深谷 信介
スマート×都市デザイン研究所長 / 博報堂ブランドデザイン副代表 / 博報堂ソーシャルデザイン副代表

う〜ん、そうだなあ、朝起きられたら行ってみるか?

明日午前中は、珍しく時間がある
今晩も割と深い時間まで宴は続いたなあ笑
お酒が一滴も飲めない私だけれど、地域の宴会はすこぶる好きだ
そう、みんな飾らないし本音だから

んっ
外はまだかなり薄暗いのに、眼が覚めた
これは、トコトコッと行ってみなさいという合図だなっ

なか、ひたち、ひたちなか
まぎわらしいけど、みんな茨城県のとある市の名前
しかもそれぞれ近くにある

そんなまち、水戸から少し北へ
勝田駅に降りたところで、どうも気になる線路を発見
これは一度乗ってみるか?
鉄道好きでもないのに案内板に従って歩いて行くと、これまたびっくり
時刻表が日めくりみたいになっている
アナログすぎて思わずパチリッ
そして期待通り、二両編成の列車がホームに到着
ローカル線が味わい深いのは、今まで毎日いろいろな人を乗せて走ってきた年月と一緒に今日も動いているからなんだな

<写真1|めくりの時刻表>
<写真2|素敵なローカル列車、2両編成 >

空いているところを探して、ボックスシートを独り占めして着席
(ガラガラですが・・・)

すぐさま反対側のボックスシートに、ちょこんとおばあちゃんが座る
発車のベルがなったのだろうか?
ゆっくりと列車は出発、ともなく周りは田んぼ、田んぼ、田んぼ

<写真3|広がる田んぼ>

お米は日本人を支えてきたソールフード、しかもちょい前までは通貨だったな仮想じゃなくて現物の。。。
緑眩しいなかを、わりとガタガタと大きな音を立ててすすんでいく

反対側のおばあちゃんは鞄のなかから写真を取り出し、お孫さんでもうつっているのだろうか?、それをたのしそうに眺めている

ふと、そのおばあちゃんが立ち上がり、日よけをガタガタ動かしはじめた
どうもどこかが引っかかってうまく上に上がらない様子
ちょこっと立ち上がって手を添えると、すーっと日よけがあがり、目の前に
緑のじゅうたんが広がった
こっち側の方が広い田んぼが見渡す限り広がっている

「ありがとうございます」
一所懸命 標準語でお礼を言ってくれたおばあちゃん
「すぐ降りるけどねー ちょっと外がみたい」と

<写真4|おばあちゃん >

ほどなく、その緑のじゅうたんに向かって
おばあちゃんは、頭を垂れ、ゆっくりと手をあわせた

時間が止まった
音が消えた
おばちゃんのせなか
涙がでそうになる

そんなシーンを、どのくらい見つめていただろうか?
キーッと音が鳴り響き、軽く会釈をしておばあちゃんはその駅で降りていった

<写真5|終点阿字ヶ浦駅>

ここで車両を切り離し一両編成になった列車は、程なく終着駅へ
バスを乗り継いでいけば、目的地へ到着だな
あっ目の前にバス停が
そして今度は、スカスカの時刻表
う〜ん、マス目いらないな
いやいや、これしか走ってないんだな
ひと全然いないもんな、この駅
なんて思っていたら、すぐにバスが来た

<写真6−1|スカスカ時刻表><写真6−2|コミュニティバス到着>

地域で流行りのコミュニティバスに乗り込むと、超びっくり
びっしり満員だ
シニアの方ばかり、しかも誰一人として声を発しない異空間に乗ること15分ほど。目的地に到着した。

<写真7|寡黙な満員バス>

今年随分とメディアに露出して話題となったネモフィラの丘
カメラの画角ではとても素敵なところに見えたのだけれど、行ってみてびっくりというところも正直ある。ネモフィラは終わってしまったが、いってみようと思い立ったのだけれど、この公園の壮大な門構えにすでに圧倒されてしまった

<写真8|壮大な公園入口>

四季折々の草花が咲き誇る国立の公園。どうも地元の方々には有名だったようだが、首都圏や関東圏にはとんと知られていなかった
やばっ、これって全部みて回れるだろうか?
入り口のお嬢さんに聴いてみると、頑張って駆け足でまわれば1時間くらいでポイントを制覇できるとのこと

公園でゆっくり、と思っていたのが、公園でもアクセクという日常そのままに

ネモフィラが終わった平日朝の公園は、人影もまばら。売店でソフトクリームを買って気持ちだけ落ちつけて、早足で公園内を散策開始

<写真9−1|公園内標識><写真9−2|あの先に、あの丘に>

ストレートの道が、否が応でもテンションをあげていく
パッと景色が広がった瞬間、そこにネモフィラの終わった丘が・・・

<写真10|ネモフィラの丘>

ここからは自分の想像力との戦いだ
一面ここが紫の小さく可愛らしい花に覆われていたとしたら・・
ヤバイくらいに素敵な場所だ!
丘につづく小道をえっちらオッチラあがっていくと、またパーっと視界が開けた
あっ海だ、太平洋だ
これはメディアの報道でもみなかったぞ
あっちには港がある、こっちは海岸線
でっかいど〜北海道、じゃなくて、でっかいど〜いばらき県!

<写真11|ネモフィラの丘2_坂>
<写真12|ネモフィラの丘3_海>

振り返れば観覧車にパークゴルフ
レンタサイクルでスイ〜っと公園めぐり
ネモフィラ以外も咲き誇る草花たち
そして、なぜかトイレとたまご

<写真13−1|親子で自転車><写真13−2|観覧車とパークゴルフ> <写真13−3|たまご?> <写真13−4|お花><写真13−5|お花2>

行かないのは 罪
行ったからと言って わかったつもりは もっと罪

なかもひたちもひたちなかも
行ってみて大正解だった、国営ひたち海浜公園
それはそれは素敵な公園でした

行ってみなければわからないことだらけだ
ということを、またまた思い知らされたなあ となんとか公園回遊終了

<写真14|なぜか裏にウエルカムボード>

あっ間に合いましたね
1時間弱でなんとか公園入口まで戻ってきたら、あの受付のお嬢さんが覚えてくれてたようで声をかけてくれた

<写真15|受付の小澤さん>

どこからきたんですか?
東京から
え〜っ東京から、それはそれは遠いところを
おしごとですか?
しごとというかなんというか?笑
先週末、原宿に行ってたんですよ、東京ってすごいですね
いやいや、ここの方がスゴイでしょ ここ好き?
好きですっ!

シュシュシュッと汽笛を鳴らして、誰も乗っていない回遊列車が広くて広くて広〜い公園を走り去っていった

<写真16|ネモフィラが咲く丘>

次回は、大ナゴヤツアー です。

にっぽんトコトコッ
トコトコカウンター* ただいま221トコトコッ (8/12現在)

*トコトコカウンター:2016年4月より訪れた場所ののべ数

国営ひたち海浜公園
URL: http://hitachikaihin.jp/
茨城県ひたちなか市
https://www.city.hitachinaka.lg.jp/