深谷 信介
スマート×都市デザイン研究所長 / 博報堂ブランドデザイン副代表 / 博報堂ソーシャルデザイン副代表

地下街は、どうも苦手だ
いろいろな案内板を見ながら動いても、行き先がすぐわからなくなる
スマホで位置情報を頼りにしても、地下だといまいちリアルタイムで動かなくなったりして、これも困ってしまう

やっぱり外が一番
ちょっと日差しがきついけれど・・
地下の迷路から地上に出ると、思いのほか空が小さく見えた
テレビ塔は? お城は? 百貨店は?
目印になるものが、ない。いや、みえない。
碁盤の目のように区画整理されているのに、じぶんがいまどこにいるのか?確信が持てない。そんな地上の迷宮、ここは栄のとある交差点。

<写真1|ナゴヤ栄のとある街角、道が広い!>

首都圏と阪神圏に挟まれ、独自の文化や産業を生み出し続けるまち、ナゴヤ。
あれっ、ナゴヤって地方じゃないでしょ
なんてたくさん突っ込みを受けそうですが、いわゆる地方だけではなくて、大都市もわたしトコトコッするんです

なぜって?

地方じゃなくて、地域と向き合っているから
首都圏だって、阪神圏・九州博多圏だって、ここ中京ナゴヤ圏だって、ひとつの地域、みんな一緒。
なにより、課題はいわゆる地方よりも山積みなんじゃないか?と、最近よく思うのです

<写真2|大ナゴヤツアーズ>

大ナゴヤツアーズ
なんかおもろいタイトルにつられて、珍しくまち歩きイベントに参加してみることにした、地元の自動車エンジニアの友だちを誘って

9年後に新しい駅ができて、その後10年間終着駅になるんです
いまから、まちまるごと準備していきましょう〜、ではまずまち歩きから!

えっ、そんな今どき駅なんて。と思うのもつかの間、あっそうだ、リニアだリニア、リニア中央新幹線!
東京まで40分の通勤圏?になる、ナゴヤの中心栄地区のいまとこれからを知りたくて、案内役の設計会社さんにトコトコッついていくことにしました

<写真3|案内役の方々>

あっ深谷さん
えっ、あっ、お久しぶり!
まちづくり界隈では、日本中世界中どこにでも出没するまちづくり大学院の友だち
いや〜ホント何処にでも現れて、粋な活動をしている同期・先輩・後輩の面々

そんなこんなで早速まち歩き開始です
地図をみないで、大抵のところをトコトコッと歩いてついてしまうわたしが、なぜだかナゴヤ栄は全くもって勘が働かない

<写真4|まち歩き_旗を掲げて>
<写真5|まち歩き_聴き入る参加者>

駅から南北におおきな道路が通っていると思う方々が多いのですが、実は東西に走っています、へえっ
しかも、時代と共におおきな道路が変わってきていて、その結果幅広の道路が3本もあるんです、え〜っ
ビルも密集していて、空が小さく感じる。ランドマークのテレビ塔や名古屋城、地元百貨店などなども、見えないんです ほ〜っ
だから、歩きにくいんです

<写真6|まち歩き_熱血解説!>

なるほどなるほど〜っ
なぜ道がわかりにくいのか?とってもわかりやすい説明を伺いながら、まちの楽しいポイントを軽快に愉しく案内してくださる
さすが都市計画・設計の専門家! プロってすばらしい〜
思いついた疑問をさっと投げかけても的確な答えが返ってくる、まさにかゆいところに手が届く!この素敵な感じ。

<写真7−1|老舗百貨店の素敵なタイル外壁 > <写真7−2|高層ビル街の裏路地> <写真7−3|使われなくなった建物・虫食いの空地><写真7−4|こんなところにシャチホコが・・・>

日本最古の屋上観覧車がある百貨店、壁一面タイル壁画の老舗ビル、ビルに挟まれた横丁から神社仏閣まで、バス停のシャチホコも織り交ぜながら、3次元でまちを散策し尽くす楽しい時間
これでもか!のナゴヤ魂を感じながらのまち歩きが終了、1/400のまち模型があるSakae-BA400へ戻りました

<写真8|Sakae-BA 400>
<写真9−1|Sakae-BA 400> <写真9−2|Sakae-BA 400 >

さあリニア開業を見据えて、これからみなさんでまちを創りましょう
お〜っ これから、おとなの図画工作のお時間
ヒートカッターなる専門器具もあり、プロのご指導もついていて、都市計画の様々なルールをまるっと横において、好きなエリアを選んで、模型を使ってまるごとリノベーション!

<写真10|ヒートカッター> <写真11|それぞれ楽しく思案中・工作中>

まち歩きをした後なので、不慣れなまちでもかなり頭に入ったし、歴史文化のお話もサクッと聴いたところ さあ、やんちゃなものをつくるぞ〜

そだよな、ルールって人間がつくったもの・人間だけが変えられる
東京と関西に挟まれて、生き残りをかけて、戦ってきたまちナゴヤ
ういろう、味噌煮込みうどん、ナゴヤ巻き
だからユニークなものばかり生まれてくる、ナゴヤ独自の文化なんだ

戦後復興期、まちにひとが溢れ、場所がなくなり、上へ上へと建物が伸びていった 大きなまち、その中心市街地になればなるほど、競い合って高いビルが立ち並び、いつしかそれが繁栄の都会の象徴となった

もうそんなの、おなかいっぱいなんじゃないかな
そんな兆しを、ナゴヤ・栄のまちでみつけた
そうだ、地上を取り戻そう あれだけの広い地下街を地上とリニアにつなげよう ランドマークも見えるようにしよう
そんな素人発想の大風呂敷を広げて、カッター・定規・のりと格闘すること約2時間。無理を言って2街区をまとめて、9年後のナゴヤ栄のあるエリアをつくってみたのが、コレっ

<写真12|わたしの作品>

さあ楽しい工作の時間が終了し、参加者のみなさんが、思い思いのプレゼンテーションを実施。いや〜、いろんな着眼点があって面白いな〜
わたしの番も無事終了、みなさんで記念撮影をしてお開きとなりました

<写真13|お疲れ様でした!>

終了後なんと嬉しいことにわたしの模型、お褒めのコトバをいただきました、
そしてなんと1/400のジオラマに、エイっと設置までしてくださってもう感激。
巨匠と呼んでいただいたのが、実はこれで3回目
会社では何やってんの?って感じですが、これを3度目の正直と信じて、
建築士ではなく、建築家に・マスタービルダーになろうって思います笑

<写真14|栄1/400ジオラマに、それぞれの作品を合体作業中>
<写真15|自分の作品が栄のまちにインストール>

ナゴヤを支えた地元百貨店は、閉店することになりました
あの素敵なタイル大壁画は、今後どうなるんだろう
たくさんのひとが日々憧れて見上げてきた、そんな思いが刷り込まれた大壁画を、最新鋭のリニアが開通する9年後にも、絶対みたいなと思いました
ちょっとビックリする組合せをヒョイとやってみせてくれる、ナゴヤ
この地が日本ならでは感の、核心を持ちあわせているかもしれない
毎日かわす、ふとしたナゴヤ言葉のなかに

次回は、なつよしだい です。

にっぽんトコトコッ
トコトコカウンター* ただいま226トコトコッ

*トコトコカウンター:2016年4月より訪れた場所ののべ数

愛知県名古屋市

URL:
大ナゴヤツアーズ
http://dai-nagoyatours.jp/

http://dai-nagoyatours.jp/past/1915.html

Sakae-BA 1/400
http://www.nikken.jp/ja/news/20180220.html

*写真3、5、7−1、9−2、13、14は、大ナゴヤツアーズさまよりご提供頂きました。