業や自治体のみなさまと共に、既存事業のさらなる成長に向けた取り組みや、新サービスの開発などに取り組んでおります。

また博報堂では「新しい価値のデザイン」を担う人材を育成するために、異なる個性やスキルを持った社員が、それぞれ違う輝き方をする「粒ちがい」になることを支援してきました。そしてその粒ちがいの人材たちがクリエイティビティを発揮するための「チーム文化」を大切にしてまいりました。

博報堂が「新しい価値のデザイン」で皆様に貢献できるようになるために、これらの強みをさらに磨きをかけていきたいと思います。

デジタルテクノロジーの進化や、SDGsが示す社会課題への取り組みが進む中、日本でも世界でも、社会の風景は急速に変化しています。その中で、私たち博報堂は、生活者の変化の兆しをいち早く捉え、新しい価値をデザインすることで、生活者と企業と社会のかけ橋となることを目指して活動してまいります。

2019年もどうぞご期待ください。

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